低燃費だけじゃなく、ダイレクト感あふれる6速ATがもつ楽しい走りにも注目したいモデル
マツダのミニバンは、屋根が開くなど独創性が高かったボンゴ フレンディがあったが、生産終了後しばらく新モデルが発売されていなかった。そんな中、ミニバンブームは加速し、トヨタのノア&ヴォクシー、日産セレナ、ホンダ ステップワゴンが熾烈な販売合戦を繰り広げていながらも、各車着実に販売台数を伸ばしていった。そんな中、少々出遅れたのがマツダだ。そして、2008年に満を持して登場したのがマツダ ビアンテだった。
他車が5ナンバーを中心としていたのに対して、1770mmという3ナンバーサイズのボディのみで登場。クラス最大級の室内空間をアピールし、先鋭的なデザインが特徴だった。しかし、このボディサイズと先鋭的過ぎたスタイリンが、マーケットであまり高い評価を得ることができなかった。発売直後から、販売台数は1000台を超えることも稀という現状が続く。
それでも、マツダは今では当たり前となったアイドリングストップ機能を2009年という早い段階でビアンテに装備。その後、数々の仕様向上を図り、2012年初頭にはマツダの新デザインテーマ「魂動(こどう)」のモチーフとなるシグニチャーウィングをフロントデザインに採用。 専用のフロントバンパーや大型メッキグリルなどをもち、ビアンテがさらに先鋭的になり、よりユニークな存在となった。
今回のマイナーチェンジでは、2WD全機種に高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と6速AT「SKYACTIV-DRIVE」を搭載し、走行性能と燃費性能の向上を実現した。燃費性能は14.8km/L(JC08モード、SKYACTIV-G 2.0搭載車)に向上し、エコカー減税の免税対象車となった。前モデルの燃費が12.4km/Lなので、20%程度燃費が向上したことになる。
日産セレナSハイブリッドを本格的なハイブリッド車かどうか、という議論はあるものの、通常のガソリン車として見ればセレナの15.2km/Lよりは若干劣る結果になっている。また、最高出力ではビアンテが上回り、最大トルクではセレナが上回る。ビアンテの最高出力とトルクは151ps/6,000rpm&190Nm/4,100rpmとなっている。
マツダ ビアンテに搭載されるスカイアクティブエンジンは、PE-VPS型となっていて圧縮比は12.0。これは、圧縮比13.0の最新アテンザ用のものではなく、プレマシー用。プレマシーは、ダイレクト感のある6速ATになったことで、リニアな走行フィーリングが増し、走りの楽しさがアップした。ビアンテもそういった走行フィーリングになっていることが予想できる。
また、機種体系を見直し、ダイナミックなフロントデザインを採用した特別仕様車「グランツ」の一部装備を見直し、新たにラインナップに加わった。人気の高い電動両側スライドドアを全車に標準装備とし、室内や荷室の収納スペースを増やすなど日常の使い勝手も向上させている。
ミニバンの大きなスペースを生かした福祉車両「助手席リフトアップシート車」および「セカンドリフトアップシート車」もベース車と同様のマイナーチェンジを実施し、7月下旬から販売する予定。
マツダ ビアンテ価格、スペック、マイナーチェンジ概要
20C-SKYACTIV 2WD(FF)6EC-AT 2,278,500円
20S-SKYACTIV 2WD(FF)6EC-AT 2,493,750円
グランツSKYACTIV 2WD(FF)6EC-AT 2,598,750円
20C 4WD 4EC-AT 2,488,500円
グランツ 4WD 4EC-AT 2,829,750円
■マツダ ビアンテマイナーチェンジ概要
・快適な走りと優れた環境安全性能
高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と高効率6速オートマチックトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」を搭載。力強さと、家族みんなが楽しめる快適さ、上質で気持ちの良いドライビングフィールを獲得。(2WD)
SKYACTIV技術を搭載して燃費性能が向上。(2WD)
エコカー減税によって取得税と重量税が免税。(2WD)
運転の楽しみを広げる「ダイレクトモード機構付ステアリングシフトスイッチ」や、走行中に運転操作の評価の状態がひと目で分かる「インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)」(ティーチング機能)を新たに装備。(2WD)
DSC(横滑り防止機構)とTCS(トラクションコントロールシステム)に加え、ヒルローンチアシスト(HLA)を標準装備。(2WD)
・精悍さと上質感を高めた内外装
新機種「グランツ-SKYACTIV」「グランツ」は、専用のフロントデザインとなり、マツダの新しいファミリーフェイスであるシグネチャーウイングを採用。
ボディカラーは、精悍なイメージの新色「ジェットブラックマイカ」をはじめ、全6色を用意。
「ジェットブラックマイカ(新色)」「ラディアントエボニーマイカ」「ストーミーブルーマイカ」
「クリスタルホワイトパールマイカ」「アルミニウムメタリック」
「クリアウォーターブルーメタリック(「グランツ-SKYACTIV」「グランツ」を除く)」
インストルメントパネルのセンターパネルに、質感の高い「ブラックメタリック」と「グロッシーダークグレー(「グランツ-SKYACTIV」「グランツ」専用)」の2色を設定。
・機能的かつ快適な室内空間
「電動両側スライドドア」と「スライドドアイージークロージャー(運転席側/助手席側)」を標準装備。
運転席/助手席両席に「シートバックポケット」を標準採用し、リアドアポケットの「ボトルホルダー」を使いやすい形状に変えるなど、各部の機能性を向上。
荷室の床下収納スペースを拡大。(スペアタイヤを廃止、パンク修理キットを装備)
3列目席に乗降する際のシート操作性を向上。
3列目席の乗員が操作するための2列目席スライド用レバーを赤色に変更
2列目シートバックに、シート操作方法をイラストで表示したラベルを設定
2列目席を横方向にスライドさせるレバーにアイコンを表示
好評のシートアレンジを引き続き採用。
「リビングモード」: 3列目席をたたんで、2列目席を最後端へスライドさせ、広い室内空間と広大な足元空間を確保
「セミリビングモード」: 3列目席をたたまず荷物スペースに活用しながら、2列目席で大人が楽に足を組める空間を確保
・新機種「グランツ-SKYACTIV」「グランツ」の専用装備
フロントデザイン(バンパー、メッキトップバー&アッパーグリル、シグネチャーウイング)
リアフィニッシャーモール(シルバー)
ブライトモールディング(フロントバンパー、サイドシル、リアバンパー下部)
LEDリアコンビネーションランプベゼル(シルバー/ブラック)
16インチアルミホイール(高輝度塗装)
マフラーカッター
インストルメントパネルのデコレーションパネル(ヘアライン)
センターパネル(グロッシーダークグレー、専用オーナメント付)
スカッフプレート
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