ますます目が離せなくなってくるカスタムカーの祭典
年の初めの3連休
オートサロン2017 が開催されました。今年は、初日の金曜よりお邪魔して色々と見させていただきました。すっかりおなじみの同イベントですが、ショップだけではなくパーツメーカーや学校といったところも出展。その仕上がりも筆者には、目を見張るものがあります。
今回で伺うのは何度目かになりますが、その変遷を考えると文化というものを考えさせられるような、あるいは感じさせるようなものを見て取れる思いがしました。むろん技術もさることながら、皆が思い思いに楽しんで表現ができている。そうした環境が広がっていると感じさせられました。
クルマ離れや家電化が進み、自動運転になったら興味対象から外れてしまうのでは? などと懸念も出たりもしておりますが、オートサロンはよりコアによりディ―プに趣味の世界として確実に進化しているのです。
自動車メーカー自体も積極的に参加
筆者がこのイベントにお邪魔し始めた頃というのは、どこかアウトローな部分が引きずられ、メーカーじゃやらないようなことを小さなショップがやっているという印象がありましたが(そんなころは今の人にはわからんですね)、現在は自動車メーカーも参戦してモーターショーとは別の切り口でアピールする場所となっているようです。
各メーカーとも実質的なお披露目がここであったりします。例えば、HONDA のNSX などはすでに一部の空港や様々な場所にて展示こそされていますが、実際に多くの方に内観ができたのはここではないでしょうか?
他にもレース色、ラリーカラーといった部分を前面に出したりすることで、メーカーの今後のモータースポーツ活動を示唆していく場としても有効に活用されているようです。
今年の方向性かTOYOTAも競技用を多く出品していました。
トヨタ栄光のセリカそろい踏み。
デトマソカラーのBOONシャレード以来のこのカラーも復活してほしいものです。
ヨコハマタイヤのブースに展示された432Zメインは車体ではなくタイヤ。このたびヒストリックカー向けのタイヤとして出品された。
こちらがそのHFtypeD。筆者がうかつなために手ぶれがありました。
カスタムが広げるクルマの楽しさ
カスタムカーといえば、かつてはどこかアウトロー的なイメージが付きまとうものでしたが、現在は自己表現の一環とでもいうように、さまざまな手法で、そのすそ野はまだまだ広がりを見せつつあります。その手法は、走りやスタイリングだけではなく、塗装や板金によってでさえ表現ができるということを教えてもらうことができました。
ここしばらく続いた艶消しの塗装もそうですが、最近ではあえて板金時の叩き斑とでもいえばいいのでしょうか、サンダーでキズを付けてそれを模様にしたうえでクリアーカラーの塗装をするような新しい手法もあります。そうすることで、地肌にでたその模様をアートのように見せることができています。
このところ、あちこちで自動車学校(教習所じゃありませんよ)の参加が様々なイベントで見られます。オートサロンは、まさにそうした表現の発表の場としての頂点とも言える場所ではないでしょうか。筆者が「おお!」と唸ってしまう車両を使って表現したり、もはやベース車両を聞かないとわからないほどに変貌させたクルマもありました。
カスタムの定番ベースともいえるポルシェ。ですが、この車体基本モノコック以外はすべて(屋根も)カーボンで軽量化。出品者曰く軽いので加速時のフロントのリフトには気を付けていますとのこと。
まるでどこかの映画にでも出てきそうなアウディTT。当然移動時には車高は上がるのでしょうが、走る姿を見てみたいものです。
筆者が個人的に興味を持ったカスタムが、このコペンシューティングブレーク。大きさ的にはハッチバックといえるのですが、あえてそう呼ばせていただきます。
リアもパーティングラインに沿って作られていますが、取り外しではなく、ハッチとして機能。
かわいいとの声がかなり聞こえたこのつるっとしたトラックはアクティがベース。仕事車をカッコ良くというのがコンセプト。展示のためにこの日は新鮮野菜を搭載。
中日本自動車短期大学が制作したスタリオンGSR-VR。彼らはこのクルマのデビュー時にはたしていくつだったのだろうか?
日本自動車大学校の生徒たちが制作したSA22カスタム。でもちょっと待ってください、こんなに小さかったですか!?
このカスタム、ベースになったのはNCロードスター。見事な作りですが、ボルトオンとのこと。ベースボディを傷つけずにこれだけの変化は見事。
進化する素材やシュミレートシステム
カーボン素材の展示に持ち込まれたZENOS。本体そのものがすでにカーボンの車体ですが、その意味では素材の宣伝にはうってつけの車両なのかも。今回紹介の素材をエンジン周辺を始め随所に使われています。
こうしたカスタムを行うための重要な協力者が、各パーツメーカーであり、何も外観がまるで違うものだけが、カスタムカーではありません。筆者もそしてこれを読まれている方々のお持ちのクルマもどこかしらに手を加えていれば、それはある種のカスタマイズです。ウチはノーマルと言いつつも、どこかにありませんか? よそのクルマと違ったところ。
そうしたモノを支えているのがパーツメーカーであり、その進化がユーザーを増やすためであり、全体の底上げにつながると筆者は考えます。誰かとお揃いも悪くないですが、使っていけば自ずと個性が出てくるものです。それがこうしたパーツを使うことになっていくとも思います。
お邪魔したグループMさんのところでも、その片鱗を感じさせていただきました。展示部品はカーボンパーツの一部ですが、皆さんはドライとウェットの2種類があるのをよくご存じかと思います。では、インフュージョンという製法はご存知でしょうか? 実は筆者もこの日初めて聞かされました。これは原型にカーボンシートを張り合わせて硬化するところまではウェットと同様ですが、そこに硬化するシートを張り付けて真空抜きするといった方法だそうです。まあ平たく言えば、布団圧縮袋みたいなものを想像いただければいいそうです。これにより従来よりも薄くかつ硬度の高い状態で、しかもドライカーボンのような高価にならずに作れるとのことです。
他にも光沢では、なく発光する塗装、かつてはパーツメーカーだったところが現在ではレストアを手掛けているなど、時代の変遷を見る思いがありました。
軽量素材としてもはや定番であるカーボンファイバー。そのカーボンもまた微妙に進化と変化を常にしています。
ドライブシュミレーター。メッセの通路にはGT(グランツーリスモ)のデモ展示がされたいましたが、こちらは本当のシュミレーター、操作することによって疑似的にGを感じさせるべくシートが動きます。
発光する塗料のデモンストレーション。こちらが消えている状態。
こちらが点灯状態。お分かりいただけるだろうか?Lamborghiniの文字が青く発光していることが。
うねうねとした独特のラインにより描かれる轟画伯。今年は初のブース出展ということもあり気合いの入り方も違います。
轟氏の新たな商品。コラボものですがイタリア製MAJANI(マイアーニ)のチョコレート。その場にてお買い求めされるお客様もいらした様子。
プリンスグロリア、見事なレストアですが筆者はパーツやチューニングメーカーとしての認識してなかったENDLESSさんの手により仕上げられたものだそうです。
BMW2000CS、こちらもENDLESSさんの手によるもの。その仕上がりもとても美しい。
屋外に展示されていた308Gr4。実は以前に見たwebサイトの画像にフィンランドにてレストアされているものがあったのですが、まさかコレがそうか!?という話がありましたが、まだ検証はされていないので詳細はわかりません。