トヨタ、住宅と車を組み合わせたスマートグリッドの仕組み「トヨタ スマートセンター」を開発 [CORISM]

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【トヨタ】2010/10/13

「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」[青森県六ヶ所村]における『トヨタ スマートセンター』の取り組み
トヨタホームとプラグインハイブリッド車の組み合わせでシステムの実証実験を実施中

ユーザーの省エネライフを助け、さらに地域単位でのCO2削減をコントロールする

トヨタ スマートセンターの取り組みを説明するトヨタ自動車 友山 茂樹 常務役員

トヨタ スマートセンターの取り組みを説明するトヨタ自動車 友山 茂樹 常務役員

 トヨタは、低炭素社会の実現に向けた効率的なエネルギー利用を目指したスマートグリッドの取り組みの一環として、トヨタ独自のシステム「トヨタ スマートセンター」を開発したと発表した。住宅メーカー「トヨタホーム」を持つトヨタグループのメリットを最大限生かし、住宅・車・電力供給事業者とユーザーをつないでエネルギー消費を統合制御。居住者の省エネライフをサポートするとともに、地域単位でのCO2削減を目指す。

 スマートグリッドとは、従来発電所から一方的に供給されるばかりだった電力の流れを調整する仕組みを構築することで需要と供給の最適化を行い、総合的な省エネ化を目指す考え方だ。今後普及が予想されるPHV(プラグインハイブリッド車)やEV(電気自動車)の充電を夜間電力で行うようタイマー設定したりするのも、スマートグリッドの一環だ。今回発表されたトヨタ スマートセンターは、車のみならず住宅やテレマティクスサービスを統合的にコントロールするスマートグリッドの仕組みとして構築された。
 まず住宅については、トヨタグループのトヨタホームと共同で実施する。電力消費や太陽光発電の蓄電、PHVやEVの充電状況、さらには気象予測データや電力供給事業者の時間帯別料金情報などを総合的に判断するシステム『HEMS(Home Energy Management System)』を開発。このHEMSを「スマートハウス」と呼ぶ先進住宅に装備することで、生活圏内におけるCO2削減量と居住者の費用負担を最小化した。10月5日に行われた記者会見の席でトヨタ自動車 友山 茂樹 常務役員は、PHVやHEMSを用いた取り組みで、1家庭あたり『年間75%、CO2で約3トンの削減を目指す』と説明する。
 またPHVやEVにも、テレマティクスサービス「G-BOOK」を用いたスマートセンターの情報について、スマートフォンを活用することで、車の充電のみならず住宅の家庭用蓄電池やエコキュートなども遠隔操作・確認出来るなど、外部からもより積極的にコントロール可能とした。
 
 トヨタでは、既に9月16日より「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」[青森県六ヶ所村]において、トヨタホーム2棟とプラグインハイブリッド車8台に対し「トヨタ スマートセンター」を実験稼働中で、約2年間実証実験を行いシステムをさらに進化させる。今後、2012年の市販化を予定するPHV(プラグインハイブリッド車)や一部のトヨタホームについても、これらのシステムを用いたサービスを提供する計画だ。なお記者会見では、他社や政府などのスマートグリッドの取り組みとの連携も考慮しながら、トヨタ スマートセンターの取り組みについてもトヨタやトヨタホーム、および系列のミサワホーム以外の企業参加についても門戸を広げていることを明らかにした。

「トヨタ スマートセンター」 コントロールセンター

「トヨタ スマートセンター」コントロールセンターの外観。車や住宅の電力・蓄電・充電などの情報や、電力会社の供給状況、気象情報などを収集。蓄電や電力消費計画を車や住宅、さらにはスマートフォンなどを介して利用者に提供する中枢機能だ。
今後自宅での車両充電が行われると、家庭における電力消費の3割以上を占めるとトヨタでは計算する。この電力需要の変化に対応し、さらに昼夜の電力需要の平準化などもコントロールしてゆく目論見だ。

「トヨタ スマートセンター」 スマートハウス

「トヨタ スマートセンター」は、既に9月16日より「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」[青森県六ヶ所村]において、トヨタホーム2棟とプラグインハイブリッド車8台を実験稼働中だ。人と住宅と車をつなぐ点で、他の自動車メーカーとは一味違う取り組みとなっている。また車自体もPHV化・EV化することで、単なる移動手段のみならず、蓄電池としての価値や移動情報機器としての価値についても高まることから、HEMSを装備するデータセンターとしてのスマートハウスの役割は大きい。

「トヨタ スマートセンター」 スマートフォンを用いた新しいテレマティクスサービス「ディスプレイオーディオ」の一例

スマートフォンを用いた新しいテレマティクスサービス「ディスプレイオーディオ」の一例。スマートフォン上でスマートセンターの情報から音楽に至るまで制御。車両側は外部モニターとアンプ・スピーカーのみとすることで、低コスト化も実現する点にも注目したい。しかも車両側のディスプレイからもタッチパネル操作が可能となっている。
この「ディスプレイオーディオ」の仕組み、「トヨタ スマートセンター」の実用化よりも、一足お先に実現するかもしれないから期待してまとう!

「トヨタ スマートセンター」 風力発電

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(レポート:CORISM編集部

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