トヨタ プリウス新車情報・購入ガイド プリウス苦戦!? お買い得な特別仕様車を投入し販売台数増を狙う! [CORISM]
■燃費だけでなく、走行性能も鍛えた4代目トヨタ プリウス
トヨタ プリウスは、2015年12月にデビュー。現行モデルで4代目となる。1997年に登場した世界初の量産ハイブリッド車である初代プリウス。この初代プリウスから、徐々にトヨタはハイブリッド車のラインアップを広げていき、2017年1月末にグローバルで1,000万台の販売を達成。低燃費車のベンチマークとなっている。
4代目プリウスは、トヨタの新プラットフォーム(車台)TNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー)を採用。低重心化などにより運動性能を大幅に向上。質の高い走行性能を目指した。
ハイブリッドシステムは、THSⅡで1.8Lエンジンが搭載されている。燃費は、最もよいグレードで40.8㎞/Lと超低燃費を実現。ただし、これはエントリーグレードであるEのみ。燃料タンクも小さく、ある意味、宣伝用の燃費訴求グレード。一般の人が買うグレードではない。通常、一般の人が買うグレードは、37.2㎞/Lとなる。これでも、世界トップレベルの燃費値だ。
■買い得感抜群の特別仕様車プリウスS Safety Plus
これらの搭載車は、経済産業省、国土交通省など政府が官民連携で推奨する安全運転サポート車のうち、高齢運転者に特に推奨する「セーフティ・サポートカーS(通称 : サポカーS)」の「ワイド」に相当する。
さらに、ナビレディセットを特別装備したほか、S“Safety Plus・Two Tone”は、内外装の随所にブラック加飾を施し、より魅力的な仕様とした。
外板色は、S“Safety Plus”には、スティールブロンドメタリックを含む全4色、S“Safety Plus・Two Tone”には、ツートーンボディカラーとして、ルーフ色アティチュードブラックマイカとボディ色ホワイトパールクリスタルシャイン(特別設定色・オプション)の組み合わせなど、全3色の組み合わせを設定した。
価格はS“Safety Plus”で2,607,120円。ベースのSが2,479,091円なので、約13万円高となった。オプション設定のあるトヨタセーフティセンスPの価格が86,400円。ナビレディセットが32,400円なので、その他プラスされた装備を考えると、かなり買い得感がある価格設定となった。
上級のAグレードの価格が2,777,563円。このAグレードと特別仕様車の価格差は約17万円。細かい部分で若干Aグレードの方が装備が良いものの、約17万円という価格差以上の価値があるかというと、少々微妙な価格となる。こうなると、Aグレードと比べてもS“Safety Plus”のコストパフォーマンスは高いといえる。
■とにかく豪華な20周年記念特別仕様車プリウスAプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”
このモデルは、上級グレード「Aプレミアム」をベースに、215/45R17のタイヤ&アルミホイールなど“ツーリングセレクション”の装備に加え、外板色には、特別設定色ツートーンボディカラーとした。ルーフ色アティチュードブラックマイカとボディ色ホワイトパールクリスタルシャインの組み合わせと、ボディ色エモーショナルレッド(オプション)の組み合わせの全2タイプが設定された。エクステリアは、ブラックスパッタリング塗装を施したアルミホイールなど、随所にブラックを配色し、外板色とのコントラストを際立たせている。
インテリアは、シート表皮に、ホワイトのプレミアムナッパ本革を採用。また、随所にブラック加飾を施し、フロントコンソールトレイには、ピアノブラック加飾に艶と輝きを保つ自己治癒7クリヤーを採用。さらに、アクセントに専用レッド加飾を施したサイドレジスターなどを採用。
ナビ関連では、11.6インチのT-Connect SDナビゲーションシステムを特別装備。オリジナル加飾を施した専用スマートキー、専用車検証入れ(プレミアムナッパ本革仕様)を設定。特別感を高め、20周年記念ならではのプレミアムな限定車とした。
そのほか、一部改良では、ピアノブラック加飾のフロントコンソールトレイを採用。11.6インチのT-Connect SDナビゲーションシステムを設定し、視認性・操作性を向上させるとともに、T-Connect DCMパッケージと合わせた。価格は、据え置きとしている。
Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”の価格は3,850,000円。Aプレミアムツーリングセレクションが3,199,745円なので、かなり高額なイメージがあるが355,320円のナビが標準装備されている。質感そのものは大きく向上、そして若干装備が異なるとはいえ、やや高めの価格設定に感じる仕様になっている。
■苦戦するプリウス。安全装備の貧弱さと価格が理由?
20th Anniversary Limited”は、超豪華仕様となっている。
トヨタは、先進予防安全装備に対する標準装備化が遅れていた。さらに、交通死亡事故をゼロを目指すとしながらも、販売台数が最優先で販売価格を少しでも安く見せるために、こうした先進予防安全装備を標準装備化していない。現行のプリウスもSグレードでは、未だオプション装備のままだ。
しかし、トヨタが考えている以上に、先進予防安全装備に対する感度は年々高まっている。スバルは、インプレッサで歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「アイサイト」を標準装備化したのを皮切りに、現在ではホンダも軽自動車のN-BOXに「ホンダセンシング」を全車標準装備化した。
こうした流れに逆らいながらプリウスは販売されてきた。これが、結果的にプリウスブランドを傷つけた。超低燃費で走行性能も磨き上げたものの、安全装備という落とし穴にはまったのか、プリウスの販売台数は伸び悩む。もちろん、他の魅力的なハイブリッド車があり顧客が分散したということもあるだろう。
しかし、2015年に登場たまだ新しいモデルなのに、2017年4~9月の販売台数は78,707台。これは、相変わらず新車販売台数ナンバー1なのだが、前年比はなんと57.6%! これだけ落ち込んでいるのに、新車販売台数ナンバー1というの大したものなのだが、さすがにトヨタの営業サイドからみれば、看板車種がありえない状況になっているだ。
プリウスのSグレードは、安全装備が貧弱なのに、やや高めの価格設定がされていた。どうしてもプリウスという顧客に一定数売りさばいた後では、こうした装備や価格がマイナスになり、販売台数が伸び悩んでいるようだ。こうした理由からも、安全装備を充実させ価格アップを抑えたS“Safety Plus”を投入し、販売台数を少しでも上向きにしたいという狙いがあるのだろう。
■トヨタ プリウスのグレード選び
そのため、この特別仕様車プリウスS“Safety Plus”は、買い得感が高い。プリウスを買うなら、まずこのモデルを中心に考えたい。トヨタセーフティセンスPが標準装備されているので、上質感もプラスされているのでお勧めグレードナンバー1だ。
このS“Safety Plus”に対して微妙なのが、超豪華仕様となったAプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”だ。価格は3,850,000円で、こうなると、2.5Lハイブリッドを搭載し低根費を誇るカムリの上級グレードG(3,499,200円)が余裕で買えてしまう。ボディサイズ的に、プリウスくらいがベストで、さらによほどプリウスが好き! という人でないとお勧めできない特別仕様車だ。
■トヨタ プリウス特別仕様車価格
・プリウス特別仕様車S“Safety Plus” 2WD 2,607,120円/E-Four(電気式四輪駆動) 2,801,520円
・プリウス特別仕様車S“Safety Plus・Two Tone” 2WD 2,733,480円/E-Four(電気式四輪駆動) 2,927,880円
・プリウス特別仕様車Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited” 2WD 3,850,000円/E-Four(電気式四輪駆動) 4,044,400円
【関連記事】
- トヨタ プリウス試乗記・評価 クルマ好き素人女子、新型プリウスに乗り「私の知ってるプリウスちゃうやん!!」の理由とは?
- トヨタ プリウスPHV試乗記・評価 高価だが近未来を体感できる新世代PHV
- トヨタ プリウス新車情報・購入ガイド やはり、安全装備は大切!? やや買い得感のある特別仕様S“Safety Plus”登場!
- トヨタ プリウス新車情報・試乗評価一覧
- トヨタ クラウン新車情報・購入ガイド トヨタ クラウンコンセプト初公開! 15代目新型クラウンの発売は2018年夏! 東京モーターショー出展車
- トヨタ センチュリー新車情報・購入ガイド 21年ぶりのフルモデルチェンジ! V8 5.0Lハイブリッド搭載!! 発売は2018年年央。東京モーターショー出展車
- ヨタC-HR新車情報・購入ガイド プリウスのハイブリッドシステムを搭載したSUV。1.2Lターボもあり! 燃費は30.2㎞/L。価格は約252万円から!
- 日産ノートe-POWER新車情報・試乗評価一覧
- ホンダ フィット新車情報・試乗評価一覧
- マツダ アクセラ スカイアクティブX(SKYACTIV X)搭載プロトタイプ試乗記・評価 ガソリンエンジンにこだわるマツダ! 世界最高効率を目指すスカイアクティブXを試す!
- フォルクスワーゲン ゴルフ新車情報・試乗評価一覧
- 新型日産リーフ新車情報・購入ガイド 航続距離400km! EV普及が急加速!? 充実の先進運転支援システムを搭載
- ハイブリッド車新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!