全長で100ミリ。ホイールベースも50ミリ拡大され、ひとまわり大きくなった
コンパクト市場の変化を受けて、今一度見つめ直し
それまでのリッターカーではない、日本のコンパクトカーを切り開いてきたのが、トヨタのヴィッツ。モデル数はそれほど多くはないものの、それだけに各社を代表してラインナップされているだけに、かなり熾烈な競争が繰り広げられている。もちろん今や最大の関心事であるエコ性能でも日々磨きをかけ続けている状態だ。
そこへ新たに登場するのが、本丸たるトヨタのヴィッツである。マーチ、フィットと続々とフルモデルチェンジし、そのトリを飾る形での登場といっていい。最新型で3代目となるのだが、まず注目は全体のコンセプト自体が変化しているということ。コンパクトカーは女性向けという時代ではもはやなく、男性も乗るし、また50歳以上ではダウンサイジングの候補にもなるという複雑化が起こっているわけで、新型ヴィッツではまずコンセプトの見つめ直しから行っているという。
その結果として導き出されたのが、上質感であり、広大なパッケージング。また経済的な走りでバランスのよい走りだけでなく、圧倒的な低燃費とのことだ。確かにこれらは今のコンパクトカーに求められる最大の資質である。
そこへ新たに登場するのが、本丸たるトヨタのヴィッツである。マーチ、フィットと続々とフルモデルチェンジし、そのトリを飾る形での登場といっていい。最新型で3代目となるのだが、まず注目は全体のコンセプト自体が変化しているということ。コンパクトカーは女性向けという時代ではもはやなく、男性も乗るし、また50歳以上ではダウンサイジングの候補にもなるという複雑化が起こっているわけで、新型ヴィッツではまずコンセプトの見つめ直しから行っているという。
その結果として導き出されたのが、上質感であり、広大なパッケージング。また経済的な走りでバランスのよい走りだけでなく、圧倒的な低燃費とのことだ。確かにこれらは今のコンパクトカーに求められる最大の資質である。
空力の改善にも力が入れられ、先代の0.3から0.28へとアップしている。釣り目と張りのあるグリル&バンパーで精悍さが増した
全高は20ミリダウン。低床化されているので、パッケージを犠牲にしていない。また最小回転半径はたったの4.5メートルだ
フロント同様に張りを全面に出したデザイン。カワイイというよりも、存在感が増しており、開発主査が目指したように万人受けしそう
アイドリングストップを搭載し、燃費はクラストップを実現
メインユニットは新開発となる4気筒 1.3リッターユニットだ。アイドリングストップと組み合わされるのもこちら。3気筒 1リッターは熟成が図られているが、アイドリングストップなしの1.3リッター(24km/L)よりも燃費は悪く、23.0km/Lとなる
まずはなにはなくとも、気になるのは燃費である。エンジンについては1リッターは毎度お馴染みの3気筒で、今までの物に磨きをかけた。そしてそれ以外の4気筒 1.3/1.5リッター車に関しては新開発としている。とはいえ、ハイブリッドを採用(これはまた別途だろう )しているわけでもなく、基本はアイドリングストップ。先代・初代とヴィッツでは伝統的にラインナップを続けるアイドリングストップシステムが進化。その名も「SMART STOP(スマートストップ)」となった。今回は専用バッテリーを積まないシンプルなシステムに一新。スターターの歯を常時かみ合いにするなど、素早い始動性を実現していたり、P/Nレンジでの作動、また坂道では後ろに下がらないなど、ライバルにない性能を兼ね備え、フィーリングとしては最先端だと思われる。これがクラストップの低燃費、26.5km/L(10・15モード)をたたき出す。
ただしこのスマートストップ、ベーシックグレードの4気筒 1.3Fに用意されるのみ。ハイブリッドで力を入れ、世界の先端を走るトヨタだけにアイドリングストップ程度には注力しないというようなイメージがあるが、グレード体系を見る限りはその印象は強い。もう少し、幅広いグレードに設定してもよかったと思うのだが。ちなみにグレードは中核のBとスポーツグレードであるRS。そして今回から追加された女性向けのジュエラとなっている。
ただしこのスマートストップ、ベーシックグレードの4気筒 1.3Fに用意されるのみ。ハイブリッドで力を入れ、世界の先端を走るトヨタだけにアイドリングストップ程度には注力しないというようなイメージがあるが、グレード体系を見る限りはその印象は強い。もう少し、幅広いグレードに設定してもよかったと思うのだが。ちなみにグレードは中核のBとスポーツグレードであるRS。そして今回から追加された女性向けのジュエラとなっている。
オートマチックは4WDを含めてCVTのみ。ジュエラなどではメッキパネルが付くなど、加飾はグレードによって異なる
横滑りを防止してくれるVSCはアイドリングストップ付きの1グレードに標準で、RSにはメーカーオプションで用意されるのみというのは残念
ホイールは実用重視で、RSを除いてスチール&樹脂キャップの組み合わせとなる。Uは15インチで、それ以外は14インチだ
デザインに張りを出して、今までのイメージを一新
質感は出ているのだが、デザインが結構ポップではある。インパネはただの樹脂ではなく、ソフトパッドを採用している
今までのヴィッツのイメージだと、カワイイ感じが前面に出ていたのは事実。それが最新型ではラインを強調したパリッとしたものになって、見た目の質感も大幅に向上していて、確かにオンナコドモのクルマにはもう見えないし、思わせない気概も感じさせる。
また室内はシートがかなり薄くなっていることもあって(形状は複雑かつスポーティで貧相ではない)、確かに広い。とくに後席の足もとは、ワンランク上のクラスレベルで不満はなかろう。もちろん取り回しもよく、最小回転半径は4.5メートルとこちらもクラストップで、Aピラーの三角窓を大型化と相まって見切りもいい。ワイパーは広大に拭ける1本タイプを採用している。また、約99%もの紫外線をカットする、スーパーUVカットガラスを採用は女性にうれしい装備だろう。
また室内はシートがかなり薄くなっていることもあって(形状は複雑かつスポーティで貧相ではない)、確かに広い。とくに後席の足もとは、ワンランク上のクラスレベルで不満はなかろう。もちろん取り回しもよく、最小回転半径は4.5メートルとこちらもクラストップで、Aピラーの三角窓を大型化と相まって見切りもいい。ワイパーは広大に拭ける1本タイプを採用している。また、約99%もの紫外線をカットする、スーパーUVカットガラスを採用は女性にうれしい装備だろう。
新骨格として疲れにくさを追求しつつ、厚みも薄くなった。Uの運転席には快適温熱シートが採用され、血行促進もしてくれる
前後シート間は先代と変わらずだが、もともと広いし、前席後ろのヒザが当たる部分がえぐれているので、実質拡大されたのと同じだ
収納は、シートアンダートレイなど、軽自動車的な発想のモノも多くて、じつに豊富で使える。かゆいところに手が届く感じ
奥行きはなんと145ミリも拡大されているので、後席を立てた状態でもかなりの容量がある。先代は正直最小限といった感じだったのでうれしい改善だ
後席は6対4の分割可倒式を採用。倒せば、かなり容量は増える。チルトアップなどせず、ワンアクションで倒せる
ラゲッジフロアはボードになっていて、さらに下に収納がある。また120ミリ下にセットして、フロアを下げることもできる
”キラキラ”女子向けグレード「Jewela(ジュエラ)」、実は男子もこっそり注目!?
これだけでもやはり女性向けだった、という感じなのだが、女性ターゲットと謳うJewela(ジュエラ)はどういった内容かというと、メッキをフロントグリルや車内のシフトまわりなどに採用したり、内装色はトリュフという専用色になったりしているし、ボディ色はジュエラ専用が8色もある。全体の印象としては、女性専用にありがちな、しかも男性目線のこれでもかという女々しさはなし。スッキリとしてして、男性が乗っても恥ずかしくはないだろう。
女性向けといいつつも、女々しくない。メッキをうまく取り入れていたりするので、意外に男性でも乗れるかなといった印象ではある
でオシャレなパターンのファブリックシート表皮もジュエラ専用。写真は明るい「ライトグレー」色。
ヴィッツ 1.3「Jewela(ジュエラ)」[ボディカラー:ダークブラウンマイカメタリック]
こちらのキラキラした色はJewela(ジュエラ)専用色のチェリーパールクリスタルシャイン。ボディカラーの違いで随分とイメージも変わるものだ
「Jewela」には、上の写真のライトグレー色のほかに写真の「トリュフ」内装色も設定される
チョコレート色内装の雰囲気は他のグレードとは随分と違い、ちょっと特別な印象すら与える
硬派なスポーツグレード「RS」も健在
エアロ装着で、ドッシリ感が強調されているのがRS。デザインが精悍になった分、RSの存在感も増した感じだ
一方、骨があるのがRSだ。専用エアロをフルでまとい、ホイールは16インチ(他は14/15インチ)で迫力は十分。サスペンションには専用チューニングが施されるだけでなく、パワステも他グレードとはセッティングを変えているとのこと。しかも今や貴重な5速MTが用意されているだけでもうれしい限りだ。
Uの1.5リッターと同じエンジンで、出力なども同じ。ただし、CVTのスポーツモードが追加されているので、走り自体は1ランク上
16インチで、カラーリングはダークシルバーメタリックで、渋い感じ。RSらしい軽快なデザインだ。足回りは専用チューンが施される
リヤ上部にもエアロは付くなど、別物の風格。ボディカラーもRS用として7色も用意されている
ステアリングはもちろん革巻き。オレンジステッチが施されている。またCVT車ではパドルシフトが裏側に付く
全グレードで変わらないのだが、メッキリングの加飾など、そもそもがスポーティなメーター。シンプルで見やすい
RSだけに用意されるのが5速MT。シフトブーツにもステアリング同様に、オレンジステッチとなる。操作感はカチカチとまでいかないが、ショート気味で気持ちよく決まる
代表グレード | トヨタ ヴィッツ 1.3F "SMART STOPパッケージ" [2WD] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3885×1695×1500mm |
車両重量[kg] | 1000kg |
総排気量[cc] | 1329cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 95ps(70kW)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 12.3kg-m(121N・m)/4000rpm |
トランスミッション | Super CVT-i |
10・15モード燃費[km/L] | 26.5km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 135.0万円 |
発売日 | 2010/12/22 |
レポート | 近藤 暁史 |
写真 | オフィスマッシュルーム/トヨタ自動車 |
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(レポート:CORISM編集部)
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