航続距離400㎞! 日産リーフとは、こんなクルマ!
日産リーフは、現行モデルが2代目。2017年10月に発売された。2代目ZE01型リーフは、初代ZE0型リーフと比べ、航続距離が大幅に伸びたことが最大の特徴だ。
初代リーフは、駆動用リチウムイオン電池の容量により航続距離が異なる。24kWh車が228㎞、30kWh車が280㎞だった。リーフの歴史は、ある意味航続距離を伸ばすことの繰り返しでもある。それほど、マーケットからは、より長い航続距離が求められていたからだ。
そして、フルモデルチェンジした2代目リーフは、こうしたマーケットニーズに対して明確な回答を出した。まず、リチウムイオン電池をより高効率なものへと進化させ、さらに、40kWhという大容量に変更。その結果、なんと400㎞という航続距離を達成している。
ただ、カタログ値の400㎞という航続距離は、JC08モード燃費と同様に現実的な数字ではない。実際の航続距離は、カタログ値の60~70%といったところになるだろう。それでも、240~280㎞の航続距離が期待できることになる。
確かに240~280㎞の航続距離というと、実用面で短いように感じるかもしれない。ただ、200㎞以上の距離を休憩も無しに一気に走るということが、どれだけあるのか? と、考えると、一部の人を除き、この航続距離でもそれほど問題にならないだろう。
長距離移動時で使う急速充電器の数も年々増えている。すでに、約7,100基超が設置。普通充電器に至っては、21,000基にもなる。主要な高速道路のサービスエリアなどには、急速充電器がほぼ設置されている状況なので、よほどのへき地に行かない限り、充電に困ることがないような環境になってきているのだ。
多少手間はかかるが、長距離ドライブ時に、充電スポットをドライブコース上に設定。休憩や食事などのタイミングで急速充電器を使えば、それほど時間もかからない。リーフの急速充電での充電時間は、約40分で80%までの充電が可能となっている。
e-Pedalに、プロパイロット、プロパイロットパーキングと先進技術が満載
2代目リーフの特徴は、400㎞という航続距離だけではない。自動運転技術を用いた運転支援技術であるプロパイロットやプロパイロットパーキングが用意された。
プロパイロットは、ステアリングに手を添えている程度で高速道路などの同一車線内で車線維持。さらに、前走車に対して一定の車間距離を保ちながら追従走行。前走車が停止した場合、自車も停車。前走車が走り出した場合、スイッチひとつでまた追従走行になる。とくに、渋滞時にドライバーの疲労軽減に効果があるだけでなく、疲れから起こるうっかり追突などのリスクを軽減してくれる便利で安全な装備だ。
そして、プロパイロットパーキングは、駐車が苦手な人にお勧めな装備。この機能は、まず駐車したいスペースの手前で一旦停止し、プロパイロットパーキングのスイッチを1回押す。その後、ゆっくりとクルマを進めると、ナビ画面上に駐車スペースが表示される。ナビ画面に表示された駐車スペースを押すと、駐車開始という画面が出るのでそれを再び押す。その後は、プロパイロットパーキングのスイッチを押し続ける。この間、ステアリングやブレーキ、アクセル操作はすべて自動。クルマが自動で駐車してくれる。駐車後は、パーキングブレーキまで自動で作動させ、シフトポジションもPの位置へ。後はクルマを降りるだけという状態まで行ってくれるのだ。この間、指一本で駐車ができる。
プロパイロットパーキングが作動している間に、人などと衝突しそうになった場合は、プロパイロットパーキングのスイッチを放すだけで自動で停止。もちろん、歩行者や障害物に接触しそうな場合、スイッチを押していても自動停止するので安全だ。縦列駐車や前向き駐車にも対応している。
このプロパイロットパーキングは、駐車が上手いドライバーにとっては不要の装備かもしれない。自分で運転した方が早いからだ。ただ、運転が苦手な人や視野が狭く判断力が劣ってきたような高齢者にとっては、非常に便利で安全な機能。駐車が苦手でクルマに乗ることをためらっているような人には、ぜひお勧めしたい機能だ。
そして、e-Pedalは、すでにコンパクトカーのノートe-POWERにも搭載されているe-POWER Driveの技術を発展させたものだ。このe-Pedalは、リーフの回生ブレーキを巧みにコントロールして速度調整が可能。アクセル操作だけで発進から停止までできる機能だ。一般的なブレーキングと同等の減速感(最大0.2G)を発生。一般車と同じくブレーキランプが点灯するので、後続車への心配も無用だ。
このe-Pedalのメリットは、とくに市街地走行時ではアクセルとブレーキの踏み換えが激減。そのため、ドライバーの疲労軽減にも役立つ。
日産リーフ先進技術公式解説動画
Sグレードを外して、XかGグレードから選べ! その理由は?
日産リーフのグレード選び。2代目リーフは、いずれリチウムイオン電池の容量を増やし60kWhとしたモデルが登場すると言われているが、現在はすべて40kWhのみとなっている。そのため、リーフのグレード選びは、装備内容で選ぶことになる。
まず、最初にターゲットから外したいのはSグレード。価格は3,150,360円。今のところクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金は40万円なので、約275万円でリーフが購入できる。これくらいの価格になると、身近なEVであるようにも思えるが、Sグレードは装備の充実度がやや物足りない。一般向けというよりは、法人の社用車やレンタカー的な装備となっているので価格が安いのだ。
Sグレードは、歩行者検知式自動ブレーキであるインテリジェント エマージェンシーブレーキやサイド&エアバッグ類も標準装備されていて、最低限の安全装備は確保しているが、プロパイロットやプロパイロットパーキングなどの魅力的な装備は装着できない。最先端のEVに乗るということを考えると、とにかく予算重視というのでなけれ選択肢から外したほうが無難だ。
Xグレードは、プロパイロットもしくはプロパイロットパーキングの選択ができる
Sグレードを選択肢から外した後は、中間グレードのXか最上級グレードのGかという判断になる。Xの価格は3,513,240円。Gの価格は3,990,600円なので、価格差は約48万円差となる。価格差がかなり大きな印象を受けるかもしれない。その差は、プロパイロットとプロパイロットパーキングなどと一部の安全装備が、Xではオプション設定されているから。Gでは標準装備化されている。
このXというグレードは、端的に言えばプロパイロットとプロパイロットパーキングの選択ができるグレード。プロパイロットは必要だけど、プロパイロットパーキングはいらない、もしくはその逆の選択というような顧客に対応するためのグレードだ。
プロパイロットは、ほとんどの顧客が満足できる機能。そのため、プロパイロットとその他の安全装備が装備されるセットオプションは必須といえる。このセットオプションは、●プロパイロット ●ステアリングスイッチ(メーターディスプレイコントロール、オーディオ、ハンズフリーフォン、プロパイロット) ●電動パーキングブレーキ ●215/50R17 91Vタイヤ ●17インチアルミホイール(17×6.5J) ●フロント&バックソナー ●踏み間違い衝突防止アシスト ●BSW(後側方車両検知警報) ●RCTA(後退時車両検知警報) ●インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)がプラス装備される。プロパイロットだけでなく、優れた予防安全装備がプラスされるので高齢者や女性でも安心して走行できる仕様だ。
逆にプロパイロットパーキングだけ欲しいというセットオプションの装備は、●プロパイロット パーキング ●インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付) ●インテリジェント ルームミラー ●電動パーキングブレーキ ●215/50R17 91Vタイヤ ●17インチアルミホイール(17×6.5J) ●フロント&バックソナー ●踏み間違い衝突防止アシスト ●インテリジェント DA(ふらつき警報)となる。プロパイロットのセットオプションと比べると、予防安全装備がやや物足りない印象だ。そのため、積極的に選びたいオプションはプロパイロットのセットオプションになる。
価格は、プロパイロットのみのセットオプションが162,000円。プロパイロットパーキングのみのセットオプションが210,600円となる。この金額がXの3,513,240円にプラスされる。2つのセットオプションは、同時装着は不可。つまり、同時装着を望むならGという選択になる。
Gには、Xに対してさらにLEDヘッドランプやフロントハロゲンフォグランプ、プラズマクラスター搭載フルオートエアコンなどがプラス装備されるので、満足度の高い仕様になっている。
結論:若干高価になるがGグレードがお勧め。充電「使いホーダイプラン」は超お得
日産リーフのグレード選びでお勧めしたいのはGグレード。最上級グレードなので、なかなか高価になってしまうものの、今時のクルマとしてBSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)といった安全装備は、必須ともいえる。こうした予防安全装備は、かなり頻繁に使う機能なので予防安全への貢献度は高い。
また、踏み間違い衝突防止アシストは、高齢者はもちろん、クルマの運転に慣れていない初心者や女性にも効果がある機能だ。そして、GにはLEDヘッドランプも装着されているので、夜でも存在感があり満足度はより高くなる。
プロパイロットパーキングは必要ないという人や予算重視ということならば、Xにプロパイロットのセットオプションというのもありだろう。
さらに、よりラグジュアリー感あふれるリーフにしたいというのであれば、ブラックかエアリーグレーの本革シートとBOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム&7スピーカーのセットオプションが216,000円で用意されている。
リーフ購入時には、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金が出る。金額は今のところ40万円。この補助金により、さらにリーフのコストパフォーマンスは向上する。県や市といった地方自治体によっては、さらに補助金が出るケースがあるので、その場合、さらにリーズナブルにリーフを購入することができるようになる。
また、リーフの充電に関して、日産はなかなか粋なサポートをしている。ZESP2「使いホーダイプラン」と呼ばるサービスが用意されており、なんと2,000円/月で日産販売店舗とNCSが提供する高速道路やコンビニ等の急速充電が使い放題。使いホーダイプランの対象急速充電器は、2017年7月現在で計約5,530基(日産販売店約1,760基+NCS急速充電器3,770基)と十分なものとなっている。日常的にリーフを使い出かけることがある人は、このプランを使えば、かなり電気代が節約できるのでお勧めのプランだ。
日産リーフ価格
・S 3,150,360円
・X 3,513,240円
・G 3,990,600円
日産リーフ燃費、ボディサイズ、燃費など
代表グレード | 日産リーフ G |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4480x1790x1540mm |
ホイールベース[mm] | 2700mm |
車両重量[kg] | 1520kg |
総電力量[kWh] | 40kWh |
最高出力[kw/rpm] | 110kW(150ps)/3283~9795rpm |
最大トルク[N・m/rpm] | 320N・m//0~3283rpm |
JC08モード交流電力量消費率[Wh/km] | 120Wh/km |
JC08モード一充電走行距離 | 400km |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[円] | 3,990,600円 |
発売日 | 2017/10/2 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
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