1957年から始まった日産スカイライン、走りのDNAの原点とは?
2014年2月、13代目日産スカイライン が発売された。「スカイライン」は、スポーティセダン の代名詞で、走りのよさをセールスポイントのひとつにしている。スカイラインは、13代に渡りそうした走りの良さをアピールし続けている日本でも数少ないクルマといえる。
そんなスカイラインDNAの原点は、1957年に誕生した初代のALSI型スカイライン。進歩的な設計を売り物にし、積極性に新しいメカニズムを採用してきた。送り出したのは、戦時中は立川飛行機と呼ばれていた中島飛行機系の冨士精密工業だ。60年代になると、プリンス自動車工業を名乗っている。
飛行機屋を母体にしているから、技術には徹底してこだわった。初代モデルからして、ライバルを圧倒する高性能を誇っている。スカイラインは、中島飛行機の東京製作所が杉並区荻窪にあり、ここで設計された。だからプリンス党は「オギクボ」と呼んでいる。
高性能イメージを植えつけ、スポーツセダンとしての道を歩み始めたのは、2代目のS50型のときだ。クラス最強スペックを誇りった。それまで、シリンダーヘッドを開けてメンテナンスするのは一般的だったが、このモデルからシリンダーヘッドを現在のように『封印』してメンテナンスフリーを実現。技術の高さをアピールした。
また、そのままレースに出場可能な高性能セダン、『スカイラインGT』も開発している。今で言うエボリューションモデルだ。第2回日本グランプリでポルシェ904GTS と歴史に残るデッドヒートを繰り広げ、スポーツセダンのイメージを造り上げた。このスカイラインGTの正式カタログモデルがレース仕様に限りなく近い2000GT(S54B-II、後のGT-B)である。
後にGT-R へと発展する赤バッジのGT-Bに対し、扱いやすさを重視したツーリング派のセダンがGT-Aだ。この流れを汲むのが現在のスカイラインである。
3代目スカイラインからGT-Rが投入。高性能車としてのイメージをより強固なものとした
GT-Rを投入した3代目のGC10系からは、日産ブランドのスカイラインとして新たなスタートを切った。高性能かつ信頼性の高いエンジンと卓越したフットワーク性能によってクルマ好きを魅了している。
4代目の『ケンとメリー』のスカイラインでは、ファッション感覚も強く打ち出した。また、ロングドライブで余裕ある走りを披露するグランドツーリングカーとしての性格も強めている。
5代目のC210系『ジャパン』ではターボを搭載し、異次元の走りをアピールした。
これに続く6代目のR30系スカイラインでは、S20型エンジン以来のDOHC4バルブユニットを積む2000RSを送り込んだ。4気筒ターボを先取りしたRSターボも登場する。4気筒ターボというのは、13代目スカイライン200GT-tと共通だ。
7代目で直列6気筒DOHC4バルブエンジンを復活させた。
年号が平成に変わった89年にはボディをダウンサイジングして、運動性能を飛躍的に高めた8代目R32系スカイラインを市場に放っている。GT-Rも復活し、数々のレースで連戦連勝を収めた。再びGT-Rは、国産スポーツカー最強と語り継がれていく。車名からスカイラインの名は無くなったものの、スーパーカー となった現在のGT-Rにもスカイラインのスピリットは受け継がれている。ただ、R32系スカイライン主役は後輪駆動のGTS-t系だ。
93年8月、9代目のR33系スカイラインからは小型車枠を超え、3ナンバー枠に踏み込んでいる。
98年にバトンを託された10台目R34系スカイラインまで直列6気筒エンジンと丸型テールランプは受け継がれ続けた。
11代目V35スカイラインから、V型エンジンへシフト。13代目スカイラインは環境性能と高い走行性能を両立!
だが、21世紀になると、新しい心臓と新しいフォルムが与えられる。11代目のV35系スカイラインが目指したのは、プレミアムスポーツセダンだ。新世代FMプラットフォームを採用し、エンジンはV型6気筒のVQ系DOHCとした。正確なハンドリングとFR駆動ならではの気持ちいい身のこなしは、このV35系にも受け継がれていた。V35系スカイラインからは世界基準を見据えたプレミアムスポーツセダンへと成長した。これも特徴のひとつだ。海外では『インフィニティ』の「G」シリーズを名乗り、北米を中心に人気が高い。
2006年に登場した12代目のV36系スカイラインではV35系の長所を伸ばしている。ロングツアラーとしての実力に磨きがかけられ、さらに上質な走りを手に入れたのだ。
環境性性能と高い走行性能を両立した13代目スカイラインが誕生!
そして13代目のV37系スカイラインが、2011年11月にその姿を現した。全幅は、ついに1.8mの大台を超えたものの、低く構えた躍動感あふれるプロポーションは逞しい。止まっていても、スポーツセダンとしての存在感が際立っている。デザインやクオリティも大幅に向上した。それは、BMW やメルセデスベンツ といった欧州プレミアムセダンと対等に勝負ができるようにするためでもある。
この13代目スカイラインには、ついにハイブリッド システムが搭載された。364psというシステム出力をもち、世界最速のハイブリッドと標榜している。そして、やや遅れて登場したのが2.0L直4直噴ターボ車だ。いわゆるダウンサイジングターボで、350Nmという3.5L V6エンジン並みの最大トルクを誇り、日産 は次世代ターボと呼ぶ。ハイブリッドとターボという2つの個性が特徴のひとつだ。
日産スカイライン価格、燃費、スペックなど
■新型日産スカイライン350GTハイブリッド価格
●2WD
・350GT HYBRID 4,624,560円
・350GT HYBRID Type P 5,002,560円
・350GT HYBRID Type SP 5,415,120円
●4WD
350GT FOUR HYBRID 4,905,360円
350GT FOUR HYBRID Type P 5,283,360円
350GT FOUR HYBRID Type SP 5,695,920円
代表グレード | 日産スカイライン 350GT HYBRID Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,440mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,560mm |
車両重量[kg] | 1,800㎏ |
総排気量[cc] | 3,498cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 225〈306〉/6,800 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350〈35.7〉/5,000 |
モーター最大出力[kw(ps)] | 50〈68〉 |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] | 290〈29.6〉 |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 17.8km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 5,415,120円 |
発表日 | 2013年11月11日 |
レポート | 片岡英明 |
写真 | 編集部 |
■新型日産スカイライン200GT-t価格
・200GT-t 3,834,000円
・200GT-t Type P 4,212,000円
・200GT-t Type SP 4,568,400円
代表グレード | 日産スカイライン 200GT-t Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,450mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,555mm |
車両重量[kg] | 1,680㎏ |
総排気量[cc] | 1,991cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 155kW(211PS)/5500rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350N・m(35.7kg-m)/1250-3500rpm |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 13.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 4,568,400円 |
発売日 | 2014年6月5日 |
レポート | 片岡英明 |
写真 | 編集部 |
コメント
BNR-32と乗り継ぐもBMWに思いが移り、ランチャ・ロータスに至っている現在ですが、還暦を期にまたスカイラインみ興味が湧いてきた今日この頃、一度、試乗してみるかなぁ~
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