色とりどりのクラシックカーが川崎の街中をパレード
今回で11回目を迎えるこの楽大師まつり。実は開催1回目からこのパレードランが開催されている非常に息の長い地域密着とも言えるカーイベントであります。参加車両は1970年代までに初年度製造された車体ですからもちろん90年代に新車で製造されたものもあります。それらクラシックカーが、川崎大師周辺の道路をパレードして走るわけです。近年クラシックカーイベントもだいぶ盛んに行われて、展示やラリーなども見られますがこの川崎大師のパレードは距離こそ決して長くありませんが、その分パレード走行のスピードが極めてゆっくりと走ってくれますので沿道から見物される方々にも、その走る姿が十分に楽しんでいただけたかと思います。
このパレードを取り仕切るW氏、実はこの他にも様々なカーイベントを仕掛け昨年には300台以上が集まった葛西臨海公園新年イベントを開催されたのも氏でした。それだけに、11年続くこのパレードも先導車が付かなくても祭りの主催者も安心して任されているようでした。もっとも、そのことを尋ねられるとW氏は「いやあ、もう丸投げ状態で11年ですよ」と笑われる。まだまだこれからも、続けていっていただきたい。そして新しい企画を仕掛けていただきたいものです。
会場には、あらゆる国のクラシックカーが参加しいましたが、とりわけ多くの参加車両が英国車、そのこともあり少しその部分をクローズアップして見ていきました。
2台のイセッタ
同じ3輪でもメッサーシュミットなどは、バイク登録もできますので、また違った話になるのでそれは別の機会に。画像のペパーミント系の色をしたイセッタが英国仕様でしたが、4輪仕様と違って気を付けないとコケるそうです。
会場ではご年配の方が、オーナーに軽登録ができないかの話をされていました。やはり、そのユーモラスなスタイルゆえ所有してみたいと考えていたのかもしれません。あくまでも余談ですが、サイズ的にはできそうな気もしますが、残念ながらライトが引っかかって無理とのことでした。
あらためて、ミニというクルマを考える
ミニは元々英国車でした。‘90年代までは、新車で日本に入ってきていましたが最初のモデルが製造されたのが1959年。それから基本スタイルをほとんど変えずに、ここまで来た車です。1994年にドイツのBMWがローバーを傘下としたことで、ミニの権利も移り、新たに現在のBMW MINIの歴史がはじまりました。細かいところは差異がありますが大まかにはこんなところです。
そこで、会場に並んだ3台の車、見た目は全く違いますが元々はそのミニがベースになった車です。正面から見た姿は、真ん中のモデルが一番変わってはいませんが、後ろをストレッチしたワゴンモデルのトラベラー、左はモークというバギーモデルです。当初は、軍用ジープのようなものをと考えられていました(ただし実際にはタイヤサイズの関係でそうした用途には向かなかったためリゾート用のモデルとして販売されました)。最後の右側のモデルは、マーコスという別のメーカーが制作したスポーツモデルです。
細かいお話は割愛しますが、これらの全てが基本たった1台の車をベースにしています。現代でも派生モデルは様々にありますが、これだけ見た目の違うものはそうはないかと思います。なにより、この車は半世紀経った現在においても何ら遜色なく走り続けているということです。同じ世代のクルマで遜色なく走れる車というものはなかなかありません。それは、速度についていけなかったり気難しさのために気軽に走り出せず日常の足には向かなかったりと理由はさまざまですが、この車の派生モデルたちの多くは、今でも日常のアシに使えるレベルということです。3mほどしかないこの車が、そう考えるととても偉大に見えてこないでしょうか?
あくまでも、催し物のひとつであり、イベント来場者に身近に感じてもらえることが重要
しかし、それこそがクルマを身近に感じ理解を深めていってもらえる場なのではないかと筆者は考えます。パレードを終え会場に入ってきた車両を見つめる人たちの目線、当然のように狭い人通りのある場所に止まるわけですから、行き交う人に止まっていただいて並べます。もちろん、公園ですからお祭り以外の利用者もいます。それらの方が、嫌な顔をすることなく協力をしていただける点が、それこそ11回を数えるイベントとして定着をした何よりの証ではないかと思います。クルマに近づく子供たちの笑顔や、そうした周囲の姿がまた車を楽しい身近なモノとして感じてもらえると考えつつ絵描きの旅は続きます。
コメント
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!