メルセデスAMG GT新車情報・購入ガイド メルセデス・ベンツ ハイパフォーマンスカーの象徴 [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2015/05/27

AMGの「究極のハイパフォーマンス」を表現するブランドイメージリーダーがメルセデスAMG GTだ!

メルセデスAMG GT
 メルセデス・ベンツは、ハイパフォーマンスモデルの「メルセデスAMG GT」を発表。「メルセデスAMG GT S (以下、GT S)」の発売は2015年5月中旬、「メルセデスAMG GT (以下、GT)」の発売は2015年9月以降を予定している。

 AMGの始まりは、主にメルセデス・ベンツを中心としたチューニングメーカーからだった。レースでの活躍もあり、人気チューニングメーカーとして躍進。その人気から、1980年代後半から三菱デボネアにはエアロパーツなどを装着したデボネアAMGというモデルが存在したほどだ。その後、AMGはメルセデス・ベンツの傘下となり、ハイパフォーマンスカーの開発・生産を担う重要な一部門となる。

 日本マーケットにおいても、AMGのブランド力は強力。多くのモデルでAMGパッケージ、AMGラインなどと呼ばれるグレードが中心で売れている。もはや、AMG仕様でないと売れないというほどで、AMG仕様・グレードになっていないと、リセールバリューも低くなるという状況だ。

 今回登場したメルセデスAMG GTは、「究極のハイパフォーマンス」を追求するブランドの象徴ともいえるモデルだ。

 メルセデス・ベンツは、すでにマイバッハも傘下にして「メルセデス・マイバッハ」としている。こちらは「究極のエクスクルーシブ」といえるものだ。

 メルセデス・ベンツは、こうした両極端のブランドを併せ持つことで、顧客に対して幅の広い選択肢を与えていることになり、顧客はより自分の好みにあったブランドを選べるようになる。結果的に、メルセデス・ベンツへのロイヤリティは上がり、販売台数を伸ばす戦略といってもいいだろう。

 さて、メルセデスAMG GTに搭載されるエンジンは、専用に新開発されたAMG4.0LV8直噴ツインターボエンジン。このエンジンは、2基のターボチャージャーをV型シリンダーバンクの外側ではなく、内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとしている。エンジンを可能な限りコンパクトにするとともに、ターボチャージャーへの吸気経路を最適化することで、優れたレスポンスを実現した。

 その結果、メルセデスAMG GTは、最高出力462PS(340kW)、最大トルク600Nm、GT Sは最高出力510PS(375kW)、最大トルク650Nmを発揮する。よりハイパフォーマンスなGT Sは、パワーウエイトレシオ3.08、0-100km/h加速 3.8秒を実現している。

 また、サーキット走行でも安定したパフォーマンスを発揮するために、オイル供給方式はドライサンプ潤滑システムを採用。ウェットサンプ潤滑方式採用時よりエンジン搭載位置を55mm低くすることが可能となり、低重心化を実現。また高い横Gが発生する高速コーナリング時にも安定したオイル供給を可能とした。

 もはや、レーシングマシンに限りなく近いGTは、フロントミッドシップ&トランスアクスルレイアウトとなっている。エンジンとトランスミッションとの間をトルクチューブで接続し、内部で超軽量のカーボンファイバードライブシャフトを回転させて、強大なエンジンパワーをリアアクスルへ伝達。このレイアウトにより前後重量配分は47:53と理想的な比率を実現し、トラクション性能も向上させている。

 搭載されたミッションは、ツインクラッチ式のAMGスピードシフトDCT。燃費と快適性を優先する「C(Comfort)」、よりスポーティな「S(Sport)」と「S+(Sport Plus)」の3つのシフトモード、様々なパラメーターを個別に設定できる「I(Individual)」を設定。GT Sには、サーキット走行のための「RACE」モードも用意されている。

 単に、サーキット走行での速さを求めただけでなく、一般道での快適性も考えられている。ダイナミックエンジントランスミッションマウントと呼ばれる最新テクノロジーも採用された。この技術は、エンジンマウントとトランスミッションマウントそれぞれに磁性体入の液体可変マウントを搭載。各種センサーからの情報によりドライビングの状況を検知して、マウントの硬さを自動で調整するというものだ。通常走行時は柔らかいマウントによってドライブトレインからのノイズと振動を効果的に遮断し快適性を高めている。そして、ダイナミックなドライビング時にはマウントを硬くすることでドライブトレインのロールモーションを減少しクイックなコーナリングを実現する。快適性と高い走行性能という相反する要素を両立した機能だ。

 強大なパワーを受け止めるブレーキは、AMG強化ブレーキシステムを搭載。GTは前後に360mmドリルドベンチレーテッドコンポジットディスクを装備。GT Sにはパフォーマンスの向上に対応し、フロントにより大径の390mmディスクを装備。さらにGT Sにオプション設定されている「AMGカーボンセラミックブレーキ」は、1,700℃の高温で真空強化処理され硬度が高められており、サーキット走行時などでも強力な制動性能と正確なコントロール性能、優れた耐フェード性能を発揮します。

 ハイパフォーマンスカーのメルセデスAMG GTには、AMGパフォーマンスエグゾーストシステムが装備されている。この装備は、マフラー内のエグゾーストフラップによりエグゾーストノートを切り替えるシステム。トランスミッションがC(Comfort)、S(Sport)モードのときはエグゾーストフラップを閉じることで、住宅街はもちろん長距離クルージングなどにも最適な落ち着いたサウンドとなる。ダイナミックな走りが味わえるS+(Sport Plus)、RACEモードでは、エグゾーストフラップが開き、加速時やシフトダウンによる自動ブリッピング時などには、エモーショナルなサウンドを楽しむことができる。

 こうした走行性能だけでなく、安全装備に関しても充実しているのがメルセデスらいしいポイントだ。停止まで前車追従式のクルーズコントロールや、自動ブレーキなどを備えた「ディストロニック・プラス」など、高い安全装備を備えている。

 メルセデスAMG GTのスタイリングは、スーパーカーらしいロングノーズとショートデッキ。GTにはフロント255/35R19(GT S:295/35R19)、リヤ265/35R19(GT S:295/30R20)という大径ホイールを履く。フロントフェイスは、いかにもメルセデス・ベンツらしい力強いものだ。リヤビューでは、約120km/hを超えると自動的にリフトアップし高速走行時のスタビリティを高めるリトラクタブルリアスポイラーも装備された。

 まさに、メルセデス・ベンツを象徴するスポーツカーとなった。ただ、少々物足りなさを感じるのは、V8 ツインターボなどパワーユニット、ボディの素材などのテクノロジーが、古典的なスポーツカーであるということだ。環境問題なども含め新たなパワーユニットやボディに期待したい。メルセデスAMG GTには、ガソリンをガンガン使う旧時代のスポーツカーとしてでなく、未来のスポーツカー像を提案してほしかった。

メルセデスAMG GT
メルセデスAMG GT
メルセデスAMG GT

メルセデスAMG GT

メルセデスAMG GT/GT S価格

メルセデスAMG GT
・メルセデスAMG GT ¥15,800,000
・メルセデスAMG GT S ¥18,400,000

メルセデスAMG GTスペック、燃費など

メルセデスAMG GT
代表グレード メルセデスAMGGT
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,546×1,939×1,287mm
ホイールベース[mm] 2,630㎜
車両重量[kg] 1,615kg
総排気量[cc] 3,982cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 462(340)/6,000rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 600N・m/4000rpm
ミッション 7速DCT
定員[人] 2人
税込価格[円] 15,800,000円
レポート 編集部
写真 メルセデス・ベンツ

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(レポート:CORISM編集部

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