メルセデス・ベンツCクラス新車情報・購入ガイド ついに、モーター付1.5Lターボ時代に突入!
高い人気を誇る現行W205型メルセデス・ベンツCクラス
メルセデス・ベンツは、主力セダンであるCクラスを大幅マイナーチェンジし発売を開始した。同時に、派生車であるステーションワゴンやクーペ、カブリオレもマイナーチェンジされた。
メルセデス・ベンツCクラスのルーツは、1993年に登場したW202型Cクラス。その後、Cクラスはモデルチェンジを重ね、現行のW205型は4代目となっている。
W205型4代目Cクラスのデビューは2014年。4代目Cクラスの人気は非常に高い。デビュー後から2017年まで、このクラスの輸入車では4年連続して販売台数ナンバー1の座を獲得。ライバルのBMW3シリーズに対して、やや差を広げている状態だ。
その人気の秘密は、日本人好みの迫力あるデザインと、Cクラス史上最もスポーティなハンドリング性能、クラストップレベルの予防安全性能などが上げられる。こうしたことなどが高く評価され、2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤー部門を受賞している。
マイナーチェンジでPHEVが消えた! 先進性に欠けるラインアップ?
今回のマイナーチェンジでは、よりCO2排出量がより厳しくなる中、マイナーチェンジ前には設定されていたPHEVの設定が無くなった。
このCクラスの設定を見ていると、かなり高価だったPHEVの価格戦略を見直し、より電動化へ道を突き進むというより、かなり足元の販売を意識し、売りやすいガソリン車主体の設定となっている。
これは、トヨタやレクサスを中心とした、ハイブリッド勢とは燃費で勝負にならないと判断したのかもしれない。その結果、端的に言えば、あまり未来を感じさせないラインアップといえる。世界の高級車ブランドをけん引するメルセデス・ベンツとしては、先進感に欠ける設定だ。
最新の電動化技術BSGを搭載した1.5L直4ターボエンジン
ただ、まったく進化していないわけではない。C200アバンギャルドには、新開発のM264型1.5L直4ターボエンジンが投入された。ついに、Cクラスも3シリーズ同様に、このクラスに1.5Lエンジンを投入してきた。ただし、BMWの1.5Lは3気筒だ。
メルセデス・ベンツCクラスに搭載された1.5Lターボは、単なるダウンサイジングエンジンではない。なんと、「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」、「48 Vボルト電気システム」などの新技術を採用した。
BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は、ベルトを介してクランクシャフトと接続される、スターターとジェネレーターを兼ねるモーター。BSGは、最高出力14PS(10kW)、最大トルク160Nmを発生し動力を補助。回生時には、48 Vボルト電気システムにより電気を1kWhのリチウムイオン電池に蓄電する。回生電力でモーターを駆動し、エンジンをアシストすることで低燃費化している。
BSGのメリットは、低燃費化だけでなく優れたレスポンスも魅力
BSGのメリットは、低燃費化だけではない。小排気量ターボのデメリットは、レスポンスの悪さだ。排気量が小さいので、ターボの過給がかかる前には、排気量なりのトルクしかない。そのため、低速域やアクセルを戻し再びアクセルを踏み再加速するときに、とくにターボラグを感じる。
しかし、BSGは過給がかかるまでのもどかしいわずかな時間に、瞬時に最大トルクをアウトプットできるモーターがエンジンをアシスト。ターボラグによるアクセルレスポンスの悪さを改善している。また、ギアシフト時にも使用。エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑える。これにより、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを実現した。
また、エンジンへの抵抗をわずかでも減らすために、ウォーターポンプが電動化された。冷却能力を必要に応じて最適に調整することができるほか、エンジンを止めた状態で走行するコースティングを実現。エンジンの始動時の低騒音、低振動を可能とした。
さらに、内部の摩擦低減対策として、メルセデス・ベンツが特許を取得した「CONICSHAPE加工」を採用。シリンダーウォールをフォームホーニング加工する際に、シリンダーウォールを底部に向けてやや広がる形とすることで、ピストンスカート部に発生する摩擦を低減する。
こうした新技術を採用したM264型1.5Lターボエンジンは、最高出力184PS(135kW)、最大トルク280Nmを発生する。燃費性能は、現在のところ公表されていないが、20.0㎞/L前後の優れた燃費値になると予想される。
最新の2.0Lディーゼルエンジンを搭載
C220dアバンギャルドに搭載されたディーゼルエンジンは、Eクラスと同様の最新エンジンに変更された。最高出力143kW(194PS)、最大トルク400N・mを発生。従来型のディーゼルエンジンより高出力化され、さらに振動、騒音も低減された。
排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)を採用。排気の浄化性能も向上されたエンジンで、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合した。
高度な運転支援と先進予防安全装備のインテリジェントドライブも進化
高度な運転支援と予防安全装備を兼ね備えたインテリジェントドライブも進化した。Cクラスには、前方約250m、側方約40m、後方約80mを検知するレーダー、約90mの3D視を含む約500m前方をカバーするステレオカメラという最先端のセンサーシステムを搭載。周囲の状況をより早い段階でより詳細に検知し、ドライバーに警告。必要な場合は自動ブレーキなどで、事故の回避や被害の軽減を図ります。周囲の交通状況(車両、車線、ガードレールなど平行な物体)を常に監視。従来よりも、ステアリングアシストが作動する状況が大幅に拡大。ステム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内(一般道は3秒以内)であれば自動再発進が可能となった。
そして、ウインカーを点滅させたときに自動で車線変更する「アクティブレーンチェンジングアシスト」も装備。さらに、走行中にドライバーが気を失うなど万が一の場合には、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も搭載している。
デザイン変更は微少。より精悍さがアップしたメルセデス・ベンツCクラス
今回Cクラスのマイナーチェンジによるデザインの変更は微小となった。最近のメルセデス・ベンツは、Sクラス、Eクラス、Cクラス共、共通したデザインテイストをもつ。極端に言えば、各セグメントとも代わり映えが無く、すぐに判別できないほどだ。
大きな変更はないが、フロントおよびリアバンパーを刷新。より精悍さを増したデザインとなった。メルセデス・ベンツらしさが強調されていて、日本人好みともいえる。
大きな変更点のひとつである「LEDハイパフォーマンスヘッドライト」はヘッドライト内部にマルチチャンバーリフレクターが上下4列ずつ立体的に並んでおり、近未来的な眼光を演出。さらに、上位グレードには「マルチビームLEDヘッドライト」を採用。このヘッドライトは、EクラスやSクラスと同様のシステムで、片側84個のLED光源を瞬時に個別に制御。前走車や対向車のドライバーを幻惑することなく、広い範囲を明るく照射することができる。さらに、最長650m先まで照射するウルトラハイビームも新搭載した。
そして、セダンのテールライトユニットは、内部がCクラスの“C”の文字をモチーフにしたライトデザインに変更。Cクラスらしさを強調するデザインとなった。
インテリアは、スポーティなデザインコンセプトを継承。ダッシュボード中央には、ナビゲーションやエンターテインメントシステムの表示画面となる、高精細10.25インチの「ワイドディスプレイ」を装備。メーター関連では、高精細12.3インチのCクラス専用デザイン「コックピットディスプレイ」を設定。速度計や回転計、ナビゲーションや安全運転支援システムなどの情報を表示することができるほか、「クラシック」、「スポーツ」、「プログレッシブ」の3種類のデザインの中から選択できる。全体的に、先進性と高級感が増した印象だ。
メルセデス・ベンツCクラスのグレード選び
メルセデス・ベンツCクラスのグレード選び。まず、C180は価格訴求用のグレードで、価格は安いものの装備は簡素化されているので、選択肢から外したほうが無難。その他のグレードは、スポーティな内外装となるアヴァンギャルドなので、後はエンジンの選択が重要。
1.6Lターボを搭載したC180系は、燃費や動力性能など、とくに特徴がないので選びにくいエンジンだ。ただ、価格は安く4,890,000円。C200系に対して63万円も安いので、予算重視という人向けだ。
新型の1.5Lターボを搭載したC200系の価格は5,520,000円。マイナーチェンジ前の2.0Lターボの価格は5,300,000円だったので、22万円価格がアップしている。どうしてもガソリン車でなくてはダメというのであれば、C200系になる。
新ディーゼルエンジンを搭載したC220d系の価格は5,780,000円となった。マイナーチェンジ前と比べると、28万価格がアップしている。ガソリン車のC200系と比べると26万円高だ。
最近のガソリン価格高騰を考えると、ハイオク仕様であるガソリン車はなかなか選びにくい。そうなると、30円/L前後安い軽油を使い燃費も良いディーゼル車がやはりお勧めになる。ガソリン車に対して26万円高だが、エコカー減税分などの節税メリットを含めれば、元が取れる範囲内といったところだ。C220dアバンギャルドがお勧めグレードになる。
メルセデス・ベンツCクラス価格
・C 180 ¥4,490,000
・C 180 アバンギャルド ¥4,890,000
・C 200 アバンギャルド ¥5,520,000
・C 200 4MATIC アバンギャルド ¥5,800,000
・C 220 d アバンギャルド ¥5,780,000
・メルセデス AMG C 43 4MATIC ¥9,400,000
・メルセデス AMG C 63 ¥12,110,000
・メルセデス AMG C 63 S ¥13,790,000
■ステーションワゴン
・C 180 ステーションワゴン ¥4,730,000
・C 180 ステーションワゴンアバンギャルド ¥5,130,000
・C 200 ステーションワゴンアバンギャルド ¥5,760,000
・C 200 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド ¥6,040,000
・C 220 d ステーションワゴンアバンギャルド ¥6,020,000
・メルセデス AMG C 43 4MATICステーションワゴン ¥9,590,000
・メルセデス AMG C 63ステーションワゴン ¥12,350,000
・メルセデス AMG C 63 Sステーションワゴン ¥13,980,000
■クーペ
・C 180 クーペ スポーツ ¥5,640,000
・メルセデス AMG C 43 4MATICクーペ ¥9,500,000
・メルセデス AMG C 63 クーペ ¥12,920,000
・メルセデス AMG C 63 Sクーペ ¥14,240,000
■カブリオレ
・C 180 カブリオレ スポーツ ¥6,150,000
・メルセデス AMG C 43 4MATICカブリオレ ¥10,030,000
・メルセデス AMG C 63 Sカブリオレ ¥14,830,000
メルセデス・ベンツCクラス、ボディサイズ、燃費、スペックなど
全長×全幅×全高 4686×1810×1442mm
ホイールベース 2840mm
車両重量 -
エンジン型式 M264 直列4気筒DOHCターボ+モーター
最高出力 184ps(135kW)/5800~6100rpm
最大トルク 280N・m/3000~4000rpm
総排気量 1497cc
JC08モード燃費 -
サスペンション形式(前:後) 4リンク式:マルチリンク式
タイヤサイズ(前:後) 225/50R17
トランスミッション 9速AT
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