ホンダNワゴンは、2013年11月に発表され、まだ1年にも満たない新型車だ。軽自動車のど真ん中と言われるハイト系ワゴンクラスに投入された。このクラスは、各メーカーが自社の顔ともいえる看板車種が投入されている超激戦区。スズキ ではワゴンR 、ダイハツ ではムーヴ などがライバルとなる。

　スーパーハイト系 は、主にスペースやクオリティが重視される傾向にある。また、ロールーフ系は価格や燃費が重要とされている。そして、その中間にあるハイト系は、それらすべてにおいて高いレベルが求められている。価格や燃費・スペースにと、すべてにおいて妥協が許されないクラスともいえるのだ。

　とくに、燃費性能は急速に進んだ。クラストップのワゴンRの燃費は、なんと30.0㎞/Lを達成した。一般的に、Nシリーズの第1弾となったN-BOXと、このNワゴンは多くの主要パーツを共用する。そのため、新型Nワゴンも普通ならN-BOX のエンジンを流用するはずだった。しかし、ワゴンRの30.0㎞/Lという燃費性能はホンダが想像していた以上の数値だったようで、N-BOXのエンジン流用では燃費で勝負にならないと判断。新エンジンを開発し、このNワゴンに搭載したのだ。

　わずかな期間で開発された新型エンジンを搭載したNワゴンだったが、燃費は29.2㎞/L。わずかにワゴンRに及ばなかった。ホンダが後出しで負けるということで、スズキのテクノロジーの高さがより際立つ結果となった。

　もちろん、このクラスは燃費だけで売れる訳ではなく、ホンダは価格や装備などで優位性をアピール。とくに、安全性能も他のNシリーズには無かった追突被害軽減自動ブレーキも用意。横滑り防止装置（VSA）は標準装備されており、非常に価値のあるモデルとなっている。

　今回投入された特別仕様車Nワゴン コンフォートパッケージは、Nワゴンの高い装備と価格という価値をより磨いたものとなっている。

　コンフォートパッケージは、NワゴンG・Aパッケージに加え、専用インテリアやピアノブラック調センターパネル&メーターパネルで高級感をプラス。さらに、シートヒーターなど、数々の装備がプラスされている。

　価格はベースのNワゴンG・Aパッケージが1,285,715円で、コンフォートパッケージは1,320,000円なので、約3.4万円アップとなっている。この価格アップに対してプラスされた装備を考えると、かなりお買い得感がある。Nワゴンの購入を考えているのなら、このコンフォートパッケージを選ぶと良いだろう。残念ながら、このコンフォートパッケージは、カスタムやターボ車には設定されていない。

　こういった特別仕様車は、商談時に「お買い得なモデルなので値引きができない」というセールストークが出る可能性が高い。そうさせないためにも、少なくてもワゴンRとムーヴと競合させ見積りを提示してもらう必要がある。

　増税後の4～5月は、クルマの販売台数が大きく落ち込んでいて、6～7月はとにかくその穴埋めをしなくてはならない。完全に買い手が有利な時期でもあるので、ジックリと商談して値引き金額の上乗せを狙いたい。

　また、下取り車もこの時期は高値がつきやすい。ただし、8月に近くなるほど価格が下落する傾向になるので、下取り車は早めに処分するのが賢い。ディーラーは、納車後の時期で価格を算出するケースが多いので、必ず買い取り専門店 などで査定しておくことが必要。一番高く買い取ってくれるところに売ればいい。