RVMのユーロNCAPアドバンス賞受賞で考えたこと
運転中に後方視界を得るにはルームミラーとドアミラーを使いますが、両方のミラーに写らない死角となる部分が必ず生じます。この部分にほかのクルマが入っているとき、ドライバーにその情報を教えるのがRVMです。
リヤバンパーに備えたレーダーで斜め後方の隣車線にいるクルマを認識すると、ドアミラーに内蔵したインジケーターが点灯し、さらにそれでもドライバーが方向指示器を使うなどしてその方向に車線変更をしようとすると、インジケーターを点滅させるとともに、ブザーを鳴らして警告します。
こうしたシステムを最初に採用したのはボルボで、ブラインドスポットインフォメーションシステム(BLIS)と呼んでいました。ボルボの方式はレーダーではなくカメラを使ったものであるため、クルマ以外のものにも反応することがあり、クルマがないのにランプが点灯することもありました。
最近では、マツダ以外にもアウディ(アウディサイドアシスト)などがレーダー方式を採用しています。
マツダのRVMは日本ではアテンザとアクセラの一部グレードにオプション設定されているほか、CX-7には上級グレードに標準装備されています。アテンザではプリクラッシュセーフティシステムとセットで22万円を超える価格ですが、アクセラではAFSとセットで6万3000円ですから、それほど高い装備ではありません。積極的な標準装備化や全グレードで選択可能なオプションにして欲しいと思います。
こうした安全装備に対して、しばしば2種類の異論が聞かれることがあります。ひとつは安全装備を備えれば備えるほど、ドライバーがそれに頼って自ら安全運転をしようという意識が薄れるので危険につながるきではないかというものです。また安全装備に頼らなくても自分でしっかり斜め後方の確認をしているから、余分な安全装備はいらないという意見もあります。
安全装備によってドライバーの安全意識低下する傾向がないとはいえませんが、ドライバーの安全運転を支援するという意味で、RVMに限らず安全装備の充実化は必要なことだと思います。安全装備があるからといって、それに頼りきるような運転はやろうと思ったもなかなかできないものです。
自分で安全確認をしているから不要という考え方には、私もかなり賛成する部分があります。針路変更をするときには、かなり慎重にやっているからです。
普段からルームミラーやドアミラーを見ながら死角に入っているクルマがないかどうかを常に意識するようにしていますし、進路変更をするときには単にドアミラーを1回見るだけで進路変更することはなく、斜め後方のクルマが自分のクルマに迫ってきているのか、あるいは遠くへ離れていくのかを確認するためにハンドルを切る前に2回以上はドアミラーを見ます。
ほかに注意を向けていたために、斜め後方にクルマがあるかどうか分からないようなときには、少し顔の位置を動かしてドアミラーを見たり、あるいは車速を少し上げ下げして死角になる部分を変えるなどして確認した上で針路変更しているから、RVMのような装備はあまり必要ないなとも思います。
とはいえ、今後もずっと100%の安全確認を続けられるのかといえば、私も絶対とは言えません。特に年齢が高くなるに連れて、また運転に慣れるに連れて、運転中の注意が散漫になりがちな上に、何かあったときの反応も遅れがちになっています。
前方のクルマが急に速度を落とすなどしたときなど、急いで進路変更をしなければならないシーンだってあります。
そんな状況を考えるまでもなく、こうしたドライバーを支援する安全装備は基本的に必要なものであると思います。多くのユーザーが積極的に装着するようになれば、また全車に標準装備されるようになれば、コストダウンが進んで価格も安くなっていきます。積極的に装着したら良いと思います。
コメント
しかし、究明努力や意識徹底も必要かもしれないが、それが万全になるまでは現状を黙認しろというのはあまりにも無責任だと思うし、装着車種拡大を急いだメーカーの判断は正しかったと思う。
RVMも同じじゃないかな。
法律で義務付けるなり、メーカーで最初から装備するなり。
私はスクーターに乗っていて無茶な四輪車から自衛するため補助ミラーをつけています。
バックミラーでは死角になる隣りの、自分と同じくらいか少し後ろが前方を向いたままわかります。
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