【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.8】 EV? それともハイブリッド? どちらがお得か評価する? 富士山静岡空港往復で決着をつける!?(後半) [CORISM]
車は順調。しかしサービスエリア慣れしていない乗員は早くも散財!
そして、もう一つ誤算だったのはアウトランダー PHEV 給電のために停車する時間。30分と考えていましたが、充電施設を利用するための認証作業やケーブルの抜き差し等の時間も含めると、だいたい+5分位必要と考えておいたほうがよさそうです(操作に慣れればもう少し短くなるかもしれませんが)。
9時を10分ほど過ぎたところで、充電も終わり海老名サービスエリアを出発。大黒パーキングエリアの時と同じ約80%充電でしたが、今回EV走行可能距離は51kmとなっていました。この走行可能距離はドライバーの直近の走り方をもとに計算されるらしく、同じ充電量でも毎回必ずしも同じ走行距離が表示されるわけではありません。
次の足柄サービスエリアまでの距離は49.7km。表示を信じればEV走行だけで行けますが、登り坂が続くため電費的にも厳しく、実際には足柄サービスエリアまで到着するかは微妙なところです。登り坂が多いと電気はより多く消費されるので、その先の道の状況を考えて走行可能距離を判断する必要があります。当然、下り坂では電気の消費量も少ないので、より長く走れます。しかし、この区間も編集長が省エネ運転テクニックを駆使してEV走行だけで約40分間走り抜き、次の充電施設に無事到着出来ました。省エネ運転といっても、速度を落とし制限速度で左側車線をゆっくりと走っただけですけど。
急速充電器は現在1サービスエリア1台。複数設置を望む!
幸いほぼ終了間際だったのであまり待たずに済みましたが、我々が充電を始めたすぐ後にさらに別のEVが到着。高速道路の充電施設はもはや1箇所1機では足りなくなりつつある、と実感しました。高速道路は有料なのですから、早急なインフラ整備に期待したいところです。
次の駿河湾沼津サービスエリアまでは問題なくEV走行、約20分で到着。さあ、次が区間距離最長(61.2km)の静岡サービスエリアまでです。とここで編集長が「よし、運転交代!」。え-、この最長距離を私の運転でEV走行しろというの!?
しかし、ここで辞退すれば男がすたる。よーし、一丁やってやろうじゃないの、と挑んだ結果は・・・、あえなく玉砕。残り13km地点でエンジンがかかってしまい、EV走行で富士山静岡空港まで、という夢は残念ながらついえたのでした。
EV以外での走行距離が短く平均燃費は表示されませんでしたが、前回の会津~仙台を走った時の経験からすると、ガソリン消費量は恐らく1.0L弱くらいではないかと思います。
静岡サービスエリアでも充電施設に先客があり、ここでは1時間ほど停車しました。そして最終目的地の富士山静岡空港へ。新東名高速の島田金谷インターを降りてから一般道を走り、最後かなりの登り坂でEV走行可能距離がみるみる減ってヒヤヒヤしましたが、何とか無事EV走行のみで目的地到着。行きは完全EV走行こそできませんでしたが、結局ガソリン使用量は1.0L弱にとどまりました。
時間を使って徹底EVでガソリン代節約、 普通にハイブリッド走行で、燃料費はどれだけ違うか評価した
急速充電の施設利用には、会員登録する必要があり年会費等かかりますが、それを除けば今回かかった燃料代は行きは約150円、帰りは約1,245円(レギュラーガソリンの価格150円として計算)。行きはその分、充電停車1回35分×4回で2時間20分ほど時間がかかりますが、ほとんど燃料代なしで200km先まで行けるのならそういう使い方もアリ、ではないでしょうか。今後、せめて高速道路上に急速充電器がドンドン普及すれば、それこそ時間があればEVだけで、どこまでも走れそうな気がしてきました。
ただ、一般的には、なかなかこれだけ時間を費やしてドライブというのも現実的には難しいと思います。アウトランダーPHEVの経済性をより発揮させるには、急速充電器がどこにあるかをチェックし、事前にドライブプランに入れることをお勧めします。急速充電器のある場所を食事や休憩場所にするなどして、充電時間を節約すれば、よりアウトランダーPHEVの経済性が際立ちます。
今回のロングドライブで感じたことは、EVだけで走ろうとすると充電待ちや、航続距離が気になり、かなりストレスを感じました。限られた場所・距離の中で使うなら、EVは確かに環境に優れた乗り物です。しかし、一家に一台、オールマイティに使えるクルマとなるとEVでは、多少無理があるでしょう。アウトランダーPHEVのように、ガソリンでも走り、急速充電器や普通充電にも対応していれば、ある意味ストレスフリーにEVのメリットを生かせます。これからしばらくの間は、このアウトランダーPHEVのようなクルマが主流になっていくのでは、と実感しました。
今回の片道200㎞、EV VS ハイブリッド 走行燃料費対決の結果は、EV走行のみで約150円。ハイブリッド走行で1,245円。差引、EV走行のみが1,095円節約という結果に。この結果をどう感じるかは、人によって違うかと思いますが、約7.3Lくらいのガソリンが節約できたことになります。今後、ガソリン代が上がっても安くなりそうにないことや増税を考えると、かなり魅力的な数値だと思います。
ちなみに、20.0㎞/Lという良い燃費のガソリンやハイブリッド車であっても、約1,500円の燃料費計算なので、大きなボディをもつアウトランダーPHEVが、プラグイン機能をもっていることで、これほど経済的に優れているのが分かると思います。
今回のテストでは、ガソリン代節約のためサービスエリアで度々充電しました。その結果、充電待ちの間、サービスエリア内で、ついつい買い物したくなってしまうので、散財にはくれぐれもご注意下さい。私は今回、節約できた燃料代の5倍くらい使ってしまいました。あのー、編集長・・・「経費認めないよ!」
<片道約200㎞ EV VS ハイブリッド経済性対決結果>
・EV走行 約150円
・ハイブリッド走行 約1,245円
・差額 1,095円
三菱アウトランダーPHEV 価格、燃費、スペックなど
・E 3,397,500円
・G 3,642,500円
・G Safety Package 3,737,500円
・G Navi Package 4,051,500円
・G Premium Package 4,370,500円
■三菱アウトランダーPHEV減税・補助金グレード別一覧はこちら
<三菱アウトランダーPHEVスペック>
・全長×全幅×全高 4655mm×1800mm×1680mm
・ホイールベース 2670mm
・タイヤサイズ 225/55R18
・車両重量 1770~1820kg
・乗車定員 5 名
・駆動方式 4WD
・モーター
種類 永久磁石式同期モーター
搭載数 2 基 (フロント 1、リヤ 1)
最高出力 フロント:60kW、リヤ:60kW
最大トルク フロント:137N・m、リヤ:195N・m
・バッテリー
種類 リチウムイオン電池
総電圧 300V
総電力量 12kWh
・エンジン
種類 2.0L 4 気筒 MIVEC ガソリンエンジン
最高出力87kw(118PS)、最大トルク186N・m(19.0kg-m)
・ジェネレーター 発電量 70kW
・AC200V(15A) 約 4 時間(満充電)
・充電時間の目安 急速充電 約 30分(約80%)
・EV 走行換算距離(JC08 モード) 60.2km
・複合燃料消費率(JC08 モード)67.0km/L
・ハイブリッド燃料消費率(JC08 モード) 18.6km/L
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