新2.5Lターボエンジンを搭載したマツダCX-5
マツダは、SUVのCX-5を一部改良し、特別仕様車「Exclusive Mode(エクスクルーシブ・モード)」を設定し発売を開始した。
一部改良では、新エンジンとなる2.5Lターボエンジンを新投入。また、車両制御技術である「GVCプラス(G-ベクタリング コントロール プラス)」を採用している。
ラグジュアリー感あふれる2代目CX-5
2代目マツダCX-5は、2017年2月発売が開始された。プラットフォーム(車台)などは、初代CX-5と基本的に同じ。だが、大幅に改良されたこともあり、ボディ剛性などの基本性能は大幅に向上。また、静粛性や乗り心地もより洗練されたものとなっているのが特徴だ。
同様に、インテリアデザインはラグジュアリー感たっぷりなものとなった。質感も高められており、初代CX-5と比べると、静粛性の高さや乗り心地の良さも含め、1クラス上のSUVと感じるほどだ。
初代CX-5は、比較的スポーティなSUVのイメージだったが、2代目CX-5はスポーティさを維持しつつも、かなり高級SUVへと舵を切った印象が強い。
また、2018年初頭の改良では、気筒休止機能を加え、より低燃費化を図った2.5L直4エンジンを投入している。
420Nmをアウトプットする2.5Lエンジン。低・中速を重視!
そんなマツダCX-5だが、今回の改良では直4 2.5Lターボが新たに用意された。北米で販売されているCX-9に搭載されているものと基本的に同じエンジンだ。
PY-VPTS型と呼ばれる2.5Lターボの最大出力は、230ps/4,250rpm。最大トルクは、420Nm/2,000rpmとなる。このエンジンスペックからすぐに分かるのは、かなり低・中速回転域での出力&トルクを重視していること。スポーツカーのような高回転域でのパンチ力というより、街中で扱いやすさやに主眼が置かれている。最大トルクが重視される北米マーケット用のイメージが強いエンジンだ。
一般的にターボエンジンは、ターボによる過給が始まりパワーやトルクがアップするまでの僅かな時間があり、アクセル操作に対するレスポンスが悪い領域がある。いわゆるターボラグと呼ばれる現象だ。新搭載された2.5Lターボは、ダイナミック・プレッシャー・ターボと呼ばれる技術を採用。この技術により、低速領域での過給能力や吸気工程での掃気効率を向上。加速レスポンスや低速トルクをより向上させている。
また、クールドEGR技術を採用。燃焼室の温度を低減することで、ノッキングを抑制し、排気ガス温度を低減。高出力と幅広い低燃費領域を実現させている。
ディーゼルとキャラ被りする?
ただ、この2.5Lターボエンジンの性質が2.2Lディーゼルとキャラ被りしている。どちらも、強大な最大トルクで低・中速域で余裕ある力強い走りが重視されているからだ。ガソリンとディーゼルという燃料による大きな差があるものの、走行フィーリングはかなり似ている。
どうしてもガソリン車! と、いう人にとってみればよいエンジンだ。しかし、ガソリン価格が高騰し、2019年10月には消費税がアップされる。こうなると、ディーゼルと比べて燃料費が高く燃費が悪い2.5Lターボを選択する理由が見つからない。
燃料費は、軽油を使うディーゼルが20円/L前後も安い。さらに、燃費はFF(前輪駆動)車で、2.5Lターボが12.6㎞/L。これに対して、ディーゼル車は17.4㎞/Lと燃費で圧倒している。
ディーゼルは、コストが高く車両価格が高くなるが、2.5Lターボもかなり高コストなエンジン。そのため、車両価格の差は微少。現在のエコカー減税なら、減税分を加味するとディーゼルの方が安くなるのだ。経済性では、ディーゼル優位ということになる。
より車両を安定させる新制御GVCプラスを搭載! ディーゼルには6MTを設定
また、従来から設定されてる車両安定制御技術「GVC(G-ベクタリング コントロール)」に、新機能が加わった。ハンドルを戻す際の制御が新たに加わり「GVCプラス(G-ベクタリング コントロール プラス)」へと変更されている。
GVCプラスは、旋回中のハンドル戻し操作に応じて外輪をわずかにブレーキをかける。このブレーキにより、車両を直進状態へ戻すための復元モーメントを与えることができ車両の安定性を向上するというものだ。
危険回避などにより、急激なステアリング操作をしたときに、多くの人はステアリングを戻すタイミグが送れ不安定な挙動になるケースが多い。こうした状況になったときに、GVCプラスの制御があると、車両が安定した状態を作ってくれるのでより安心して運転ができる。雪道など、滑りやすい路面環境であるならば、よりGVCプラスの制御が実感しやすいだろう。
このGVCプラスの制御は、非常に自然なのが特徴。制御されていることが分かりにくいので、ドライバーは運転が上手くなったと勘違いすることが唯一の難点かもしれない。
そして、今やMT車を積極採用する唯一の国産メーカーともいえるマツダだが、今回の改良ではディーゼル車に6MTを追加設定。このクラスの国産SUVでは、唯一のMT車になった。
CX-5のトップグレードになるラグジュアリー感を極めて特別仕様車「Exclusive Mode」
また、特別仕様車も新投入。ディーゼル車と2.5Lターボ車に用意され、最上級グレードとして位置付けられる。その内容は、非常にラグジュアリー感あふれるものとなった。
新設定された特別仕様車はCX-5「Exclusive Mode(エクスクルーシブ・モード)」。トップグレードに相応しいワンランク上の質感を感じさせる室内空間をつくり上げた。素材にもこだわった。ナッパレザーのシートや本杢加飾などを採用。上質な空間に仕上げ、オーナーに「所有する歓び」を提供。
その他の装備関連では、19インチのアルミホイールは、専用高輝度ダーク塗装を特別採用。また、前席シート両側に、体との間にこもる不快な熱気を吸い出す「シートベンチレーション」機能を搭載している。CX-5「Exclusive Mode(エクスクルーシブ・モード)」の価格は3,326,400円からだ。
マツダCX-5のグレード選び
マツダCX-5のグレード選びは、まずエンジンの選択から。重要は予防安全装備である自動ブレーキは、夜間の歩行者検知が可能な高性能タイプ。全車に標準装備化されている。その他の安全装備も充実していて、どのグレードを選んでも安心できる。
エンジンは、2.0Lと2.5L、そして2.5Lターボ、ディーゼルの計4タイプ。予算重視で街乗り程度というのであらば、2.0Lでも十分だ。2.5Lと2.5Lターボは、減税メリットもそれほどなく、しかも最近ではガソリン価格が高騰しているので、積極的に選びにくい。こうなると、お勧めはディーゼルになる。今後、より低燃費志向のマーケットになるのは確実で、それは中古車マーケットも同様。ディーゼル車のリセールバリューがより高くなることも予想できるので、これもメリットの1つだ。
CX-5のグレードは、基本的に豪華装備の差となっている。好みに合わせて選択するといい。ただ、CX-5はよりラグジュアリーさをアピールする車種。ある程度満足できる装備となると、やはりプロアクティブがお勧め。プロアクティブをベースに必要な装備を検討するといいだろう。プロアクティブにオプションの360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサーを選ぶ程度で十分な内容になる。
マツダCX-5価格
20S 2WD AT 2,570,400円
20S PROACTIVE 2WD AT 2,802,600円
25S 4WD AT 2,797,200円
25S PROACTIVE 4WD AT 3,029,400円
25S L Package 2WD AT 3,018,600円/4WD AT 3,245,400円
25T L Package 2WD AT 3,326,400円/4WD AT 3,553,200円
25T Exclusive Mode 2WD AT 3,650,400円/4WD AT 3,877,200円
XD 2WD AT・6MT 2,883,600円/4WD AT・6MT 3,110,400円
XD PROACTIVE 2WD AT・6MT 3,115,800円/4WD AT・6MT 3,342,600円
XD L Package 2WD AT・6MT 3,331,800円/4WD AT・6MT 3,558,600円
XD Exclusive Mode 2WD AT・6MT 3,655,800円/4WD AT・6MT 3,882,600円
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