トヨタ スペイドは、2012年7月にポルテ がフルモデルチェンジしたのと同時に誕生した姉妹車。子育てファミリー向けのポルテに対して、アクディブな若者向けとして誕生したのがスペイドだ。これらの車種は、ミニバン の高い機能性をもったコンパクトカーということで、プチバンとしてデビュー。コンパクトな2BOXスタイルだが、スライドドアを持っているのが特徴だ。

　このスペイドとポルテは、助手席側に開口幅1,020mm×開口高1,250mmという電動スライドドアもつ。低いフロア高と段差のないフラットなフロアにより、優れた乗降性を実現。さらに、ボディサイズは小さいものの、室内長2,160mm×室内高1,380mmのゆとりある室内空間確保。前後に700mmもスライドする助手席シートや、クッションチップアップ機構が付いた6：4分割可倒式リヤシートなど多彩なシートアレンジをもつ。子育て層だけでなく、シニアの乗り降りも容易で、とても使いやすさいクルマに仕上がっていた。

　搭載されるエンジンは、1.5Lの直4で80kw＆136Nmというパワーとトルクをもつ。環境性能に優れたハイブリッド車を生み出したトヨタなのに、このスペイドには未だアイドリングストップ機能がオプションという、とても恥ずかしい状態。しかし、アイドリングストップ機能を装着すると20.6㎞/Lというトップクラスの低燃費性能を誇る。アイドリングストップ機能のオプション価格は、56,160円。軽自動車にもアイドリングストップ機能が標準装備の時代に、このオプション価格は高額すぎる。アイドリングストップ機能の装備すると、エコカー減税の減税率もアップするので、実質の負担はもう少し軽くなる。また、都市部でスペイドを使う頻度が高いのなら、アイドリングストップ機能の効果が高まるので実燃費でも差が出てくるので、高価だがお勧めのオプションだ。

　今回の特別仕様車であるトヨタ スペイドF Jackは、FグレードをベースにスマートエントリーパッケージとHIDパッケージを装備し豪華さをプラス。

　エクステリアは、シルバー塗装の専用フロントグリル、グレーメタリック塗装の専用ホイールキャップ、メッキ加飾のバックドアガーニッシュ、アウトサイドドアハンドル、オート電動格納式リモコンドアミラー（サイドターンランプ付）を特別装備した。

　インテリアでは、内装色とシート色を特別設定色ブラックとしたほか、専用意匠のアナログ式センターメーター（メーター照度コントロール機能付）や、メッキ加飾を施したインサイドドアハンドル、シフトレバーベゼル、レジスターリング（サテン調）などにより、シックな室内空間とした。

　スペイドは当初、プチバンとしてデビューした経緯もあり、使いやすさと機能性をアピールしていた。使いやすいクルマというのは、なにもファミリーやシニア層だけに限ったことではない。どちらかというと、そういったイメージが強かったのかスペイドの役割であった若年層にリーチできなかったのだろう。今回のスペイドF Jackは、スペイドのもつクールさを前面に出しながら、若年層のライフシーンでも使いやすく便利であることをアピールする特別仕様車といえる。

　このトヨタ スペイドF Jackの価格は、1,820,291円。ベースのFが1,686,857円なので、約13万円のアップとなっている。スマートエントリーパッケージが46,286円。HIDパッケージが56,571円なので、この装備アップ分で102,857円だ。残りの3万円分が、メッキ加飾のパーツ類とその他ということになる。全体的に、価格アップなりの装備という印象で、お買い得モデルではない。

　消費税が8％にアップし、その反動で4～5月は販売店への顧客の来店数が激減すると予想されている。そのため、この時期は買い手に有利なマーケットになる。値引き合戦も激しさを増し、3％増税された以上に値引きが確保できる可能性も高い。スペイドの特別仕様車は、出たばかりで値引きできませんなど、値引き抑制に使われるケースが多いので、ジックリ商談して値引きを得たい。最初はFグレードをベースにしてオプションのスマートエントリーパッケージとHIDパッケージ装着で商談し、一定の値引き額を確保。その後、車種をF Jackに変更して、同等の値引きを要求するなどもいいだろう。