BMW は、プレミアムコンパクト のミニ に、ミニ初となる「ミニ5ドア」を新たにラインアップに加え発売を開始した。ミニは、2014年4月に発売されたばかりで、わずか半年で5ドアが投入された。このミニ5ドアは、ミニ初となる5ドアハッチバック モデルとなる。

　ミニは、その愛らしいルックスとゴーカートフィールと呼ばれるスポーティな走行性能などで、日本でも高い人気を誇るコンパクトカー。多くの自動車メーカーが、ミニのカテゴリーを狙って新型車を投入するも、ミニの足元にも及ばないくらい強力なブランド力をもつ。また、多くのオプションパーツがあることも人気の理由で、自分らしさを求める顧客に対して、自分だけのミニに仕上げることで満足感を提供している。

　そんなミニでさえ、万能ではない。小さなボディサイズであることから3ドアであり乗員は4人。室内スペースは、広いとは言えない。そのため、ミニブランドに共感していても、実際の生活に使うクルマとしては少々不便であることから、購入に二の足を踏んでいた人も多い。とくに、日本はクルマの維持費は高く、ミニと実用車というような複数台保有できる人は数少ない。

　こうしたミニを買うことをためらっていた理由をイッキに払拭してくれるのが、今回投入された新型ミニ5ドアということになる。まず、3ドアハッチバックがミニ以外ほとんど売れない日本マーケットなので、5ドアであるというだけで、大きなメリットだ。さらに、ミニは4人乗りだがミニ5ドアは5人乗り。あまり、5人乗車することはないとは思うが、乗員数が多いことにこしたことはない。

　ミニ5ドアのボディサイズは全長4,000×全幅1,725×全高1,445㎜。ミニ3ドアに比べ、全長を165mm、全高を15mm、ホイールベースを70mmさせている。全長4,000mmというと、ほぼフォルクスワーゲン ポロ と同じ。また、国産車ではトヨタ アクアやホンダ フィットなどとも同じボディサイズをもつ。価格を除けば、国内マーケットの量販ゾーンにドンピシャだ。まさに、ミニブランドに新たな顧客を呼び込むための呼び水的な役割になることは確実だろう。日本で最も売れるミニとなる可能性が高い。

　エクステリアデザインは、ミニ3ドアよりより70mm延長したホイールベースに合わせて、テールゲート、リアバンパーを新たにデザインした。フロント部分は、ミニ3ドアとほぼ共通。あまり変わった印象はないのだが、テール・ゲートの傾斜を、より寝かせることにより、ミニらしいスポーティさと軽快感を演出したという。インテリアも基本的にミニ3ドアと同じだ。

　居住性も向上した。ミニ5ドアの後席レッグスペースは、ミニ3ドアに対して約4cm拡大。大人5名が十分に乗車できるスペースを確保している。また、トランク容量はミニ3ドアから67L拡大。トランク容量は278Lとなった。トヨタ アクアが300L程度なので、国産コンパクトカー並みとはいかないものの、随分使い勝手はアップしている。

　新型ミニ5ドアに搭載されるエンジンは、2タイプ。ミニ5ドアには1.5L直3ターボが搭載され、136PS＆220Nm。ミニ クーパーS5ドアには、2.0L直4ターボが搭載され192PS＆280Nmとなっている。どちらも、国産コンパクトカーと比べても十分にパワフルだ。燃費はミニ5ドアが17.9km/L、ミニ クーパーSは16.4km/Lとなっており、どちらもエコカー減税に対応している。

　また、安全装備面では、万が一の衝突時に被害を軽減することを目的とし、衝突が不可避と判断された場合、システムが自動でブレーキをかけ、車両を減速させる衝突被害軽減自動ブレーキも用意された。また、このシステムは歩行者検知機能により、歩行者に対しても作動する。また、アクティブクルーズコントロールも用意されている。前走車が減速した場合に、自車の速度を自動的に調節し、適切な車間距離を保つことが可能。ロングドライブ時の疲労軽減や安全性に効果のある装備だ。

　新型ミニ5ドアの価格は2,980,000円。ミニ クーパーS5ドアの価格は3,500,000円。300万円を切っているとはいえ、1.5Lターボのコンパクトカーとしては高価。その上、ミニの場合多くのオプションが存在するので、実際にミニ5ドアを買う場合、満足いく装備を揃えると350万円くらい以上の予算感覚が必要。そう考えると、国産コンパクトカーの2倍以上。まさに、プレミアムコンパクトだ。安くないとはいえ、クオリティや、走行パフォーマンスはミニ5ドアが圧倒する。まさに、小さな高級車といえるだろう。こうした非常に強固なブランド力を使い、ミニは基本的に値引きゼロ。ミニは値引きも期待できないので、予算は多めに考えておくといいだろう。

・ミニ 5ドア　2,980,000円
・ミニ クーパーS 5ドア　3,500,000円

― 前車接近警告機能
前走車との距離が縮まるなどして 衝突の危険が高まると、システムが警告を発するとともに、ドライバーがブレーキ操作を行った際に大きな減速力が得られるようスタンバイする。

― 衝突被害軽減ブレーキ
万が一の衝突時の被害を軽減することを目的とし、衝突が不可避と判断された場合、システムが自動でブレーキをかけ、車両を減速させる。また、歩行者検知機能により、歩行者に対してもシステムが作動する。

― アクティブ・クルーズ・コントロール
アクティブ・クルーズ・コントロールの装備により、クルーズ・コントロールを使用中、前走車が減速した場合に自車の速度を自動的に調節し、適切な車間距離を保つことが可能となる。

― ヘッドアップ・ディスプレイ
ドライバーが運転操作に集中できるよう、必要な情報を視界内の見やすい位置に表示するシステム。表示される情報は、車速、ナビゲーション・システムの案内、オーディオに関するもの等が含まれ、電動でダッシュボード上に上昇する透明のプレートに映し出される。

― ナビゲーション・システム
8.8インチ・ワイド・ディスプレイ、MINIコントローラーを採用したナビゲーション・システムが、MINI COOPER Sに標準装備される（MINI COOPERにオプション）。MINIコントローラーにはタッチ・パッドが装備され、地図のスクロール、拡大や縮小、文字の入力を指で操作することが可能である。

― パーキング・アシスト
システムが駐車可能なスペースを自動で検知し、駐車のサポートを行なう。ステアリング操作はシステムが自動で行ない、ドライバーは画面の指示に従い、アクセルおよびブレーキ操作とギアの選択操作を行なう。

― リアビュー・力メラ
車両後方の画像とともに、障害物などをビジュアルに表示する。また、画像内には車幅、予想進路も表示される。

― ITSスポット対応車載器
自動防眩機能付きルーム・ミラーに内蔵されたITSスポット対応車載器(ETC機能付)。