ヨーロッパ車の中にもシティコミューターとして作られたスマートは、初代モデルのときにはリヤフェンダーの形状を少し変えるだけで日本の軽自動車規格に適合できたから、日本の軽自動車規格が際立って常識離れのサイズというわけではない。
軽自動車はサイズの制約を受けるのと引き換えに自動車税が低く設定されている。これは軽自動車優遇ということではなく、規格による制約に対する代償ということだ。
この税負担の少なさに加え、自動車保険料の安さ、整備費用の安さなど、トータルのランニングコストの安さが注目され、最近は軽自動車が3分1から4割近い比率を占めるようになっている。
軽自動車の売れ行きが好調なために、一部の外国メーカーから「日本の軽自動車規格は非関税障壁である」といった指摘も出ているという。こうした指摘は従来からあるものだが、輸入車の販売が伸びない中で軽自動車だけが好調な売れ行きを記録しているため、改めてその声が高まってきたようだ。
個人的には、現在の軽自動車規格が良いとは思っていない。ボディもエンジンももう少し大きくしたほうが乗る人にとって良いクルマになると思っている。
でも、現在の軽自動車規格が非関税障壁だと言われるとそんなことはないと言いたい。日本の自動車規格は日本の道路交通環境に対応し、社会的な要請に応えて作られてきたものだ。外国のメーカーや自動車工業会などが、自分たちのクルマ作りの基準に合わないからといって、それを非関税障壁であるという言い分には同意できない。
外国のメーカーも日本の軽自動車規格に合わせたクルマを作れば、安い税金や保険料などが適用されるわけで、前述のように過去にスマートを軽自動車として販売した経緯もある。日本でたくさん売りたいなら、そうしたクルマを作る努力をすれば良い。単に自分たちの作るクルマが日本にマッチしないからといって、軽自動車規格に文句を付けるのは八つ当たりというものだ。
むしろ最近の欧米車は、エンジンこそダウンサイジングが始まったが、ボディに関しては1800mmを超えるのが常識になりつつあるなど拡大傾向が顕著である。コンパクトクラスのクルマでも全幅が大きいために3ナンバー車になるのは常識といっても良いくらいで、ボディやタイヤを大きくするのはたいがいにして欲しいというのが日本のユーザーの要望だ。
軽自動車規格や非関税障壁については、何回か書いていきたいと思います。
コメント
確かにその通りであり、私も、特にエンジン排気量はもう少し大きいほうがいいと思います。64馬力規制は残すとしても。
しかし、だからといって軽自動車優遇税制撤廃に繋がるような闇雲な規制緩和はするべきではないと思います。
日本の農業(特に稲作)は軽トラで持ってるようなものです。
鳥取県・島根県は一家に車3台以上の世帯が多数ありますが、大半は軽自動車です。
軽自動車優遇税制を無くされたら、これらの人々は生活が成り立ちません。
思えば、かつての「3ナンバーは一律81500円」税制も、外国メーカーが圧力をかけて変えさせたんでしたよね。
幅が数ミリ広いだけで倍以上の税金を取る税制もおかしかったけども、規制が無くなった途端に大衆クラスの車が幅1800・・・。
インフラは昔のままだしすぐには変えられないのですから、自分達の都合を日本に押し付けるのはやめてほしいと言いたいです。
そりゃ大きければ室内も広いし、安全性にも有利
サスペンションも柔らかく出来るし、タイヤ切れ角も大きく取れますが・・・
未だ狭い道の多い日本、軽自動車のような「縛り」が残ってくれる事を歓迎する人も居るのでは?
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!