人気コンパクトミニバン、フリード/フリード+がマイナーチェンジ
ホンダは、5ナンバーサイズの手頃なボディの中に多人数乗車が可能な居住性と使い勝手の良さを兼ね備えたコンパクトミニバンのフリードとフリード+をマイナーチェンジして発売を開始した。今回のマイナーチェンジでは、内外装デザインを刷新などの変更を加えるとともに、クロスオーバースタイルの新グレードクロスターを追加している。
まず、フリードは3列シートで6人乗りまたは7人乗りの設定。フリード+(プラス)が2列シートの5人乗りという設定は変わらず。新たに追加されたクロスターはフリードとフリード+の両方に用意されている。
ただし、フリード クロスターは6人乗りだけの設定。基本メカニズムには変更はなく、1.5Lエンジン+ハイブリッドに7速DCT組み合わされ、1.5Lの直噴DOHCにCVTが組み合わされている。
ライバル、トヨタ シエンタを追撃開始! ホンダ国内営業の実力が試される?
このクラスでは、トヨタのシエンタの売れ行きが好調で、登録車で最も良く売れるクルマになっているだけに、ホンダとしても対抗車であるフリード/フリード+の改良によって追い上げを図りたいところだ。
トヨタ シエンタは、2018年9月にマイナーチェンジしたばかり。そんなこともあり、販売面は好調で2019年上期では55,602台を販売。登録車新車販売台数ランキングでは3位。モデル末期とはいえ、コンパクトカーのアクアを抑えての3位は立派だ。
対するホンダ フリードは、2019年上期の登録車販売台数は43,468台で10位。ホンダ車唯一のベスト10入りを果たしている。フルモデルチェンジ前とはいえ、コンパクトカーのフィットより売れている状態だ。ホンダの国内販売にとって、フリードは基幹車種となっている。
ホンダ フリードは、今回のマイナーチェンジで、イッキにシエンタとの差を詰めたい考えだ。2019年上期での販売台数差は1.2万台。それほど大差はついていないだけに、ホンダ国内営業の実力が問われる戦いだ。
木目調パネルで落ち着いたインテリアに仕上げた新型フリード
ホンダ フリード標準車の外観デザインは、これまでの「親しみやすさ」はそのまま継承し、さらに洗練されたものとした。フロントまわりはフード、グリル、バンパーやロアグリルなどに変更を加え、精悍で落ち着きのあるシンプルなスタイルとした。またアルミホイールのブラック部分をダークグレーに変更することで、より洗練されたデザインを追求している。
インテリアは、木目調パネルをより落ち着きのあるウォールナットのデザインに変更した。またシート表皮も刷新し、より一層心地よく、くつろぎに満ちたインテリアに仕上げている。
アウトドアテイストをプラスした新グレード、フリード クロスター
新設定のクロスターは、遊び心と力強さを表現したクロスオーバースタイルのエクステリアを持つ。専用のフロントグリルや前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイール、専用色のドアアウターハンドルやドアミラーを採用し、アウトドアシーンにも映えるクロスオーバースタイルとしている。
インテリアもクロスター専用のもので、遊び心が随所に感じられるものとした。専用のプライウッド調パネルを採用し、専用のコンビシートは汚れの目立ちにくいデジタル柄を採用することで、アウトドアの非日常感を表現した。
予防安全装備はバッチリ! ホンダセンシング全車に標準装備
安全装備のホンダセンシングは、全タイプに標準装備としたほか、新たに後方誤発進抑制機能が追加された。また、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、加減速時によりスムーズなフィーリングとなるよう熟成が進められた。
走行時の制御では、下り坂においてエンジンブレーキを併用したスムーズな減速が行えるステップダウンシフト制御を採用した。これは、シフトレバーを操作することなく、ある一定のブレーキ操作だけで、エンジンブレーキを併用したスムーズな減速が行えるもので、ステップダウンシフト制御はホンダのミニバンでは初めての採用だ。これにより、走行状況に応じたダウンシフト制御を行うとともに、エンジンの回転を適切に保ち、滑らかな走りを可能とした。
ホンダ フリード/フリード クロスターのグレード選び
ホンダ フリードの価格は、ベースグレードBのガソリン車がホンダセンシングを採用しながら200万円を切る水準に設定。最上級グレード、ハイブリッドのクロスター4WDは、300万円をわずかに超えている。フリード+は Gがベースグレードで218万円台からの設定。
フリードにするかフリード+にするかは、多人数乗車が必要かどうかで決まる。ガソリン車とハイブリッド車では、ハイブリッドのほうがざっと40万円ほど高くなる。この価格差を燃費で取り戻すには、相当な距離を走らないとダメだから、予算重視で普通に選ぶならガソリン車で良いだろう。ただし、減税メリットはほとんどない。
予算に余裕があり、今時フツーのガソリン車という選択では面白くないというのであれば、やはりハイブリッドがお勧めになる。リセールバリューは、ハイブリッド車の方が高くなるケースが多いので、短期の乗り換えであるならば、ハイブリッド車という選択もありだ。
イチ推しのグレードは、フリードのガソリン車G。7人乗りが218万2400円で、6人乗りは216万400円だ。Gであれば、両側パワースライドドアも標準装備されている。フリードは、予防安全装備は標準装備されているものの、サイド&カーテンエアバッグはオプション設定と安全装備はやや貧弱。これでは、安全性能面で不安があるので、サイド&カーテンエアバッグを選択する必要がある。これに、カーナビ+オーディオなどのオプションを装着すると、車両価格ベースで250万円台くらいになる。
ホンダ フリード/フリード クロスター価格
■フリード/フリード クロスター価格
・HYBRID CROSSTAR Honda SENSING FF 6人乗り 2,781,900円/4WD 6人乗り 3,018,400円
・HYBRID G Honda SENSING FF 7人乗り 2,583,900円/6人乗り 2,561,900円/4WD 6人乗り 2,798,400円
・CROSSTAR Honda SENSING FF 6人乗り 2,380,400円/4WD 6人乗り 2,616,900円
・G Honda SENSING FF 7人乗り 2,182,400円/6人乗り 2,160,400円/4WD 7人乗り 2,418,900円/6人乗り 2,396,900円
・B Honda SENSING FF 6人乗り 1,997,600円
■フリード+/フリード+クロスター価格
・HYBRID CROSSTAR Honda SENSING FF 5人乗り 2,803,900円/4WD 5人乗り 3,040,400円
・HYBRID G Honda SENSING FF 5人乗り 2,583,900円/4WD 5人乗り 2,820,400円
・CROSSTAR Honda SENSING FF 5人乗り 2,402,400円/4WD 5人乗り 2,638,900円
・G Honda SENSING FF 5人乗り 2,182,400円/4WD 5人乗り 2,418,900円
■ホンダ フリード クロスター燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード:フリード ハイブリッド クロスター ホンダセンシング FF
ホイールベース mm 2,740
トレッド 前/後 mm 1.430
最低地上高 mm 135
最小回転半径 m 5.2
車両重量 kg 1,430
乗車定員 名 6
JC08モード燃料 km/L 27.4
エンジン型式 LEB
種類 直列4気筒DOHC
使用燃料 レギュラーガソリン
総排気量 L 1.496
最高出力[NET] kW (PS) / r.p.m. 81(110)/6,000
最大トルク[NET] N・m (kgf・m) / r.p.m. 134(13.7)/5,000
燃料タンク容量 L 36
モーター最高出力 kW (PS) 22(29.5)/1,313-2,000
モーター最大トルク N・m (kgf・m) 160(16.3)/0-1,313
駆動用主電池種類 リチウムイオン電池
トランスミッション 7速DCT
サスペンション 前 / 後 マクファーソン式 /トーションバー式
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