スズキ はSUV テイストでユニークなスタイリングをもつハスラー を一部改良。さらに、特別仕様車 「J STYLEII（JスタイルII）」を設定し発売を開始した。

スズキ ハスラーは2014年1月に発売された。東京モーターショー で、出展されたハスラーは、あっという間に話題となる。このとき、同時にハスラークーペも展示されていた。その後、2014年1月に発売され、イッキに人気車となる。

ハスラーはとにかく売れた。こうした趣味性の強いモデルでありながら、1万台/月を超える販売台数を記録することも珍しくはない状況。現在でも、8～9千台/月をコンスタントに売り、スズキの国内販売を支える大きな柱として成長している。スズキ自身も、これほどヒットするとは予想しておらず、一時期は莫大なバックオーダーを抱えたほどだった。

ハスラーのヒット要因は、やはりそのユニークなルックス。ワゴンR をベース車としていることが分からないくらい大きく変貌している。それでいて、なんとも愛嬌のある顔が人気の秘密だ。

　スズキ ハスラーは、今回改良で加速時にモーターでエンジンをアシストする「S-エネチャージ」をターボ車に採用。27.8km/Lというクラストップレベルの低燃費を実現。X、Xターボには、自動ブレーキ関連の安全装備「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備した。このデュアルカメラブレーキサポートは、ステレオカメラを使用している。そのため、100㎞/h以下という高速域から自動ブレーキが作動。さらに、歩行者検知式の自動ブレーキだ。交通死亡事故の多くが歩行者とクルマの衝突。そういう状況を考えると、交通死亡事故死を減らし、ドライバーと歩行者両方のリスク軽減となる。現在、歩行者検知式の自動ブレーキを軽自動車に装備しているのはスズキだけ。この技術は、コンパクトカー を含め、かなりレベルが高い装備と言える。また、全方位モニター付メモリーナビゲーションをメーカーオプション設定した。

こうした高い安全装備を得ているハスラーだが、衝突時に乗員を守る基本的な安全装備であるサイドエアバッグなどが用意されていないのだ。軽自動車 でもサイドエアバッグが選べないモデルは、非常に少なくなっている。装備できないクルマは、逆にスズキ車を中心に増えている状況。このあたりは、なんとももどかしい状態だ。

車体色は、ハスラー専用色となるポップで遊び心をくすぐる新色「アクティブイエロー ブラック2トーンルーフ」、「ポジティブグリーンメタリック ブラック2トーンルーフ」を新設定。全11パターンの車体色を用意し、選ぶ楽しさも提案している。

インテリアでは、シート表皮に新しいデザイン柄を採用。インパネとドアトリムには、イエローのカラーパネルを追加採用した。さらに、新しく設定したハスラー専用色には、それぞれの車体色に応じたシートパイピング色を取り入れ、計3色のインパネ・ドアトリム色と計6色のシートパイピング色とし遊び心あふれるインテリアとしている。

そして、特別仕様車のハスラー JスタイルIIは、X、Xターボをベースに、精悍でSUVテイストを際立たせる専用の外観と上質な印象とした黒基調の内装を採用。ボディカラーは専用のホワイト2トーンルーフ車を含め全7パターンの設定としている。装備類では、「ナノイー」搭載のフルオートエアコンやプレミアムUV&IRカットガラス（フロントドア）を標準装備化している。

この特別仕様車ハスラー JスタイルIIの価格は、1,517,400円からとなっている。ベースのXの価格が1,461,240円なので、5万円ちょっと高価な価格設定となっている。装備差を比較すると、グレードアップした装備分相当といった印象で、お買い得な特別仕様車ではない。

■スズキ ハスラー価格
・特別仕様車J STYLEII　2WD　1,517,400円/4WD　1,643,760円
・特別仕様車J STYLEIIターボ　2WD　1,611,360円/4WD　1,737,720円
・X　2WD　1,461,240円/4WD　1,587,600円
・Xターボ　2WD　1,547,640円/4WD　1,674,000円