メルセデス・ベンツCクラス新車情報・購入ガイド 全幅1,810mmを除けば、価格に安全装備、走行性能など全方位隙なしの完成度! [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2014/07/11

メルセデス・ベンツC250スポーツ

コンセプトはアジリティとインテリジェンス!

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC180

 メルセデス・ベンツ は、主力の小型セダン であるメルセデス・ベンツ「Cクラス 」を7年ぶりにフルモデルチェンジし発売を開始した。

 新型メルセデスベンツCクラスは、1982年に「190」として登場以来、日本でも馴染み深い小型のセダン。BMW 3シリーズ セダンと並び、国内の輸入車マーケットをけん引しているモデルだ。

 新型メルセデス・ベンツCクラスのコンセプトは「アジリティ&インテリジェンス」。最近では敏捷性というよう意味合いで、自動車業界でもよく使われる言葉だ。ザックリいうと、運動性能だと理解すればいい。

 新型Cクラスは、このアジリティを高めるために多くの新技術にチャレンジしている。まずは、ボディシェルのアルミニウム使用率を約50%と、量産車としては類を見ないレベルに高めた。さらに、高張力鋼板などを適材適所に組み合わせ、軽量高剛性アルミニウムハイブリッドボディを採用。一般的に、アルミとスチールという異なる素材を溶接することは非常に難しい。そこで、メルセデス・ベンツは、新しい工法を採用。アルミニウムハイブリッドボディを実現するために、自動車メーカーとして世界で初めて、量産車に「ImpAcT(インパクト)(Impulse Accelerated Tacking)」接合方式を採用。この技術は、アルミとスチールのコンポーネントを重ね合わせ、そこに高速でリベットを貫通させ接合するものだ。

 こういった新技術により、先代比(ホワイトボディ)約70kgの軽量化を実現した。この軽量高剛性ボディの採用により、重心高を低下させスポーティかつ俊敏なハンドリングを可能とし、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)特性の最適化させている。当然、ボディが軽ければ燃費にも貢献。Cd値0.24というセグメント最高水準の空力特性も加わり、動力性能をまったく犠牲にすることなく燃費性能を大幅に向上。先代C180アバンギャルドの新旧比で最大30%以上向上しているという。

 そして、新型Cクラスのアジリティに大きく貢献しているのが、新開発の4リンク式フロントサスペンションだ。4リンク式のメリットは、リンク機構とストラット式スプリングを独立させることで理想的なサスペンションの動きを実現できることにある。キャンバー角の自由なセッティングが可能になることで、コーナリング時のグリップが大幅に向上。旋回スピードの向上や、俊敏なハンドリングを実現した。

 リヤサスペンションは、Cクラス伝統となっているマルチリンクサスペンション。5本のリンクによる独立懸架式とし、卓越した直進安定性を実現している。

 サスペンションは、グレードやオプションにより3タイプを設定。アジリティコントロールサスペンションは、通常走行時には快適な乗り心地としながら、ハードな走行時には最大限の減衰力を発揮し、スポーツドライビングが楽しめる設定。

 スポーツサスペンションは、アジリティコントロールサスペンションをベースに、スプリングとダンパーをさらにハードな仕様とした。同時に、ステアリングレシオをよりダイレクトな設定とすることで、シャープなハンドリング性能となるようにセッティングされている。

 そして、驚きなのは、ついにCクラスにまでエアマティックサスペンションが採用されたこと。エアサスは、Sクラス などのラグジュアリーモデルに使われてきたサスペンション。エアサスの特性を生かしたきわめて滑らかな乗り心地は、1クラス以上のクオリティをもったものとなっている。

 こうしたアジリティへのこだわりは、ドライバーの好みでも選択できる。新型Cクラスのドライビングモードの選択は、センターコンソール下部の「アジリティセレクト」スイッチにより選択可能。モードは「Comfort」、「ECO」、「Sport」、「Sport+」の4つから選べ、アクセルレスポンス、トランスミッションのシフトポイント、ステアリング特性、サスペンション特性が変化する。

 さらに「Individual」モードでは、それらをドライバーの好みで自由に設定できるようになっていて、自分好みのセッティングにして新型Cクラスのアジリティを思う存分楽しむことが可能となった。

 新型メルセデスベンツCクラスに搭載されるパワーユニットは、1.6Lと2.0L直列4気筒BlueDIRECTターボエンジンが用意された。お勧めは、やはり2.0Lエンジン。このエンジンは、メルセデス・ベンツが世界で初めて実用化したエンジンで、成層燃焼リーンバーン、ターボチャージャー、EGR(排ガス再循環装置)の組み合わされている。2.0Lながら、ゆとりある動力性能と高い環境性能を両立しているのが特徴だ。この2.0Lエンジンは2タイプが用意されていて、C200には184ps&300Nm、C250には211ps&350Nmという仕様となっている。

 この新エンジンの搭載車であるC180とC200は、輸入車なのにエコカー減税100%免税という高い低燃費性能が魅力だ。ちなみにJC08モード燃費は、C180が17.3㎞/L、C200が16.5㎞/Lとなっている。ライバルである2.0LのBMW320iの燃費は16.6㎞/L、328iは15.2㎞/Lだ。

 燃費が良くなったとはいえ、やはりガソリン車であることかわりはない。メルセデス・ベンツも今後、ハイブリッド などの電動化も進めていくことが十分に考えられる。また、国内マーケットでは、輸入車のガソリンがハイオク仕様であることが購入を見送る要因のひとつになりつつある。これは、高騰するガソリン価格が影響している。そう考えると、電動化技術の導入によるさらなる低燃費化と、クリーンディーゼル 車の導入も必要になってくる。軽油は、ハイオクガソリンに比べ30円/L以上安い。その上、燃費が良くトルクも大きいので、低燃費でスポーティ。こちも期待値は高い。メルセデス・ベンツは、そういった状況も踏まえ、今後、クリーンディーゼル車とプラグインハイブリッド車の導入も予定しているという。

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC180

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC180アバンギャルド

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC180アバンギャルド

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC250スポーツ

新型Cクラスの価格は419万円からと戦略的! ただし、C180には、レーダーセーフティパッケージ選択が必須!

メルセデス・ベンツCクラス

C180アバンギャルドインテリア

 そして、もうひとつのテーマである「インテリジェンス」。これは、メルセデス・ベンツの哲学ともいえる絶対に譲れない安全性能だ。メルセデス・ベンツは、すべての人に、最高の安全性を提供することとしている。しかし、そうは言っても、一部の安全装備についてはパッケージオプションなので、ここは残念なところでもある。

 メルセデス・ベンツの凄いところは、最新技術を出し惜しみせずに横展開するところだ。昨年発表したばかりの新型Sクラスに導入された最新鋭の技術の多くが新型Cクラスにも搭載された。

 こうした安全運転支援システムは、ドライバーの疲れを最小限に抑える快適性が安全なドライブに貢献するという思想に基づき、安全性と快適性を高次元で融合させたもの。メルセデス・ベンツではこれを「インテリジェントドライブ」と呼んでいる。

「インテリジェントドライブ」のベース技術となっているのが、クルマの周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステム。フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラは、最大500mの範囲で大まかな様子をモニターするほか、2つのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉える。レーダーセンサーは、フロントおよびリアバンパー側面に内蔵された25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個ものレーダーが搭載されている。

 こうしたカメラとレーダーから得られたデータをコントロールユニットに統合。まさに、それからがインテリジェンスというべきで、一瞬にしてこの膨大なデータを解析。現状のこのクルマは、どうすべきが一番安全なのかをクルマが考え、自動でブレーキをかけたり、ステアリングをアシストするなどし、乗員や歩行者などを守るのだ。

 メルセデス・ベンツは、これを「部分自動運転」と表現する。まさに、その通りで機能を過信さえしなければ、非常にドライバーの負担を軽減させながら、高度な安全を手に入れることができる。

 ただ、残念なのは、こうした最新の装備がC180ではオプションとなっていること。レーダーセーフティパッケージは、約20万円のオプション。C180の419万円という価格を訴求したいのも商売的には分かるものの、すべての人に最高の安全性というのであれば、全車標準装備にするのが理想だ。メルセデス・ベンツ=安全。このブランドを高めるためにも、今後検討してほしい。

 そして、ナビ関連は少々、後付感があるデザインに感じ少々微妙だが、インフォテイメントシステムであるCOMANDシステムは、高精細でわかりやすいグラフィックとアニメーション表示により、多機能をシンプルに、直感的に操作することが可能な最新世代のシステムとなった。メルセデス・ベンツオーナーの中からも、なぜ流行のタッチパネルにしないのか? という声もあるというが、タッチパネルは姿勢変化や視線の変化が大きく安全上好ましくないのだ。走行中に揺れる車内で、小さなタッチパネルを正確に操作するのはとても難しいが、COMANDシステムなら確実に操作可能。こういった装備にも、メルセデス・ベンツが考える安全への哲学が貫かれている。

 さて、新型メルセデス・ベンツCクラスの選び方だが、アジリティを感じたいのならC200アバンギャルド(524万円)がいい。低燃費でパワフルな2.0Lエンジンは、300Nmという大トルクをもち、余裕の走りが可能。このモデルには、レーダーセーフティパッケージが標準装備されているので、安全装備も十分だ。よりスポーティなルックスとなるAMGライン(35万円)も装備したいオプション。AMGルックになるだけで、リセールバリューもアップするはずだ。

 徹底して予算重視、乗り潰すつもりならC180にレーダーセーフティパッケージ(約20万円)のオプションを加えると、最新の安全装備が加わるので安心だ。これで約439万円なら、なかなか競争力のある価格と言える。

 ただし、これだけ魅力的ながら、全幅は国内マーケットでは非常に微妙なボディサイズとなる全幅1,810mm。このサイズは、多くの立体駐車場に入らないケースが出てくる。BMW3シリーズは、それを嫌い1,800mmにボディサイズを変更して導入している。駐車場の関係から、新型Cクラスが欲しくても買えない顧客が出てくるのだ。このあたりの差が、今後販売台数にどう影響してくる注目したい。

メルセデス・ベンツCクラス

C180インテリア

メルセデス・ベンツCクラス

C200アバンギャルドインテリア

メルセデス・ベンツCクラス

C250スポーツインテリア

メルセデス・ベンツCクラス価格、燃費、スペックなど

メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC200アバンギャルド

■メルセデス・ベンツCクラス価格
・C180 ¥4,190,000
・C180 アバンギャルド ¥4,670,000
・C200 アバンギャルド ¥5,240,000
・C250 スポーツ ¥6,440,000

代表グレード メルセデス・ベンツC200ブルーエフィシェンシー ライト
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,690×1,810×1,435mm
ホイールベース[mm] 2,840mm
車両重量[kg] 1540kg
総排気量[cc] 1,991cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 135kw(184ps)/5,500rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 300N・m(30.6kg-m)/1200~4000rpm
ミッション 7速AT
JC08モード燃費[km/l] 16.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 524万円
発売日 2014/7/11
レポート 編集部
写真 メルセデス・ベンツ

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(レポート:CORISM編集部

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