セダンと似ているが、よく見ると全く違うワイド&ローフォルム。追突被害軽減ブレーキなども標準装備化!
BMW4シリーズクーペは、主力の3シリーズをベースとしてクーペ化したモデル。これにより、3シリーズクーペおよびカブリオレは4シリーズへ移行することになる。
新型BMW4シリーズクーペのボディサイズは、全長4,640×全幅1,825×全高1,375mmでホイールベースは2,810mmとなっている。3シリーズセダンのボディサイズが全長4,625×全幅1,800×全高1,440mmとなっていて全長で+15mm、全幅で+25mm、全高はも65mm低い計算になる。この数値から、よりワイド&ローなスタイルが強調されたスタイリッシュなフォルムになっていることが分かる。
フロントフェイスは、ワイドなキドニー・グリルや丸型4灯のヘッドライトが装備され、横方向への広がり感をアピール。大型エア・インテークを備えたフロント・エプロンなど、4シリーズクーペ特有のデザイン要素もプラスされている。さらに、丸型4灯デザインをベースに、上下がカットされたライト・リングを備えたアダプティブLEDヘッドライトは、さらにダイナミックかつ精悍なフロント・ビューを強調させている。
フロントホイールアーチ後方には、「エア・ブリーザー」と呼ばれるダクトが採用されている。これは、フロントホイールハウスに流れこむ空気を、フロントサイドパネルに設けられたエア・ダクトから放出することで、ホイール周辺で発生する乱気流を抑え、空気抵抗を低減。空気抵抗の低減は、加速性能や燃費向上にも役立っている。また、エア・ブリーザーは、レーシングカーを思わせるアイテムのひとつで、サイドビューに躍動感を与えている。
リヤデザインは、さりげなく張り出したリヤフェンダーがM3などのスペシャルモデルと同様なタフでスポーティなシルエットを作り出す。ワイド化された+25mmのサイズは、張り出したリヤフェンダーに生かされ、FRクーペらしいスタンスを作り出した。お決まりのL字型リヤコンビネーションライトもワイド化されている。
インテリアは3シリーズと同様に、ラグジュアリーとスポーツ、Mスポーツが用意され、それぞれのテーマに合わせたインタリアや外装&機能パーツが組み込まれている。クーペ化されたことで、ワイドなデザインのサイド・サポートを採用した左右独立式リヤシートが装備され、スポーティな雰囲気を強調している。
BMWといえば、約50:50前後重量配分にこだわった高い走行性能をもつ。BMW4シリーズクーペも同様で、さらに現行BMWモデルで最も低い重心位置となり、フロント・アクスルにトーション・バーが追加された専用サスペンションシステムが採用された。そして、ボディがワイド化されたことにより、トレッドも拡大。ただでさえ切れのある走りを得意とするBMWなのに、物理的なスペックもよりスポーティな方向へ進み俊敏なハンドリング性能は、さらに磨きがかかった。
BMW4シリーズクーペに搭載されるエンジンは2タイプ。428iクーペには、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。180kW(245ps)/5,000rpm&350Nm(35.7kgm)/1,250-4,800rpmを発生する。燃料の良いこのエンジンは、15.2km/Lという低燃費を実現。エコカー減税対象モデルなり、自動車取得税および重量税が75%減税される。
435iクーペには、3.0L直列6気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載225kW(306ps)&400Nm(40.8kgm)/1,200-5,000rpmを発揮するパワフルさが魅力だ。0-100km/h加速(ヨーロッパ仕様車値)わずか5.1秒。なかなかの瞬足だ。
追突被害軽減ブレーキなどの安全装備などが若干遅れていたBMWだが、新型4シリーズクーペではカメラにより前方の監視を行い安全なドライビングに貢献する「ドライビング・アシスト」を全車標準装備して、一気に高い安全装備となった。
ドライビング・アシストは、衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」の3つの機能が含まれている。もちろん、歩行者検知機能も採用。歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。
こういった高い安全装備は、標準装備化して初めて自動車事故を減らすという社会貢献的意味をもつ。オプション装備ではなく、標準装備化という選択をしたBMWジャパンの判断は高く評価できる。この結果、BMW4シリーズクーペを購入した顧客は、誰もが一定水準以上の高い安全装備に守られ、さらに歩行者などへ危害を加えるリスクが一気に低くなった。
BMW4シリーズの選び方は、やはり428i&435iともMスポーツをベースに選ぶことをおすすめしたい。Mスポーツには、専用サスにエアロパーツ19インチホイールなどが装備されていて、最もスポーティなグレードとなる。スポーツより20万円高価になるが、数年で売却するときにこの差は無くなる以上のリセールバリューに差が出る可能性が高いからだ。リセールバリューを考えないという人や、乗りつぶすつもりなら、ラグジュアリーという選択もゴージャスなクーペというもうひとつの魅力が際立ってくるので、面白い選択になる。
BMW4シリーズクーペ価格、燃費、スペックなど
・428iクーペSport ¥6,240,000
・428iクーペLuxury ¥6,460,000
・428iクーペM Sport ¥6,440,000
・435iクーペ ¥7,380,000
・435iクーペSport ¥7,540,000
・435iクーペLuxury ¥7,580,000
・435iクーペM Sport ¥7,740,000
代表グレード | BMW428iクーペMスポーツ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4670×1825×1375mm |
ホイールベース[mm] | 2810mm |
トレッド前/後[mm] | 1,545/1,575mm |
車両重量[kg] | 1,570㎏ |
総排気量[cc] | 1997cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 245ps(180kw)/5000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 350N・m/1250-4800rpm |
ミッション | 8速AT |
タイヤサイズ | F:225/40R19 R:255/35R19 |
JC08モード燃費 | 15.2㎞/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 6,440,000円 |
発売日 | 2012/9/24 |
レポート | 編集部 |
写真 | BMW |
BMW4シリーズクーペ主要装備類
サーボトロニック(車速感応式パワー・ステアリング)
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
バイ・キセノン・ヘッドライト(光軸自動調整機構/LEDスモールライト・リング/LEDアクセント・ライン付)
アダプティブヘッドライト(バリアブル・ライト・コントロール機能、コーナリング・ライト付)
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(フロント&リヤ、ビジュアル表示機能付)
リヤ・ビュー・カメラ(予測進路表示機能付)
ドライビング・アシスト
■ レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)
■ 前車接近警告機能
■ 衝突回避・被害軽減ブレーキ
BMW SOSコール/BMWテレサービス
コンフォート・アクセス(トランク・リッド・スマート・オープナー機能付)
マルチ・ファンクション・スポーツ・レザー・ステアリングホイール(シフト・パドル付)
電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能、後席へのコンフォート・エントリー機能付)
BMWヘッドアップ・ディスプレイ
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
HDDナビゲーション・システム(VICS3メディア対応)
iDriveコントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
スピーチ・コントロール(音声入力システム)
ハンズフリー・テレフォン・システム
USBオーディオ・インターフェース
ETC車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ)
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