日産スカイライン長期評価レポート Vol.4 次世代2.0Lターボの実燃費をチェックする! なんと、16.7㎞/Lを記録! カタログ値の約30%アップ [CORISM]
V6 3.5L車並みの大トルクを発揮する350Nmを発揮する2.0L次世代ダウンサイジングターボを搭載
国産のライバルとなるレクサスIS は、2.5LのハイブリッドとガソリンV6の2.5Lと3.5L自然吸気エンジンが用意されている。3つものエンジンンラインアップがあるものの、ガソリン車はエコカー減税にも対応していない状況。そのため、販売のほとんどがハイブリッド車 だ。対して国産プレミアムセダン としては、ガソリン車とハイブリッド車どちらを選んでもエコカー減税に対応しているのが新型スカイラインのメリットでもある。
次世代ターボのスカイライン200GT-tは、あまりエンジン回転数を上げないように走ると低燃費になる!
こうしたダウンサイジングターボエンジンの燃費が良い理由のひとつは、低回転域で大トルクを発生することだ。スカイライン200GT-tの2.0Lターボエンジンの最大トルク発生回転数は、なんとわずか1,250回転。アイドリング状態から、ほんの少しエンジン回転が上がっただけで350Nmという大トルクを発生している。
この低いエンジン回転数で発生する大トルクを使いクルマを加速させる。同時に、多段化されたミッションは、燃焼効率の良い低いエンジン回転数でドンドンとシフトアップして速度を上げていく。エンジン回転数が低いままなので、燃費が良いという理屈だ。
通常の自然吸気3.5Lエンジンが、350Nmの最大トルクを発生させるエンジン回転数は3,000~4,000回転。半分以下のエンジン回転数で速度を上げることができるので、自然吸気エンジンより力強く感じ、燃費が良くなるのだ。
次世代ターボの200GT-tも、想像以上の低燃費! 実燃費16.7㎞/Lを記録!
燃費計測に使ったコースは、首都高速。横浜の大黒パーキングを起点として、湾岸線を都心方面へ。浮島で川崎方面へ分岐し、大師で横浜方面へ向かい大黒パーキングへ戻るルートだ。高速道路での燃費とはなるが、1周約30㎞で高低差もかなりある。また、交通量が多く、一定速度で走り続けるのは難しく、簡単に良い燃費値が出るコースではない。一般的な使い方を考え、エアコンはONで走行した。
ドライブセレクトは、標準的なスタンダードを選択。スカイライン200GT-tで、ダイレクトアダプティブステアリング&アクティブレーンコントロール装着車を選択すると、なんと72通りのセッティングが可能。ダイレクトアダプティブステアリングは、操舵力と操舵応答性が各々4通りから選択でき、自分好みの仕様にできるのが特徴だ。
大黒パーキングを出発すると、しばらく登り坂が続く。必要以上にアクセルを含むことなく、ジワジワと加速していく。かなりキツイ登り坂なのだが、さすが1,250回転で350Nmを発揮するエンジンということもあり、2,000回転も回せば十分といった印象。湾岸線に入ると、トラックなどが多く一定の速度でなかなか走れない状況が続くが、80㎞/h前後でクルージングするように心がける。極端なエコランではなく、基本的に追い越し車線には出ない。
その後、浮島で大師方面へ。浮島から大師にかけては、交通量が少なく一定速度で走行が可能。若干下り坂があったとはいえ、なんと燃費計は18.0㎞/L台へ。カタログ燃費値の40%アップという状況になる。
ちょっと驚きながら、大師から大黒方面へ向かうが、残念ながら渋滞が発生。出口渋滞で、本線上で停止することは無かったものの、たまに速度が10㎞/hくらいになる状況。この渋滞が約5分くらい続いた。当然、燃費は悪化。15.0㎞/L台へダウン。
渋滞を抜け、大黒パーキングまでは10分程度。その間は、左車線をキープしながら走行。一度落ちた燃費だが、徐々に向上していく。
そして、大黒パーキングに到着すると燃費は16.7㎞/Lとなっていた! カタログ燃費値の約30%アップと言う数値だ。平均速度は、渋滞があったこともあり69.0㎞/hだった。この数値は、今までテストした2.0Lクラスの自然吸気エンジンと同等といった印象。自然吸気3.5Lエンジン並みの350Nm、という大トルクを発生するエンジンを搭載していることを考えれば、かなり優秀と言えるだろう。
さて、エコランというほどではないにせよ、16.7㎞/Lという燃費値は、それなりに神経を使って運転した結果だ。いつも、燃費に神経を使って運転できる訳でもないので、普通に走ったらどういう燃費になるのかもチェックしてみた。ただし、基本は左車線キープで速度は控えめで走行。
その結果は、15.8㎞/Lとなった。平均速度や渋滞状況も16.7km/Lの燃費値を出したときと、ほぼ同じ状況。0.9㎞/Lしか悪くなっていなかったのは、ある意味予想外。登り坂などでは、ジワジワというより気持ちよく加速した分、燃費が悪化した印象だ。
ハイブリッド車も同様だったが、新型スカイラインはゆっくり走った時の低燃費性能と、ガンガンと走らせたときのスポーティなフィーリングが上手く両立されている。燃費だけではないというのも好感が持てる。やはり、クルマは走らせて楽しくないと意味が無い。
また、交通状況があまりよくなく、気持ちよく走れないときに低燃費であることは、経済的にも環境的にも好ましい。普段はジェントル、一度アクセルを踏み込めばスポーツセダンに豹変する新型スカイライン。オンとオフを明確に切り分けるスーパービジネスマンのようでもあった。
日産スカイライン価格、燃費、スペックなど
・200GT-t 3,834,000円
・200GT-t Type P 4,212,000円
・200GT-t Type SP 4,568,400円
代表グレード | 日産スカイライン 200GT-t Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,450mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,555mm |
車両重量[kg] | 1,680㎏ |
総排気量[cc] | 1,991cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 155kW(211PS)/5500rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350N・m(35.7kg-m)/1250-3500rpm |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 13.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 4,568,400円 |
発売日 | 2014年6月5日 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
■新型日産スカイライン350GTハイブリッド価格
●2WD
・350GT HYBRID 4,624,560円
・350GT HYBRID Type P 5,002,560円
・350GT HYBRID Type SP 5,415,120円
●4WD
350GT FOUR HYBRID 4,905,360円
350GT FOUR HYBRID Type P 5,283,360円
350GT FOUR HYBRID Type SP 5,695,920円
代表グレード | 日産スカイライン 350GT HYBRID Type SP |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,800×1,820×1,440mm |
ホイールベース[mm] | 2,850mm |
トレッド前/後[mm] | 1,535/1,560mm |
車両重量[kg] | 1,800㎏ |
総排気量[cc] | 3,498cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 225〈306〉/6,800 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350〈35.7〉/5,000 |
モーター最大出力[kw(ps)] | 50〈68〉 |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] | 290〈29.6〉 |
ミッション | 7AT |
タイヤサイズ | 245/40RF19 |
JC08モード燃費 | 17.8km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 5,415,120円 |
発表日 | 2013年11月11日 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
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