【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal [CORISM]
新型リーフの実電費って、どれくらい?(一般道編)
前回、高速道路でのリーフ実電費をレポートした。そこで、今回は一般道編。
ルートは、沼津ICからバイパスを経由して国道1号線へ。箱根の峠道を抜け、箱根新道で小田原方面へ。その後は、西湘バイパスを経由し、国道134号線に入り新湘南バイパス。新湘南バイパスからは、国道1号線に再び入り、横浜の日産本社を目指した。一般道も約100㎞走行した。
登り坂の電費は期待薄。しかし、リーフは峠でとにかく楽しい走りを披露!
まずは、沼津ICからバイパス経由で、国道1号線に入り急な峠道を登る。電気自動車は、とにかく登り坂が苦手。峠を登り切った時点での電費は、3.8㎞/kWhを表示した。高速道路での半分以下の数値になった。これは、電気自動車の宿命みたいなものと理解するしかない。
思わず涙目になりそうな電費値なのだが、良い意味で涙目になったのがリーフの走行性能だ。リーフは、フロア下に大きなリチウムイオンバッテリーを積む。そのため、リーフは低重心化されている。しかも、リチウムイオンバッテリーは後方にも積まれているため、意外と前後の重量バランスもよいのだ。
しかも、バッテリーは事故などで簡単に壊れないように強固に守られている。この強固に守れていることが、結果としてリーフのボディ剛性もアップさせている。そのため、峠道をとても気持ちよく走り抜けていく。
リーフは、どうしてもエコカー的イメージが強いクルマだ。だが、優れた前後重量配分や、低重心さというスポーツカーに求められる性能を有しているのも特徴なのだ。東京モーターショーでは、よりスポーティなチューニングが施されたリーフニスモが展示されていたが、こうしたモデルの登場にも期待したい。
下り坂で充電! 電費3.8㎞/kWhから8.9㎞/kWhへ一気に向上!!
登り坂だけの電費値を見ると、EVに対して不安に感じるかもしれない。しかし、永遠に続く登り坂などない。登り坂があれば下り坂もある。下り坂は、EVにとって充電できる好環境だ。
箱根からは、箱根新道を使い小田原方面へ走り出した。ここから、一気に下り続ける。ひたすら充電が始まる。電費計の数値が徐々に上がっていくのを見るたびに、思わず頬が緩む。航続可能距離も伸びていくので、なぜか、とても得した気分になるのはEVならではの楽しみかもしれない。
箱根新道を下りきったところで電費計を確認すると、なんと8.9㎞/kWhを記録! 過去最高の数値を記録した。山頂では44%だった電池容量は、5%増え49%になっていた。この数値は、登り坂と下り坂トータルでのもの。登り坂で多くの電力を消費したので、それほどよい電費値が出るとは期待していなかっただけに、この電費値には大満足だ。
一般道平均で、実電費8.6㎞/kWhを達成! コツコツと地道に回生するe-Pedalは、実電費へアップへの貢献度大
箱根を下りきった後は、小田原から西湘バイパスを経由し、国道134号線。その後、新湘南バイパスを経由し、国道1号線で横浜の日産本社を目指した。イメージ的には、郊外路と市街地走行をミックスしたようなルートだ。
バイパスなどの走行では、車速が若干高くなるため、電費は徐々に悪化傾向になった。悪くなったとはいえ、8.0㎞/kWh台を割ることは無かった。最終的には、8.6㎞/kWhという電費値で日産本社に到着。
驚きだったのが、市街地走行。ストップ&ゴーの多い市街地走行の方が、ガソリン車では燃費が悪化する。しかし、EVのリーフではバイパスなどでの走行より、市街地走行の方が優れた電費値が出た。これは、まず走行速度が遅いので、消費電力量そのものが少ないことが上げられる。
また、8.0㎞/kWh台を超える電費値は、先代リーフでの走行では、滅多に見ることができなかった数値だ。これは、2代目リーフに装備されたe-Pedalが大きく貢献している。
e-Pedalは、モーターの回生ブレーキを緻密にコントロール。アクセル操作ひとつで、発進から停止まで行える機能だ。日産は主にアクセルとブレーキの踏み換え回数が激減するので、疲労軽減に役立つとしている。だが、それだけでなく実燃費面でもe-Pedalは大きく貢献していた。
先代リーフにも、協調回生ブレーキが装備されていた。協調回生ブレーキは、ブレーキ操作をコンピューターが判断し回生ブレーキを中心に減速を行う。回生ブレーキで補いきれない急ブレーキや、停止直前の低速域などでは、通常の摩擦ブレーキが作動する。
従来の協調回生ブレーキは、この停止直前の速度域において、摩擦ブレーキが使われていた。これに対して、e-Pedalでは停止までほぼ回生ブレーキが行う。わずかではあるものの、何度も発進&停止を繰り返す市街地では、こうしたわずかな回生電力の積み重ねが電費に大きく貢献していたのだ。この差が、2代目リーフが実燃費を伸ばしてきている理由のひとつでもある。
また、e-Pedalには停止保持というメリットもある。信号などので停止中、ブレーキを踏み続けることから解放される。ブレーキを踏み続けるという作業は、意外なほど地味だが徐々に体力を消耗する。ブレーキを踏み続けることから解放されると、驚くほど疲労軽減に役立つことが実感できた。このe-Pedalは、電費や疲労軽減、楽しい走りにと色々な大きなメリットをドライバーに与えてくれていた。
今回の実電費チェックは、トータル走行距離約210㎞、実電費は8.2㎞/kWhとなった。運転時間は4時間以上。日帰りドライブ程度であれば、充電なしでも十分に走れることが分かる。高速道路上や休憩ポイントで急速充電器を使い充電できれば、まだまだ余裕で走れる。航続可能距離が短いから電気自動車は選ばない。そんな理由は、もう新型リーフには通じなくなってきている。
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