クリーンディーゼルで話題となり、SUV販売台数ナンバー1にもなったマツダCX-5
マツダCX-5は、2012年2月に新世代商品群第1弾としてデビューした。クリーンディーゼル や低燃費技術などを含めた、マツダの新世代技術である「SKYACTIV(スカイアクティブ)」 をすべて採用。さらに、デザインは新デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」 をベースに作り上げられた。
話題の中心は、スタイルだけでなくクリーンディーゼルテクノロジーだ。世界一の低圧縮比(14.0)の実現により、尿素SCRやNOx吸着触媒(LNT)などの高価なNOx後処理装置なしで、世界中多くの先進国が定める排ガス規制をクリア。低燃費性能とクリーンな排ガスを両立した。未だ日本メーカーでクリーンディーゼルを発売しているのはマツダのみ。そんな技術力が高く評価され、2012-2013日本カー・オブ・ザ・イヤー にも選ばれている。
そんなこともあり、発売1か月後のの販売台数は目標の8倍となる約8,000台の受注を集めた。その内、約70%以上がクリーンディーゼルを選んでいた。当時、マツダのディーラーには、ほとんどクリーンディーゼル車の試乗車は無い状態。多くの顧客が試乗もせずに、マツダからのPRや宣伝、さらにメディアからの情報のみで、国内初となるクリーンディーゼル車を選んでいた。それだけ、マツダのクリーンディーゼル車への期待が高かったことになる。そうした評判の良さから、マツダCX-5は2012年SUV販売台数ナンバー1となる。
その後、マツダCX-5は2012年12月、2013年10月と小まめに一部改良を施す。こうした改良も高評価だったのか、2013年のSUV販売台数ナンバー1の座を2年連続で獲得した。
安全装備は、最新世代のものへとアップデート&装備追加
i-ACTIVSENSEは、特にドライバーの認知支援を強化した。日本の自動車メーカーとして初のLEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビームを備えた新世代ヘッドライトシステム「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」を搭載。対向車や先行車のドライバーを眩惑させることなく、常時ハイビームでの走行が可能となり、夜間走行における視認性を飛躍的に向上した。
使用頻度も高く実用的な安全装備「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」の検知範囲を広げ、自車の後方のみならず側方から接近する車両も検知する「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」を採用。後退時に接近する車両を検知して警告する「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」機能も採用。
マツダ初採用となる「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」登場。車線を認識してステアリング操舵トルクのアシストやステアリング振動警報によって運転操作をサポートする。
また、高速走行時のドライバーの運転状態をチェック。適度な休憩を促す「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」がマツダ車初採用となった。
事故の多い後退時(Rレンジ)の衝突被害を軽減するために「スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)」、および「AT誤発進抑制制御[後退時]」を採用した。
CX-5には、アテンザに従来から設定していた、中高速での走行時の前方衝突の回避と被害の軽減をサポートする「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」の対応可能な相対速度差を拡大し追加設定した。
高速道路などのでクルージング時に設定した車速に応じた車間距離を保つよう自動で車速を調整する「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を「CX-5」にも追加設定した。
こうした先進安全装備「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」をセットで標準装備した新グレード「PROACTIVE」を設定。顧客のニーズに合わせ選択できるようになった。
より精悍さあふれるスタイリングへ。走りの質感も向上!
L Packageに標準装備の19インチアルミホイールには、立体感のある造形に切削加工とガンメタリック塗装を施した新デザインを採用。
ボディカラーは、新開発のソニックシルバーメタリック、アクセラから採用しているチタニウムフラッシュマイカを追加し、全8色をラインアップした。
インテリアは質感アップと力強さを向上。電動パーキングブレーキ(EPB)の全車標準装備したことにより、センターコンソールをすっきり感と上質さを磨き上げた。
横方向への力の広がりを感じさせる金属調加飾や、より上質な印象を持たせたライトヘアラインのデコレーションパネルを設定。L Packageにはさらに洗練させたマットヘアライン&サテンクロームメッキも用意された。
また、本革内装にはピュアホワイトを新採用。ファブリックシートは、センター部分に新開発のグロスブロッククロスを採用した。
そして、CX-5の弱点でもあったナビ関連は、スマートフォン等と連携して、インターネット接続やコミュニケーションの機能をクルマでの移動中にも手軽に利用できるカーコネクティビティシステム「MAZDA CONNECT(マツダ コネクト)」がついに採用された。ドライビング姿勢を崩すことなく操作ができるコマンダーコントロールと合わせて全車標準装備。
デビューから約3年で大幅改良が施されたマツダCX-5。当初から、マツダの他車種でアップデートされたものは随時CX-5にも入れていくという宣言通りの内容だ。とくに、自動ブレーキを中心とした安全装備に関しては、今後進化が進み、他社との差別化がポイントとなる思われるため、今回のアップデートは良いタイミングだ。
さらに、走行性能関連も当然進化した。新構造の前後ダンパー、フロントロアアームのブッシュ形状最適化。スムーズでフラットな質感高い乗り心地を実現。
より上質な車内空間にするため、高速走行時に車内に伝わる騒音を従来比約10%低減。後部座席では、シートの座面長を拡大し、姿勢の自由度をアップ。
ガソリンエンジン車には、走行モードを切り替えることで意のままの走りをサポートする「ドライブセレクション」を採用。
また、一般的に4WD 化すると燃費が悪化するが、CX-5には新世代4WDシステムのPTO・リヤデフオイルに新開発の低粘度化学合成オイルを採用。4WD車の実用燃費をさらに向上している。
大幅改良は〇? それとも×? マツダCX-5進化の価値とは?
どちらがいいかというのも難しいところなのだが、あまりにも大変更が行われ、イッキにクルマが進化し良くなると、マイナーチェンジ前のオーナーの心中は穏やかではなくなる。
こうしたマイナーチェンジ前の顧客の心中を察すれば、大きな変更をしないほうが良いようにも思えるが、1台のクルマがフルモデルチェンジするまでの期間は6年前後と非常に長い。その間、技術は進歩する。今までできなかったことができるようになる。より良いものをマーケットに届けるという使命があるとすれば、早いタイミングで進化させるのが理想とすべきだろう。
そうした理想論とは別に、商売ベースでは後出しのライバル車が必ず存在する。そのため、進化させないとライバル車との差は開く一方で、商品力は落ちていく。商品力が落ちているのに売り続けると、結果的にマツダというブランド力も落ちていく。6年前後という賞味期限の長いクルマだけに、進化させ続けざる負えないという実情もある。
まぁ、そうしたメーカーの都合はどうであれ、我々顧客側から見れば、こうした競争原理が働き、より良いクルマがより安く手に入れば、大きなメリット。
マツダの新世代商品群の第1弾となったCX-5。すでに4年目に突入することから、新世代商品群と呼ぶのも難しくなってきただけに、マツダの進化させる力が問われる大幅改良といえるだろう。どれほど進化したのか、多くのファンが期待する1台だ。
マツダCX-5価格、燃費、スペックなど
・20S FF 6EC-AT 2,446,200円 16.4km/L
・20S PROACTIVE FF 6EC-AT 2,548,800円 16.4km/L
・25S L Package FF 6EC-AT 2,872,800円 15.2km/L
・25S 4WD 6EC-AT 2,673,000円 14.6km/L
・25S PROACTIVE 4WD 6EC-AT 2,775,600円 14.6km/L
・25S L Package 4WD 6EC-AT 3,099,600円 14.6km/L
・XD FF 6EC-AT 2,835,000円 18.4km/L
・XD PROACTIVE FF 6EC-AT 2,937,600円 18.4km/L
・XD L Package FF 6EC-AT 3,261,600円 18.4km/L
・XD 4WD 6EC-AT 3,061,800円 18.0km/L
・XD PROACTIVE 4WD 6EC-AT 3,164,400円 18.0km/L
・XD L Package 4WD 6EC-AT 3,488,400円 18.0km/L
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