祭りの中を走るクラシックカーイベント、川崎大師の【楽大師まつりクラシックカーパレード】 [CORISM]

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2015/04/26

40台以上が整列した大師公園。訪れた方々は懐かしまれたり興味津々で近寄られたりと様々だ。

色とりどりのクラシックカーが川崎の街中をパレード

 4月半ば、ソメイヨシノが葉桜になり陽気がとてもいい季節になってきた頃、楽大師まつりというお祭りが開催されました。川崎大師のすぐそばにある大師公園で、この時期行われている恒例のお祭りです。ここで行われるクラシックカーのパレードランに今回はお邪魔をさせていただきました。

 今回で11回目を迎えるこの楽大師まつり。実は開催1回目からこのパレードランが開催されている非常に息の長い地域密着とも言えるカーイベントであります。参加車両は1970年代までに初年度製造された車体ですからもちろん90年代に新車で製造されたものもあります。それらクラシックカーが、川崎大師周辺の道路をパレードして走るわけです。近年クラシックカーイベントもだいぶ盛んに行われて、展示やラリーなども見られますがこの川崎大師のパレードは距離こそ決して長くありませんが、その分パレード走行のスピードが極めてゆっくりと走ってくれますので沿道から見物される方々にも、その走る姿が十分に楽しんでいただけたかと思います。

 このパレードを取り仕切るW氏、実はこの他にも様々なカーイベントを仕掛け昨年には300台以上が集まった葛西臨海公園新年イベントを開催されたのも氏でした。それだけに、11年続くこのパレードも先導車が付かなくても祭りの主催者も安心して任されているようでした。もっとも、そのことを尋ねられるとW氏は「いやあ、もう丸投げ状態で11年ですよ」と笑われる。まだまだこれからも、続けていっていただきたい。そして新しい企画を仕掛けていただきたいものです。

ネイラー MG-A ジャガーEtype 

出発を待つ車たち。すでに出発準備は整い簡単な打ち合わせと注意事項を話したらいよいよ出発です。

川崎大師 楽大師まつり

次々と大師商店街の中を走りゆく車たち。沿道にはたくさんのギャラリーとカメラの砲列が並んでいた。

GTA モントリオール


ストラトス
パンテーラ
トヨタ2000GT

トヨタ2000GT。ナンバーが地域番号で一桁なことからワンオーナーとして登録されているのではと思わしき車体。


メルセデス・ベンツ
911カレラRS
フェアレディZ

Zを見つめるおじーちゃんたち。懐かしそうに様々なことを語り合っておられました。

 地域自治体と連携で行われているので、今年は諸事情でありませんでしたが例年パレードの先頭は白バイという状態です。車単体ではなく地域の大きなイベントとして行われていることもあり、一般の方との距離もとても近く子供さんはもちろんおじーちゃん方は懐かしそうに、あるいはその当時は聞けなかった話を若いオーナーから聞かせてもらうという姿も見られました。

 会場には、あらゆる国のクラシックカーが参加しいましたが、とりわけ多くの参加車両が英国車、そのこともあり少しその部分をクローズアップして見ていきました。

2台のイセッタ

 こちらの縦に並んでいるクルマ、BMWイセッタです。英国仕様と本国仕様の2台で、参加されています。何がどう違うというと、大きな特徴は後輪が1輪か2輪かという違いがあります。英国では3輪の車両には税制の優遇措置がとられているので、3輪車が英国で登録されているのです。ちなみに、日本も英国の交通基準を取り入れていますので、3輪車ですとやはり税金が安いです(オーナー談)。

 同じ3輪でもメッサーシュミットなどは、バイク登録もできますので、また違った話になるのでそれは別の機会に。画像のペパーミント系の色をしたイセッタが英国仕様でしたが、4輪仕様と違って気を付けないとコケるそうです。

 会場ではご年配の方が、オーナーに軽登録ができないかの話をされていました。やはり、そのユーモラスなスタイルゆえ所有してみたいと考えていたのかもしれません。あくまでも余談ですが、サイズ的にはできそうな気もしますが、残念ながらライトが引っかかって無理とのことでした。

カルマンギア イセッタ

バブルカーの代表選手イセッタ、元々はイソというメーカーが開発したものだがその後BMWが引き継ぎ生産された。手前のツートンカラーが4輪の本国仕様、後ろの車が3輪の英国仕様だ。

ロータスエスプリ

ロータスエスプリ。映画のエスプリは初期モデルですがこちらは最後期の角が取れたモデル

フォードアングリア

フォードアングリア、説明されるとそういえば映画にも出ていたなと思い出せますか?

この会場で多く耳にした言葉は映画に出ていた・・・。という言葉、画像がありませんがデロリアンはやはり映画のインパクトが強く「映画の・・・」と口々に話されていましたが、意外にも気がつかれることが少なかったのがこちらのアングリア、ハリーポッターで出ていたあの車ですよといえば「あ、これが」となる方もいるのでは。

あらためて、ミニというクルマを考える

モーク トラベラー マーコス

3車3様同じ車からこれだけの違う見た目の車が生まれるミニの懐の深さがうかがえるというものだ。

 ミニというクルマをご存知でしょうか?ええ、筆者と同じ世代、あるいはその下の辺りまではどっちの?ということになるでしょう。そのさらに下の世代にもなると、もうドイツ製のミニが頭に浮かぶのではないでしょうか。

 ミニは元々英国車でした。‘90年代までは、新車で日本に入ってきていましたが最初のモデルが製造されたのが1959年。それから基本スタイルをほとんど変えずに、ここまで来た車です。1994年にドイツのBMWがローバーを傘下としたことで、ミニの権利も移り、新たに現在のBMW MINIの歴史がはじまりました。細かいところは差異がありますが大まかにはこんなところです。

 そこで、会場に並んだ3台の車、見た目は全く違いますが元々はそのミニがベースになった車です。正面から見た姿は、真ん中のモデルが一番変わってはいませんが、後ろをストレッチしたワゴンモデルのトラベラー、左はモークというバギーモデルです。当初は、軍用ジープのようなものをと考えられていました(ただし実際にはタイヤサイズの関係でそうした用途には向かなかったためリゾート用のモデルとして販売されました)。最後の右側のモデルは、マーコスという別のメーカーが制作したスポーツモデルです。

 細かいお話は割愛しますが、これらの全てが基本たった1台の車をベースにしています。現代でも派生モデルは様々にありますが、これだけ見た目の違うものはそうはないかと思います。なにより、この車は半世紀経った現在においても何ら遜色なく走り続けているということです。同じ世代のクルマで遜色なく走れる車というものはなかなかありません。それは、速度についていけなかったり気難しさのために気軽に走り出せず日常の足には向かなかったりと理由はさまざまですが、この車の派生モデルたちの多くは、今でも日常のアシに使えるレベルということです。3mほどしかないこの車が、そう考えるととても偉大に見えてこないでしょうか?

ライレーADO15

おなじくBMCの一角のライレー、トランクリッドを儲けたモデルだ。

あくまでも、催し物のひとつであり、イベント来場者に身近に感じてもらえることが重要

楽大師
 会場には、他の催し物も出ています。それは、ライブであったり露天であったりと、本来の祭りの主役たちがそこにはひしめいています。車だけに限って言えば、消防団はその消化活動の車両や付随する機械の展示、地震体験の車両、もちろんカーディーラーもHONDAとベンツがきていましたがS660にばかり集客していたのはご愛嬌。そうしてみると、本当に展示するスペースとしてあったのは会場のごく一部であり、あくまでもお祭りの一環なのだと伺えるところです。

 しかし、それこそがクルマを身近に感じ理解を深めていってもらえる場なのではないかと筆者は考えます。パレードを終え会場に入ってきた車両を見つめる人たちの目線、当然のように狭い人通りのある場所に止まるわけですから、行き交う人に止まっていただいて並べます。もちろん、公園ですからお祭り以外の利用者もいます。それらの方が、嫌な顔をすることなく協力をしていただける点が、それこそ11回を数えるイベントとして定着をした何よりの証ではないかと思います。クルマに近づく子供たちの笑顔や、そうした周囲の姿がまた車を楽しい身近なモノとして感じてもらえると考えつつ絵描きの旅は続きます。

楽大師
楽大師 消防
ベンツジャパン


ホンダ

そうそう忘れてはいけません、絵描きこの日の1枚を入れていませんでした。今回は先導車こそ白バイではなくフェラーリでしたがその後ろ、本当の意味でパレードの先頭を切って走っていたMG-B。こちらがその1枚です。次回は絵かきもこの祭りの景色の一部になるのかもしれません。

MG-B

今回の似顔絵MG-B、このルックスのためどこに出ても注目を浴びそうな車体。

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