クラシックカーとクラシックな建物が織りなすコラボレーション
昨年も取材はさせていただいたのですが、今年は少しばかり状況が違います。さかのぼる事半年前に、主催者様より連絡がありイベントに何か協力をしてもらえないかとお話をいただいておりました。
はたして、筆者のような者に協力がわずかでもできるものなのか? とは思いつつ、いただいたお話にはできる限り答えていかなくてはと出したのが子供たちによるクルマの写生コンテストでした。もちろん、主催側でもそうした企画は温めていらしたようで、こちらへはもう一捻りといった感じで連絡がきた次第です。会場には、昨年同様あるいはそれ以上のコンディションのクルマたちが集まり赤レンガを彩っております。
皆が絵筆をとって会場内を巡る。子供たちのためのクラシックカーイベント
答えは目の前にありました。子供達は、その手に絵筆を握り一心不乱に描きはじめる姿は、いつの時代も変わらずにクルマもまた興味の対象でありました。現代の車両がよく白物家電のように言われて久しいですが、そんなことはありません。少なくとも、これらの車両には子供たちが創作意欲を掻き立てるだけの魅力が存在するのです。
思えば、こうしたクラシックカーに限らずカーイベントは、割とクルマのみでしかアクセスしにくい公園やあるいはサーキット、スキー場のような場所の駐車場といた場合が多くなります。そこに、足を運べる人の多くは車を利用する方がほとんどでしょう。そうなれば、どうしても普通に過ごされている都心や鉄道網のアクセスのよい場所で生活をしている方にはなかなか目に触れる機会はありません。見えても、路上を走り去るほんの一瞬といってもいいかもしれません。その意味では、じっくり触れる機会は減っているともいえるでしょう。
しかし、筆者は少し前にある話を聞いたことがあります。それはクルマ好きの家庭に育った子供は、やはり少なからず興味を持っているという話です。もちろん家々によっては、まったく興味を持たない子供もいることでしょう。そうした親御さんの思惑とは別の方向にも行きますが、その触れていた瞬間というのが大事なのではないかと考えます。
主催者側としても、その機会を一般のいわゆる通りすがりの若い家族の方にも持っていただこうというのがその狙いの一つであるようです。思えば、海外のイベントは、子供たちにその幼いころから車とはどういったものか、交通ルールとはいかなるものかを学ぶ場の一つでもあるといってもいいでしょう。
デジタルとアナログを今一度見つめなおす
サプライズに用意したkimoda賞なるクルマのイラストプレゼントを会場の事務局裏で仕上げている最中に、スタッフの方とお話ししていて、いったいデジタルってなんだろう? と、改めてアナログの力、データではなく人間の感性と試行錯誤で仕上げたクルマたちを見つめながら考えさせられます。
世の中が、どれほど便利になったとしても、人間自体はそう変化するわけではありません。デジタルゲームやスマホ、タブレットなどがデバイスとして子供たちに与えられても、原点はここではないのでしょうか? と。
そう、会場ではそうした子供達だけでなく大人も原点回帰して一緒に遊べる。それこそが赤レンガにおいてのクラシックカーイベントの意味なのかもしれません。
イベントの最後に主催者から終了のあいさつと同時に、エンジンを始動する車の姿に子供達からの「動いた!動いた!!」の歓声が上がった時に、クラシックカーの持つクルマが本来持っている力のようなものを感じました。
そうしたクルマを見送る子供たちの声援を耳にしながら絵描きは旅をつづけます。
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