高い低燃費性能だが、価格と安全装備が少々物足りない
アウディQ3は、2012年5月に日本デビュー。アウディのSUVであるQシリーズ中、最もコンパクトなモデルとして投入された。全幅こそ日本の立体駐車場規格にマッチしないものの全長4,385×全幅1,830×全高1,595mmというコンパクトなボディサイズをもつ。
デビュー当初は、同じ2.0L直4ターボエンジンを搭載しながら、170ps仕様と211ps仕様の2車種が用意され、全車クワトロ(AWD) となっていた。その後、2014年3月には、310ps/420Nmを発揮する2.5Lターボエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルRS Q3が投入され、ラインアップを強化している。
ただ、アウディQ3の価格は170ps仕様でも446万円、211ps仕様になると500万円の大台を超え518万円という高価な価格設定となっている。輸入車も今まで通り、高価でも売れるという時代は終わっていて、メルセデス・ベンツGLA180 は、1.6LターボのFF車で344万円という価格設定だ。メルセデス・ベンツがアウディの価格を下回っている状態では、さすがのアウディも分が悪い。
そんなこともあり、登場したのがアウディQ3 1.4 TFSIということになるのだろう。GLAなど、最近のコンパクトSUVは、FFが主流。その理由としては、ライフスタイルとしてSUVに乗るのであって悪路走行はしない、燃費も悪くなる傾向、価格も高くなる、などの理由からだ。アウディ=クワトロ(AWD)のイメージが強いが、マーケットのニーズは必ずしもクワトロを要求していないという現状もある。
そして、低燃費性能への要求はシビアだ。とくに、輸入車はハイオクガソリン仕様となるため、燃料費という視点では、特に女性を中心に厳しくみられている。Q3のFF車に搭載されたのは、従来の2.0Lからイッキにダウンサイジングされた1.4 TFSIエンジンと6速Sトロニックトランスミッションが組み合わされ、燃費性能はクラストップレベルの17.4km/Lを達成している。
また、Q3 1.4TFSIは、GLAの344万円に対して、390万円という価格となっている。Q3 1.4TFSIは、エントリーモデルながらも、バイキセノンヘッドライト、アルミニウムルーフレール、リヤサイドエアバッグ、アドバンストキーシステム、17インチ 5アームトライアスデザインアルミホイールを標準装備しているとしているが、それでもGLAに比べるとやや高価なイメージが強い。さらに、Q3には追突被害軽減自動ブレーキが用意されていないなど、先進の安全装備で遅れをとっている。
アウディQ3を実際に購入する場合、こうした装備や価格などをメルセデス・ベンツGLAとBMW X1とシッカリと比較し商談することが重要だ。また、Q3 1.4TFSIとGLA180はFF車。それに対して、X1 sDrive18iはFR車。同じSUVで2輪駆動であっても駆動方式が違う。こうした違いは試乗して比べてみるといいだろう。
コンパクトSUVということで、コンパクトと名が付いているだけあり、期待したいのは機動性。ところが、Q3とGLAの最小回転半径は5.7mとアルファード /ヴェルファイア などの大型ミニバン 並み。それに対してX1の2WD車の最小回転半径は5.3m。全幅はQ3が1,840mm、GLAが1,804mm、X1が1,800mmとなっていて、狭い道での使い勝手に影響するので、こうしたことも考慮して選択するといいだろう。
実際の商談時には、こうした違いを頭に入れGLAとX1を含め競合させることで、大幅値引きを勝ち取りたい。
アウディQ3価格、燃費、スペックなど
全長×全幅×全高(mm) 4,385×1,830×1,595
ホイールベース(mm) 2,605
トレッド:フロント/リヤ(mm) 1,570/1,575
最低地上高(mm) 170
車両重量(kg) 1,470
最小回転半径(m) 5.7
JC08モード燃費(km/ℓ) 17.4
総排気量(cc) 1,984
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボチャージャー
最高出力[ネット] 110kW(150PS)/5,000-6,000rpm
最大トルク[ネット] 250Nm(25.5kgm)/1,500-3,500rpm
トランスミッション 6速 Sトロニックトランスミッション
タイヤ 235/55 R17
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