17年振り5代目スープラが初公開
トヨタは、GAZOO Racing(ガズー レーシング)が展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル「GRスープラ」を北米デトロイトショーで公開した。
新型トヨタ GRスープラは、約17年振りの復活となり5代目となった。初代スープラは、1978年に誕生。その後、スープラのDNAは直列6気筒エンジンとFR(後輪駆動)車として継承されている。
歴代スープラのこだわりを継承しているとはいえ、新型GRスープラは基本骨格やエンジンなどは、BMW Z4と共通。Z4はオープンボディなのに対して、新型GRスープラはクーペボディであることが大きな違いだ。ホイールベースやトレッドなども、Z4と同じになっている。
グラマラスなフェンダーやダブルバブルルーフを採用したデザイン
Z4との大きな違いは、外観デザイン。新型GRスープラは、新型空気抵抗低減するダブルバブルルーフを採用。
さらに、グラマラスな曲線でフェンダーラインを強調し、優美さと迫力を感じさせるサイドビューとなった。ロングノーズショートデッキの、いかにもFR車らしいシルエットになっている。インパネデザインも異なるが、シフトノブまわりなどは、いかにもBMW的なデザインになっている。
86よりも短いホイールベースに、2.5倍のボディ剛性をもつ新型GRスープラ
新型GRスープラは、キレのあるハンドリングマシンを実現するために、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3要素をにこだわった。ホイールベースは、86よりも100mm短い2,470mmとした。また、ホイールベースとトレッドの比は1.55となり、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値を達成。優れた回頭性を誇るスペックにまとめられている。
また、スポーツカーにとって重要な重心高では、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高を実現。前後の重量配分も理想の50:50となっている。
ボディは、アルミニウムと鉄を用いた骨格構造をもち、異なる素材同士の接合強度を追求。重要なボディ剛性は、86の約2.5倍もの数値を誇る。しかも、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用したレクサスLFAをも上回るボディ剛性をもっている。
この強固なボディを支えるサスペンションは、フロントにダブルジョイントスプリングストラット式、リヤはマルチリンク式を採用。一部グレードには、アダプティブバリアブルサスペンションシステムを搭載。選択中のドライブモードや路面状況に応じて、ショックアブソーバー減衰力を最適に制御する。
そして、旋回性能と安定性を高めるアクティブディファレンシャルも装備。VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で無段階に最適制御。コーナー進入時は、旋回性能と安定性を高くバランスさせたロック率を選択。アクセルを踏み込んでコーナーを脱出する際は、ロック率を高め最大限のトラクション性能を発揮する機能をもつ。
直6 3.0Lターボの他に、2.0L直4ターボも用意
直6エンジンを継承してきたスープラだったが、Z4と多くの部分を共用するため、直4エンジンも用意された。搭載されるエンジンは、直6 3.0Lターボと直4 2.0Lターボが出力違いで2タイプあり、計3タイプのエンジンが選択できる。
最もハイパワーな直6ターボは、340ps&500Nmとなり、グレード名はRZ。そして、258ps&400Nmをアウトプットする直4 ターボのグレードはSZ-R。197ps&320Nmの直4ターボはSZとなっている。直6ターボモデルの0-100㎞/h加速は、4.3秒とかなりの俊足だ。Z4とは、エンジンの出力や足回りのセッティングが微妙に異なっている。
新型トヨタGRスープラの発売日と価格を予想
さて、新型トヨタ GRスープラの発売日だが、2019年春を予定しているという。BMW Z4は、日本向けに出荷されているとの情報もあり、3月頃が発売日ではないかと予想。
そして、新型GRスープラの価格だが、エントリーグレードのSZで600万円程度から。最上級グレードのRZは700万円以上になるのではないかと予想した。
新型トヨタ スープラ エンジン出力、ボディサイズなどスペック
ボディサイズ 全長(mm) 4,380 全幅(mm) 1,865 全高(mm) 1,295(RZ) 1,290(SZ-R、SZ)
タイヤサイズ 前:255/35R19 後:275/35R19(RZ) / 前:255/40R18
後:275/40R18(SZ-R)/ 前:225/50R17 後:255/45R17(SZ)
ホイールベース(mm) 2,470(全グレード共通)
トレッド(mm) 前:1,594(RZ、SZ-R) 1,609(SZ) 後:1,589(RZ、SZ-R) 1,616(SZ)
エンジン 直6 3.0Lターボ(RZ)/直4 2.0Lターボ(SZ-R、SZ)
最高出力(kW[PS]/rpm) 250[340]/5,000-6,500(RZ) / 190[258]/5,000-6,500(SZ-R) / 145[197]/4,500-6,500 (SZ)
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 500[51.0]/1,600-4,500(RZ) / 400[40.8]/1,550-4,400 320(SZ-R) / [32.6]/1,450-4,200(SZ)
車両重量(kg) 1,520(RZ)/ 1,450(SZ-R) /1,410(SZ)
0-100km/h(秒) 4.3(RZ)/ 5.2(SZ-R) / 6.5(SZ)
トランスミッション 8速スポーツAT
新型トヨタ スープラ プロトタイプ試乗記・評価 豪快な直6サウンドを響かせるスポーツクーペ
新型トヨタ スープラ プロトタイプ試乗記・評価 まだ熟成の余地があるものの、スポーツカー文化の継承に価値ある1台
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