日産スカイライン長期評価レポート Vol.9 日産スカイライン・ハイブリッドで低燃費走行にチャレンジ!「世界最速のハイブリッド」を標榜する車の燃費はどこまでのびる!?
懲りないコリズムのエコラン修行、燃費企画第3弾スタート!
今年(第35回)の日本カー・オブ・ザ・イヤーで「10ベストカー」の1台に選ばれた新型日産スカイライン 。2014年2月に3.5Lのハイブリッド車 として発売され、その後メルセデス・ベンツ 製の2.0Lターボエンジンを積んだガソリン車も追加されて、日産 の高級車として好調なセールスを記録しているとのこと。
特にハイブリッド車は、メーカー自ら「世界最速のハイブリッド」と標榜するスポーティな走りと高い環境性能の両立が特徴。世界初のダイレクトアダプティブステアリングを搭載するなど、先進の技術満載なのも話題です。そんなスカイラインを試乗する機会があると聞き、喜び勇んで出かけていったのが運の尽き。
待ち合わせ場所で落ち合った編集長、ニヤリと不敵な笑いを浮かべて「今日はお得意のエコランで走行してもらうよ!」えーっ?日産ノートのメディア対抗エコラン企画や、三菱アウトランダーPHEV の富士山静岡空港往復チャレンジで、散々懲りたはずなのに何を言ってるのアナタは・・・?ということでコリズムらしい無謀な挑戦第三弾、「エコラン下手が運転してスカイライン・ハイブリッドの燃費はどこまで伸びるか!?」が始まったのでした。
日程はそれぞれ違うものの、参加自動車メディアは20チーム。はたして、コリズムチームは何位になるのやら・・・。
東名高速を走行し、静岡の日本平へ! 低燃費走行のコツは「チョイ戻しアクセル」によるEV走行にあり!
「3.5Lエンジンとモーター合わせて364馬力を発生する走りのハイブリッドなのに、なぜ省燃費運転しなきゃならないの!」と思いつつも、編集長の命令は絶対です。少しでもいい結果を出せるように、まずは日産の車両開発主管である長谷川さんから、スカイライン・ハイブリッドの燃費を良くする運転方法のレクチャーを受けます。
低燃費運転のコツは6つくらいあるとのことでしたが、印象に残ったのは発進時にできるだけモーターを使う「ふんわりアクセル」、高速走行時の「チョイ戻しアクセル」、減速時にメカブレーキを極力使わず回生ブレーキで減速していく「ふんわりブレーキ」。
特に「チョイ戻しアクセル」は時速80km~90kmでも走行中にちょっとアクセルを抜いてあげることで、EV走行モードに瞬時に切り替わり燃費を節約する仕組みで、「エンジン走行である程度充電されたら、ぜひ積極的に使って下さい」とのことでした。
「よし! 低燃費走行の方法は理解したっ!」と勇んでスカイラインの350GT HYBRID Type SPに乗り込みましたが、このグレードのタイヤは19インチの40扁平。「これで好燃費なんか出せるのかな・・・?」とたちまち自信が揺らぐ中、助手席の編集長とともに、横浜市の日産グローバル本社から目的地である静岡市の日本平ホテルまで、さあ出発です!
苦手なエコランに全身全霊を捧げた結果と、クルマまかせクルコンで走った燃費結果の差は・・・!?
ルートは首都高速のみなとみらい入口から東名高速の横浜町田インターに向かい、静岡インターで高速を降りて一般道を約17km走行してゴール。最後は標高308mの日本平山頂に位置するホテルまで駆け上がっていくので燃費が悪くなります。高速を降りるまでに、できるだけ好燃費を叩き出す必要があります。
「よし、ふんわりアクセル、いくぞっ!」と自分では軽くアクセルを踏んだつもりでしたが、どうも右足は頭の命令には従っていないらしく、すぐにエンジンが掛かってしまいます。「何やってんだ、レクチャー通り運転しろっ!」と助手席から叱責する編集長、自分の言うことを聞かない右足・・・。
両者の板挟みになりながら、東名高速に入ると事態はますます悪化。「チョイ戻しアクセル」を実践しようとしますが、どうしてもアクセルを踏んでしまいEV 走行モードにならない!「エンジンがかからないように走れっ!」と絶叫する編集長におびえ、時速70kmで走ることでやっとEV走行に。その後は、なんとかコツをつかみ、電池を半分くらい使うまではEV走行、半分以下になったらエンジン始動して発電、満充電になったら「チョイ戻しアクセル」で再びEV走行、の繰り返し。
その結果、静岡インターを降りる時の燃費は22.2km/Lに!最後の山登り道で予想通り燃費は悪化しましたが、最終目的地到着時の燃費は20.7km/Lと大台をキープ。全行程188.4kmのうち、EV走行比率はちょうど50%でした。
せっかくのハイパワーハイブリッド車、思い通りに走らすのを楽しみにしていたのですが、往路のエコランで全身全霊を使い果たし、復路はスカイライン・ハイブリッドの快適な運転支援システム、インテリジェントクルーズコントロールとアクティブレーンコントロールをフル活用して、新東名高速を平均時速90kmくらいで帰ってきました。特に燃費は意識せず、流れに乗って走ったのですが、日産グローバル本社到着時の燃費は20.1km/L! 燃費を悪化させる日本平ホテルまでの強烈な登りが無かったとはいえ・・・。
ガーン!ヘトヘトになりながら省エネ走行した結果と車まかせに走った結果が、ほとんど変わらないとは・・・。
それはともかく、スカイラインハイブリッドの燃費には驚きでした。3.5Lのガソリンエンジンを積みながら、丁寧に運転すれば20.0㎞/Lを超える燃費とは! さらに、アクセルを踏み込めば、世界最速のハイブリッドにもなり、まさに低燃費と走りを明確に使い分ける最先端のクルマです。
まさかの、エコランスペシャリストに進化!? 20チーム中、5位と言う結果に!
なんだか、頑張った割には報われない気がしたエコランでした。結果は後日ということでした。数日後、エコランの結果がメールで届きました。まぁ、どうせ最下位争いかなぁ、と思っていたのですが、なんと、結果は5位!
エコランを行った日程も違うチームも多く、すべての人が同じコンディションでの走行という訳ではないのですが、思わずニヤニヤしてしまう結果です!
これも、厳しいエコラン修行の成果と言うことでしょうか。ちょっと、エコランに自信が持てるようになってきましたね! ただ、心配なのは、次回のエコランはハードルが上がるということは確実で・・・。困ったなぁ。
日産スカイライン価格、燃費、スペックなど
■新型日産スカイライン350GTハイブリッド価格
●2WD
・350GT HYBRID 4,624,560円
・350GT HYBRID Type P 5,002,560円
・350GT HYBRID Type SP 5,415,120円
●4WD
350GT FOUR HYBRID 4,905,360円
350GT FOUR HYBRID Type P 5,283,360円
350GT FOUR HYBRID Type SP 5,695,920円
代表グレード | 日産スカイライン 350GT HYBRID Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,440mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,560mm |
車両重量[kg] | 1,800㎏ |
総排気量[cc] | 3,498cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 225〈306〉/6,800 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350〈35.7〉/5,000 |
モーター最大出力[kw(ps)] | 50〈68〉 |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] | 290〈29.6〉 |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 17.8km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 5,415,120円 |
発表日 | 2013年11月11日 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
■新型日産スカイライン200GT-t価格
・200GT-t 3,834,000円
・200GT-t Type P 4,212,000円
・200GT-t Type SP 4,568,400円
代表グレード | 日産スカイライン 200GT-t Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,450mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,555mm |
車両重量[kg] | 1,680㎏ |
総排気量[cc] | 1,991cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 155kW(211PS)/5500rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350N・m(35.7kg-m)/1250-3500rpm |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 13.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 4,568,400円 |
発売日 | 2014年6月5日 |
レポート | 堂島昭 |
写真 | 編集部 |
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