メルセデス・ベンツGLE新車情報・購入ガイドの目次
4代目となったプレミアムSUV、新型メルセデス・ベンツGLE
メルセデス・ベンツ日本は、Eクラス級のSUVモデルであるGLEをフルモデルチェンジした。
GLEはその昔、アメリカ市場向けの市場モデルとして開発されたもので、当初はアメリカ南部のアラバマ州にあるメルセデス・ベンツの工場で生産されていた。当初はアメリカ車感覚の大味な印象が強いクルマだったが、モデルチェンジを重ねるごとにドイツ製のメルセデス・ベンツに近い雰囲気を備えるようになってきた。
2015年10月には、ほかのモデルも合わせてSUVを意味する“GL”とEクラス級のクルマであることを示す“Eを”合わせたGLEに車名を変更している。これによってBMWのX5に対抗するSUVモデルであることが明確になった。メルセデス・ベンツではこれを“プレミアムSUV”としている。
今回のモデルが4代目となる新型メルセデス・ベンツGLEは、プレミアムSUVとしての特性をしっかり継承しながら、内外装デザインを一新するとともに、最新の技術と装備を搭載してきた。オンロードでは高いアジリティを、オフロードでは卓越した走破性を実現。
インテリアでは、室内スペースを大幅に拡大するとともに、GLEとして初めて3列目シートを設定して乗車定員を7名としたほか、新型Aクラスから採用が始まったインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」と最新の安全運転支援システムを備えている。
新型メルセデス・ベンツGLEのラインアップは、初の4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載した「GLE300d 4MATIC」をベースに、静かでスムーズな直列6気筒クリーンディーゼルエンジン搭載の「GLE 400d 4MATICスポーツ」、直列6気筒ガソリンエンジンとISGを搭載した「GLE450 4MATICスポーツ」の3グレードが設定されている。全車ともフルタイム4WDで、ガソリン車はすぐに納車が始まるが、ディーゼル車は11月から納車が開始される予定だ。
力強さと華麗さを兼ね備えた新型GLEのデザイン
新型メルセデス・ベンツGLEの外観デザインは、最近のメルセデス・ベンツのデザイン思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を具現化したものとされ、現代的なラグジュアリーを表現する。感性と知性を調和させた力強い存在感を特徴とし、細かなエッジやラインを減らして面を強調するなど、SUVらしい質実剛健さを表現したデザインとなっている。
長いホイールベースと短いオーバーハング、ボディ幅いっぱいまで張り出した大径ホイールを備えることで、快適な室内空間と走破性の高さを想像させるものとした。
フロント部分では、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットフードがSUVとしての存在感や力強さを表現する。標準モデルとAMGライン仕様やガソリン車では、ラジエターグリルの部分に違いが設けられていて、AMGライン仕様などにはダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンなど、スポーティさを強調したデザインが採用された。
サイドビューは、Mクラス時代から変わらぬ、力強いCピラーと、特徴的なリアクォーターのガラスエリアのデザインを継承している。標準モデルでは、ホイールアーチの太いライナーが印象的で、ルーフレールとともにSUVとしての性格を際立たせている。
リアエンドは、新デザインの2分割コンビネーションランプのリフレクターを下部に移動させたことで、いっそう スリムなデザインとなり、ボディのワイド感を引き立てている。新型GLEのエアロダイナミクスは、先代モデルより大幅に改善され、セグメントトップのCd=0.29(欧州仕様車)を達成した。
先進性とラグジュアリーが共存したインテリア
インテリアは、メルセデス・ベンツらしいラグジュアリーさとエレガントさを強調したデザインが採用されるともに、MBUXの高度なデジタル技術も特徴となる。
ダッシュボードには最近のメルセデス・ベンツに共通する2枚のディスプレーを採用。「12.3インチワイドディスプレー」と「12.3インチコックピット ディスプレー」を1枚のガラスカバーで融合することで、ドアパネルまで流れるような先進的なデザインとしている。
インテリアトリムも同様に、一方のフロントドアから 反対側のフロントドアまで続く水平ラインがアクセントだ。センターコンソールには、SUV特有の装備である大きなグラブハンドルが左右に設けられている。水平に4つ並んだ四角いエアベントは、標準モデルのフロントグリルに採用されているルーバーのデザインをモチーフとしたものだ。
滑らかなレザーやトリムは上質感にあふれたもので、デザインを一新したスイッチ類はプラスチック感覚を排して金属的な質感を備えている。前席にシートベンチレーター(グレード別設定)と温冷機能付きカップホルダーを採用し、長距離移動などでの快適性を高めた。
さらに広くなったインテリアになり、7人乗りとなった新型GLE
新型GLEはホイールベースが大きく延長(先代モデル比+80mm)され、居住性と積載性を向上させている。Aピラーを直立方向に起こすことで乗降性も改善させた。2列目はこのセグメントのSUVとしては世界初となる6ウェイフルパワーシートを全モデルに標準装備する。
レッグルームは先代比69mm増の1,045mmとなり、左右のシートが約100mmの範囲で、それぞれ前後電動でスライド可能。40:20:40の分割可倒式バックレストは電動角度調整式で、左右ヘッドレストの高さは電動調整式となっている。全モデルに標準装備の3列目シート(2人掛け)は可倒式で、フレキシブルなシートアレンジが可能だ。(比較数値は 欧州仕様車参考値)
3列目シート使用時のラゲッジルームスペースは160Lで、3列目シートを格納した状態だと630Lだ。2~3列目のシートを倒すと最大で2055Lまで広がる。トランクスルーで積み込める横幅が72mm拡大されたことで、長尺物もより簡単に積載できるようになった。
一部グレードに標準またはオプションで設定されるAIRMATICサスペンション装備の場合は、スイッチ操作によりリアの車高が約40mm下がり、よりスムーズな荷物の積み下ろしが可能となる。
乗員にリフレッシュやリラックスをもたらすエナジャイジングパッケージとは?
新型GLEに用意された「エナジャイジング コンフォート」(活気にあふれた快適性)は、各種ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽などのインテリアシステムを統合的にコントロールして快適性を高めるもの。ベースグレードにオプションで、上級グレードに標準で装備される。
「リフレッシュ」や「バイタリティー」「トレーニング」の3プログラムから選択することが可能で、「エナジャイジング コーチ」機能を使用すると、高度なアルゴリズムに基づき走行時間等を加味したうえで、さらにガーミン製スマートウォッチを装着した場合は、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、運転手をサポートするモードを提案する。
またシートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする「エナジャイジングシートキネティクス」も装備されている。
もはやお馴染みになってきたAIを使ったMBUXを搭載
新型GLEのインフォテインメントシステムは、12.3インチの大型ワイドスクリーン2画面を標準装備し、表示モードはクラシック/スポーツ/プログレッシブ/ジェントルの4種類から好みに応じて選べる設定だ。
マルチメディアシステムは、メルセデス・ベンツAクラスに続き、新型の自然対話式音声認識機能を備えた、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載した。最大の特徴は、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えている。ボイスコントロールは「ハイ、Mercedes」と呼びかけることで起動する。
音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、 各種ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応する。
トップレベルの予防安全装備レーダーセーフティパッケージを標準装備
新型GLEにはSクラスと同等の、最新世代の運転支援システムシステムが全車に標準装備されている。国内初導入となる機能強化として、「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付き)」は、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくる車と衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキが作動する。対向車の検知は、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラを使って行われる。
700Nm! 直6 3.0Lディーゼルターボを搭載
新型GLEに用意されたエンジンは、グレードごとに計3機種が設定されている。GLE300d 4MATICには、高出力化を図った直列4気筒2.0Lのクリーンディーゼルエンジンが搭載され、180kW(245ps)/4200rpm、500Nm(51.0kg-m)/1600rpmのパワー&トルクを発生する。振動、騒音を低減したエンジンで、快適なドライブを実現する。排出ガスの浄化にも注力して開発され、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合した。
GLE400d 4MATICスポーツには、直列6気筒3.0Lのクリーンディーゼルが搭載され、243kW(330ps)/3600rpm、700Nm(71.4kg-m)/1200rpmを発生する。2ステージターボを採用し、小さいタービンには可変タービンジオメトリーを採用して、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能とした。効率性や環境性能の追求はもちろんのこと、低振動で高い静粛性をも備えている。
マイルドハイブリッドも用意
GLE450 4MATICスポーツのパワートレーンは、直列6気筒3.0Lのガソリンエンジンに、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48V(ボルト)電気システムを組み合わせたマイルドハイブリッドで、効率性、快適性、高性能化を実現したエンジンだ。エンジン単体で最高出力270kW(367ps)/5500rpm、500Nm(51.0kg-m)/1600rpmを発生するとともに、エンジンとトランスミッションの間に配置された最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する電気モーター48V電気システムを使って回生ブレーキによる発電を行い、約1kW/hの容量を持つリチウムイオン電池に充電する。
エンジンが低回転のときには、電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と力強い加速を実現する。スターターが高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性も向上させている。
トランスミッションは9G-トロニックが全車に組み合わされ、駆動方式は全車ともフルタイム4WDだが、GLE300d 4MATICには前後50:50の固定トルク配分となる4WDシステムが採用され、GLE400d 4MATICスポーツとGLE450 4MATICスポーツには前後100:0%から0:100%まで連続可変でトルクを配分する4WDシステムが採用される。可変トルク配分とすることで、オンロードとオフロードの性能をさらに高いレベルで両立させた新開発の4MATICシステムだ。
メルセデス・ベンツGLE価格
・GLE 300 d 4MATIC 9,400,000円 (消費税10%)
・GLE 400 d 4MATICスポーツ 10,890,000円 (消費税8%)、11,090,000円(消費税10%)
・GLE 450 4MATIC スポーツ 11,320,000円 (消費税8%)、11,530,000円(消費税10%)
メルセデス・ベンツGLE ボディサイズ、出力などスペック
■代表グレード GLE 400 d 4MATICスポーツ
・ホイールベース 2995mm
・駆動方式 4WD(4MATIC)
・エンジン型式 OM656
・エンジン 3.0L 直列6気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量 2925㏄
・最高出力 330ps(243kW)/3600-4000pm
・最大トルク 700Nm(71.4kg-m)/1200-3000rpm
・燃料 軽油
・トランスミッション 9速AT
・最低地上高(社内測定値) 約180mm*
・アプローチアングル 約23~25°*
・渡河深度 約500mm*
(*GLE 300 d 4MATICの数値)
・タイヤサイズ 前後:275/50R20
【関連記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
- 【動画】トヨタ カローラクロス試乗レビュー コストパフォーマンスに優れた純ガソリン車【トヨタ】
- 三菱トライトン試乗記・評価 ピックアップなのに快適!?【三菱】
- 【動画】ホンダ ZR-V 試乗レビュー SUVとは思えない軽快なハンドリグと快適な乗り心地【ホンダ】
- レクサスLBX試乗記・評価 小さな高級車は成功するのか?【レクサス】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!