マイナーチェンジで5人乗りを追加したホンダ ジェイド
ホンダは、3列シートの6人乗りというユニークなパッケージングをもつ、ジェイド(JADE)をマイナーチェンジし発売を開始した。
マイナーチェンジでは、5人乗りモデルと追加。ミニバンというより、ワゴン的な使い方をアピールしている。同時に、スポーティグレードのRSも設定された。
ロールーフミニバンで6人乗りというユニークさで登場。3,000台/月という高い目標を掲げたジェイドだが・・・
ホンダ ジェイドは、2015年2月に登場した新型車。先に中国で発売されていた。基本的に、中国マーケット向けといったモデルでもある。
ジェイドは、6人乗りという多人数乗車を可能としながら、セダン並みの低い全高をもったユニークな車種。全高が低いことによるスタイリッシュなデザインと、ミニバンに近い多人数乗車ができる使い勝手の良さがウリだ。このパターンは、ロールーフミニバンのストリームの焼き直し的な印象もあった。
デビュー時に搭載されたパワーユニットは、1.5Lのハイブリッドのみ。25.0㎞/Lという優れた燃費値を誇った。その後、約3カ月遅れて価格が安いスポーティ仕様の1.5Lターボ車を投入。出力は150ps&203Nmで、燃費は18.0㎞/Lとなった。
デビュー時、ホンダはジェイドの販売目標を3,000台/月という、かなり強気の数字をアピール。しかし、ジェイドは、この販売目標をほとんど達成することなくマイナーチェンジを迎えている。販売目標どころか、月500台売るのも難しい状態が3年も続いている。
ジェイドが売れなかった理由とは?
売れない理由は、まず6人乗りといっても3列目シートは、広いとは言えない状況。ルーフも低いので、頭上スペースも少ない。しかも、スライドドアではないので、乗り降りも大変だ。室内スペースを重視するような顧客の満足を得ることは難しい。こうした顧客のニーズは、ストリームのモデル末期時にホンダも熟知していたはずだ。もはや、ロールーフでヒンジドアの多人数乗車モデルが売れる環境にはない。
しかも、価格は上級グレードのハイブリッドXで、2,920,000円。ハイブリッド車とはいえ、当時のステップワゴンより高価。これでは、なかなか手が出しにくい。
ただ、3列目シートを倒して使うと、荷室はそれなりのスペースがあった。多人数乗車モデルとしてではなく、視点を変えワゴン車として使うという考え方を持てば、使い勝手がよく燃費も良好、しかもロールーフなので、重心が低いので気持ちよく走れる。
今回のマイナーチェンジでは、このようにワゴンとしての価値をアピールしてきた。
荷室は小さいが、5人乗りのスタイリッシュ系ワゴンとしての価値をアピール
ホンダ ジェイドのマイナーチェンジでは、5人乗り仕様が設定された。ガソリン車とハイブリッド車それぞれに設定。後席は厚みのあるシートと広い足元のスペース、大型アームレストや反転テーブルなどで、くつろぎの空間を実現した。
では、ジェイドはワゴン車としての実用性は担保されているかというと、それほどではない。ジェイドのボディサイズは4,660㎜。それなりの大きさをもつが荷室容量は440L。床下に23Lのアンダーボックスも用意。このボディサイズをもつワゴンモデルとしては、荷室容量はやや小さい。
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアントの荷室容量は650Lと大きな差となっている。ひとクラス小さい全長4,400㎜のシャトルの荷室容量は、570Lとジェイドを大きく上回る。単純にワゴンとしての使い勝手という面でも、まだまだ中途半端感が残る。ジェイドは、やはり機能性というよりは、独自のスタイリッシュ系ワゴンとしての価値としてのアピールとなる。
スポーティグレードのRSを設定。走りも磨き上げたスポーツワゴン
そのため、今回のマイナーチェンジでは、ガソリンとハイブリッドそれぞれにスポーティグレードであるRSを設定。RSは5人乗りのみの設定とし、スポーツワゴン的な使い方を提案している。
ジェイドRSは、インラインタイプのLEDヘッドライトや、ハニカムメッシュフロントグリル、新規採用18インチのアルミホイールを採用。スポーティーさを強調するシャープなデザインとなった。また、低くスポーティーなスタイルを引き立てるために、ブラックルーフ仕様のエクステリアカラーを新設定。
ガソリン車のジェイドRSの専用セッティングは、伸びのある加速を体感できるCVT制御を新採用。CVTの高回転域での加速フィーリング向上を狙い「全開加速ステップアップシフト制御」を追加。さらに、制動時にエンジン回転数を上げる「ブレーキ時ステップダウンシフト制御」も設定した。CVTがもつレスポンスやフィーリングの悪さを改善し、スポーツATに近いダイレクト感あるフィーリングとした。
「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-DCD」は、ギアレシオと駆動力制御を見直した。特に発進加速時のアクセル踏み始めからのレスポンス向上を実現している。そして、マニュアル車感覚で走りを楽しめるパドルシフトを全タイプに標準装備した。
ジェイドRSとXには、リアのダブルウィッシュボーンサスペンションをはじめ、ダンパーセッティングに見直した。より上質かつ爽快な走りとしている。ホンダ ジェイドは、より質の高い走りをもつモデルとして進化した。
ホンダセンシング全車に標準装備。高い安全性能を誇るジェイド
ホンダ ジェイドは、デビュー時から歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「ホンダセンシング」が用意されており、高い安全性能をもっていた。マイナーチェンジでは、ホンダセンシングが全車に標準装備化。サイド&カーテンエアバッグも標準装備されているので、高い安全性能を誇るモデルになっている。
ホンダ ジェイドは、マイナーチェンジで月間販売目標台数をデビュー時の3,000台から500台に大幅下方修正。マイナーチェンジ前の販売台数は、500台/月売るのも厳しい状態が続いていた。それだけに、ワゴンモデルとした5人乗りを設定したことで、どこまで販売台数が回復するかも注目だ。
ホンダ ジェイド(JADE)価格
・G Honda SENSING 5人 2,398,680円
・RS Honda SENSING 5人 2,558,520円
・X Honda SENSING 6人 2,748,600円
・HYBRID RS Honda SENSING 5人 2,898,720円
・HYBRID X Honda SENSING 6人 3,088,800円
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