メルセデス・ベンツSLクラス新車情報・購入ガイド 実質、価格引き下げ? 価値あるメルセデス・ベンツの提案 [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2013/08/11

AMGスポーツパッケージを標準装備しながら、価格据え置き!

 メルセデス・ベンツは、最高級ロードスターであるSLクラスの装備内容を大幅に充実させ発売を開始した。

 メルセデス・ベンツSLクラスは、2012年3月にデビュー。11年ぶりのフルモデルチェンジで、今回のモデルは7代目に当たる。ハイライトは、フルアルミ製のボディシェルが採用されたこと。一部にスチールを使っている部分もあるが、ボディの大半をアルミ製で作ったフルアルミボディとしたのが大きな特徴だ。これによってホワイトボディで、ざっと30%の軽量化が図られて、走りや燃費に貢献するとともに、ねじり剛性も20%向上させている。

 同時に、最新世代のパワーユニットが搭載された。V6の3.5LのSL350とV8の4.7LターボのSL550が用意され7速ATと組み合わされている。また、5.5LのV8ターボエンジンを積むハイパフォーマンスモデルSL63AMGに、受注生産で、さらにパワフルなモデルである6L V12ターボのSL65AMGが用意されている。

 そんなメルセデス・ベンツSLが、日本デビューからわずか1年半で、大幅に装備を見直し、再投入された。今回の装備見直しは、内外装のスポーティな個性をいっそう強調するAMGスポーツパッケージを標準装備した。エアロパーツを主体としたAMGスタイリングパッケージや、19インチAMG5スポークアルミホイールなど、精悍な印象を高めるエクステリアパーツに加えて、インテリアにもAMGスポーツステアリングやホワイトパイピングを施した専用デザインのスポーツシートを採用している。

 驚きなのは、当時90万円相当だったAMGスポーツパッケージを標準装備しながら、価格はいずれも従来モデルと同じな点だ。つまり、AMGスポーツパッケージ分が、値引きされているということになる。AMGスポーツパッケージは、人気オプションで、ほとんどの顧客が選ぶといわれている。車種設定において、そういったオプションを標準化したモデルを出すのは、ある意味、王道とも言えるマーケティング手法。また、マイナーチェンジ前などに、こういったオプションを装備し、割安な価格設定した特別仕様車などが定番だ。

 しかし、今回、メルセデス・ベンツがとった手法は、完全に価格据え置きであって限定車でもない。つまり、一般的にはほとんど行われない価格改定といってもいいくらいの大胆戦略だ。

 メルセデス・ベンツSLクラスのエントリーモデルとはいえ、約1,200万円という高価なクルマだ。こういった高額スポーツモデルを購入する顧客層が、90万円程度の割安感が出たからといって、直接の購入動機になるとは思えない。しかし、メルセデス・ベンツの中では、このクラスの高級車であっても、価格も重要な購入動機のひとつとして、価値を増していると思われる。

 メルセデス・ベンツは、Cクラスのプロモーションで399万円からという価格訴求に打って出た。そして、度重なるモデルの充実化などにより、モデル末期に入ってきたCクラスが今も好調だという。さらに、最近投入されたばかりのA&Bクラスも戦略的な価格設定で、ヒットモデルに成長している。

 その昔、メルセデス・ベンツなどの高級車は高いほうが売れるという神話があった。しかし、合理的な世代が増えた現在、ただ単にブランドだけにお金を使わない時代になったようだ。プロダクトの価値とブランドの価値、そこに価格的価値がなければ、絶対的な高級車ブランドであっても簡単に売れないということなのだろう。

 メルセデス・ベンツは、数々のモデルの仕様を見直すだけでなく、価格も見直し、新たな価値を続々と提案中だ。その結果、軽自動車とコンパクトカーしか売れない国産メーカー苦悩を尻目に、販売台数も好調に伸ばしている。

■メルセデス・ベンツSLクラス価格
・SL 350 3.5L、V6 左/右 ¥11,900,000円
・SL 550 4.7L、V8 ツインターボ 左 ¥15,600,000
・SL 63 AMG 5.5L、V8 ツインターボ 左 ¥19,800,000
・SL 65 AMG 6.0L、V12 ツインターボ 左 ¥30,500,000

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(レポート:CORISM編集部

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