1.6Lエコブーストを搭載! さらに、追突軽減ブレーキも用意。燃費は9.5km/L!?
初代フォード クーガは、欧州では2008年頃から発売が開始され2010年に日本に導入されている。いわゆるフォード ヨーロッパ製で、当時フォードグループだったマツダやボルボなどと同じプラットフォームをベースとして開発されたコンパクトSUVだ。日本に導入されたモデルは、直5 2.5Lターボで200psという高出力のエンジンとAWDの組み合わせのみ。元々定評のあるフォード ヨーロッパ製ということもあり、高い走りの質をもつモデルではあったが、2,521ccという日本マーケットの税制上、微妙な排気量だった。さらに、アメリカ フォードとヨーロッパ フォードという極端なブランドイメージの違うクルマをひとつの販売チャネルで売っていたこともあり、販売は想像以上に伸びなかった。
そんな新型フォード クーガだが、フォーカスに続き、フォードのOne Ford 戦略のもとグローバル・プロダクトとして世界中で展開するモデルとなっている。微妙な排気量だったパワーユニットは、環境に配慮した日本初上陸となる1.6Lエコブーストエンジンが搭載された。トランスミッションには、新たに6速セレクトシフト付オートマチックトランスミッションが組み合わされ、182psというハイパワーを発揮しながら、旧モデル(2.5L 5気筒エンジン+5速AT)と比較して、燃費性能は20%超改善した。駆動システムも新設計のインテリジェントAWDを採用。路面や走行状況に応じてトルクを前後間で100:0~0:100で自動的に配分する本格派だ。オフロードの走破性だけでなく、オンロードでも走行状態をモニターし、気持ち良いハンドリングと駆動力が最適になるようになっている。
このAWDシステムに、最新のトルクベクタリングコントロールを標準装備。これは、フロントの左右ブレーキを利用してトルク配分デファレンシャルと同等の効果が得られるようにしたシステム。コーナリング時の左右フロントホイールに伝達されるエンジンのトルクを絶えず調整する。これによって、想像以上にクルマの向きがスイスイと変わり、スポーティなハンドリングが楽しめる。
エクステリアは、フォードが提唱する“キネティックデザイン”コンセプトを取り入れ進化させている。エッジの効いたシャープなフォルムは、モダンかつ先進的なイメージを強調する。眼力が強いのが特徴で、SUVにありがちなポテっとした雰囲気はない。顔つきだけを見ていれば、まるでスポーツカーのようだ。そんなスポーティなデザインながら、アーチ面に樹脂製プロテクターを装着。力強さやSUVらしさも同時に表現している。
ボディサイズは、旧型比で全高1cm低くし、全幅は1cmスリムに、全長は9.5cm大きくした。全長が伸びたことにより、ラゲッジルームも拡大された。ラゲッジスペースは、通常状態で406L(旧モデル360L)、リアシートを倒した状態では、603Lというクラストップレベルのトランク容量を確保した。
インテリアは、航空機のコックピットをイメージしたデザインとなった。新型フォード クーガで初めて採用された新しいグローバル・シートは、燃費改善と一環として小型軽量化が進められた。従来のシートより、約10%の軽量化されただけでなく、乗員の身体がシート中央に自然にフィットするように、シートバックの形状をV字に近い型としている。これは、ドライバーの体型を問わずに適正な着座位置となり、ステアリングホイールやメーターパネルとドライバーの位置が最適になるようになった。
急速に進む安全装備面では、アクティブ・シティ・ストップをクーガのTitaniumに標準装備としている。この装備は、いわゆる低速域の追突軽減自動ブレーキといわれているもの。前方のクルマをレーザーセンサーで検知し、衝突の危険があった場合、自動的にブレーキをかけて衝突を回避する。車両間の相対速度差が時速15km未満の場合は追突を回避。時速15~30kmでは、衝突のダメージを軽減する。
新型フォード クーガの燃費は、1.6Lエコブーストを搭載して9.5km/L(JC08モード)。この数値は、それほどほめられたものではない。ただ、エクスプローラーもそうだったが、実燃費は納得できるものだったので、新型クーガも実燃費に期待したい部分だ。
新型フォード クーガのグレードは、タイタニアム(385万円)とトレンド(340万円)の2タイプが用意されている。価格差は45万円とかなり開きがある。しかし、大きな装備でHIDヘッドランプやデュアルパネルサンルーフ、フルレザーシート、ハンズフリーのパワー リフトゲート、ロール・スタビリティ・コントロール付アドバンストラック、カーブコントロール、アクティブ・シティ・ストップなどの装備差がある。これだけ違うと、タイタニウムのお買い得感が際立ってくるので、選ぶならタイタニウムがベストな選択となるだろう。ただ、先代フォード クーガの場合、リセールバリューが非常に厳しい状態。そのため、中古車になると良いクルマが安く買えるメリットがあった。新型クーガも同様になるのかは、売れ行き次第だが、短期での乗り換える人は注意が必要だ。
新型フォード クーガ価格、スペック、燃費など
タイタニアム:385万円
トレンド:340万円
代表グレード | フォード クーガ タイタニアム |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,540x1,840x1,705mm |
ホイールベース[mm] | 2,690mm |
トレッド前/後[mm] | 1,565/1,565mm |
車両重量[kg] | 1,720kg |
総排気量[cc] | 1,595cc |
エンジン最高出力[kW (ps)/rpm] | 134[182]/5,700rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 240[24.5]/1,600-5,000rpm |
ミッション | セレクトシフト付電子制御6速オートマチック |
タイヤサイズ | 235/50R18 |
燃費 | JC08モード 9.5km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 3,850,000円 |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
レポート | 編集部 |
写真 | フォード |
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