デイズルークスから「ルークス」へ車名を変更
日産は、スーパーハイト系軽自動車のデイズルークスをフルモデルチェンジし、車名を「ルークス」として販売を開始した。
新型日産ルークスは、先に発売されたハイトワゴンのデイズをベースに、さらに全高を高めたスーパーハイト系ワゴン。今回、デイズベースのモデルチェンジでは2代目となる。この2代目から、デイズの名が外され「ルークス」のみとなっている。
この新型日産ルークスは、従来通り日産と三菱の軽自動車における合弁会社NMKVが企画・開発したモデル。初代デイズルークスは、日産が企画し三菱が開発・生産を担当。しかし、2代目新型ルークスからは、日産が企画・開発を行い三菱が生産を担当している。
ちなみに、単一のルークスという車名では、初代が2009年にデビューしている。このルークスは、スズキからパレットをOEM供給を受けたモデルだった。
計3タイプの外観デザインから選べる「ルークス」
新型日産ルークスの内外装のデザインは、標準系とハイウェイスターとで明確な差別化が図られている。これは従来のモデルと変わらない。さらに、カスタマイズされたオーテックも加わるので、実際には3タイプのデザインから選べる。
標準系のエクステリアは、親しみやすさを基本に、上品で洗練されたモダンでシンプルなスタイルを目指したという。やや小さめのフロントグリルが特徴だ。
これに対してハイウェイスターのエクステリアは、大きめのフロントグリルが堂々とした印象を与え、より大きく見えるワイド感と高い質感、それに「作り込まれた」存在感を放つものとされた。
そして、オーテックは、標準車のXをベースとした。オーテックブランド車共通の表現であるドットパターンのフロントグリルを採用。ドットパターンはジュエリーのような丸みを帯びたデザインとし、プレミアムかつエレガントに仕上げている。
クラスを超えた質感を誇る
新型ルークスの標準系インテリアは、明るいグレージュの内装色により包まれるようなリラックス感あふれる室内空間を実現した。オプションインテリアでは、ブラックとモカをベースにスタイリッシュなコーディネーションとした。
ハイウェイスターのインテリアは、洗練された空間と直感的な使い勝手によって「きれい」に「楽」に使えることを目指し、さらにディテールにもこだわってクラスを超える質感に仕上げている。
インストルメントパネルは、水平基調のすっきりとした形状で良好な前方視界と開放感を確保した。オートエアコンのコントロールパネルは、上質感と高い視認性を実現したタッチパネル式を採用し、風量調節スイッチと表示部をコンパクトに一体化することで、操作性を向上させるとともにシンプルでスマートなデザインとした。
ただ、このタッチパネルは、走行中は常に揺れている車内で的確に操作するのが難しい。ついつい、操作時に指先を注視して、前方監視がおろそかになる瞬間がある。こうしたこともあり、ブラインド操作がしやすいダイヤル式を使うメーカーも多い。
メーター中にあるアドバンスドドライブアシストディスプレイは、アクセルペダルの踏み加減を表示する「エコペダルガイド」や、駐車時の前進/後退を繰り返す際にタイヤの向きや角度を表示する「タイヤアングルガイド」など、多様な情報をカラフルに表示する。
ボディカラーは、2トーンが5色、モノトーンが12色と多彩なバリエーションを設定。また今回は、標準系の「セレニティゴールド」、ハイウェイスターの「アメジストパープル」と「アトランティックブルー」の3色が新色だ。
クラストップレベルの広さを誇る室内
新型ルークスは、デイズの基本プラットホームを流用し、軽自動車のボディの中に大人4人がゆったりと過ごせるクラストップレベルの広い室内を実現した。
座った際の膝回りのスペースも十分に確保しており、後席ニールームは795mmと余裕十分の広さでゆったりと座れる。後席は室内高が1400mmに設定され、小さな子供なら室内で立って着替えることもできる。
荷室は、後席を最も前に押しやると、床面の長さが675mmと広いスペースを確保した。これは48Lのスーツケースを同時に4個も積載できる広さだ。
使い勝手の面では、後席スライドドアの開口幅を650mmとしたことで、乗降性の良さを確保して楽に乗り降りができる。このスライドドアは、グレードによって片足を車体の下にかざすだけで自動で開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」を両側ともに採用した。これはセレナで好評の装備で、両手が荷物で塞がっていたり、子供を抱えているときでも、楽にドアを開閉できる。
後席は、最大で320mmスライドさせることができるので、最も前方にスライドすると運転席に座ったままで、後席に座っている子供に手が届く。また旧型モデルに比べて、前席シートのヒップポイントを60mm高くしたことで、広い前方視界を視界を確保した。
このほか、小さな子供や年配の方の乗り降りをサポートする、助手席側スライドドア部の「オートステップ」をオプション設定したほか、各座席の使いやすさを考えた収納スペースや装備を数多く設け、ユーティリティにこだわった機能的なデザインとした。
スーパーハイト系はターボ車がお勧め?
新型ルークスは全高の高いスーパーハイトワゴンだが、ボディを除くと基本メカニズムの大半はデイズと共通のものが採用されている。搭載エンジンは、日産デイズと同じ水冷直列3気筒660ccのBR06型で、自然吸気仕様とターボ仕様の2機種が設定されている。
動力性能は、自然吸気仕様が最高出力36kW(49ps)/6500rpm、最大トルク59N・m/5000rpmを発生する。ターボ仕様が最高出力47kW(64ps)/6000rpm、最大トルク98N・m/3000rpmの実力だ。いずれも動力性能の数値は変わらないが、日産ルークスにあわせた最適なセッティングを施した上で搭載されている。組み合わされるトランスミッションは無段変速のエクストロニックCVTだ。
デイズに比べルークスは、背が高くなった分車重が重い。そのため、自然吸気エンジンだと高速道路や急勾配の登り坂では、少々非力に感じるかもしれない。街中しか走らないというのであれば、自然吸気エンジンでも十分だが、高速道路をよく使ったり、ロングドライブが多いという人には、パワフルなターボ車が向く。
ストレス軽減効果がある「プロパイロット」
ルークスには、先にデイズで軽自動車として初搭載となった運転支援技術の「プロパイロット」を、さらに進化させて搭載している。高速道路での長距離運転と渋滞という2大ストレスを軽減するのはもちろん、新たにミリ波レーダーを追加採用したことにより、より遠くの先行車の状況を検知し、スムースな制御が可能になった。
また、旧型モデルに比べてエンジンの骨格を高剛性化したことで、エンジン音を抑えて静粛性を向上させている。加えて、音源となるエンジン回りやドア回りに収音材を効果的に配置することで、より静かな室内空間を作っている。
疲れを軽減する効果のある「ゼログラビティシート」を採用したことも、ロングドライブ時の披露軽減につながっている。運転におけるストレスの軽減や静かな室内が、「楽」で「楽しい」移動空間を作っている。
新型ルークスには、全方位の先進安全技術を搭載した。前方を走行する2台前の車両を検知(=通称股抜き)し、急な減速などにより、自車の回避操作が必要と判断した場合には、警報によってドライバーに注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を軽自動車として初搭載した。これは、以前スカイラインなどにも搭載されていた高級車用の装備だ。
新たな安全装備として、対向車がいても相手を眩惑させることなくハイビームを維持できるハイビームアシストの進化機能である「アダプティブLEDヘッドライトシステム」や、前方の車両進入禁止標識、最高速度標識、一時停止標識の3つの標識を検知する「標識検知機能」、「インテリジェントDA(ふらつき警報)」、「先行車発進お知らせ」などを搭載した。また「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」は、ミリ波レーダーの採用で、夜間での性能を向上させている。
また、衝突時に脚部の保護効果を高めるSRSニーエアバッグシステムを一部グレードに標準装備。
もしもの事故の際の自動通報はもちろん、あおり運転や急病などの緊急事態にも手動で通報できる「SOSコール」をハイウェイスターの一部グレードに標準搭載した。
新型デイズの安全装備は、グレードにより差がある。ただ、すべてのグレードに標準装備されている安全装備で一定レベルはクリア。上級モデルでは、かなり高い安全性能を得ている。
新型日産ルークスのグレード選び
新型日産ルークスのグレード選びは、まず外観デザインから選択すると良い。標準車かハイウェイスターということになる。オーテックは、かなりこだわりのある人向けだ。
標準車のデザインもなかなか迫力があってよいが、基本的に装備などがシンプル傾向。街乗り、送迎・通勤用というんであれば標準車でも十分。
ファーストカー的使い方をするのであれば、やはりハイウェイスターがお勧め。短期の乗り換えなら、リセールバリューも高い。一部グレードを除き、ハイウェイスターだと標準車では装備されていないプロパイロットが装備されれる。プロパイロットは、高速道路などで同一車線内を維持しながら全車速で先行車に追従走行する。渋滞時の再発進も容易なので、ドライバーの疲労軽減にも大きな効果が期待できる。
ルークス ハイウェイスターのグレード選びは、まずプロパイロットが装備されていないハイウェイスターXは除外。ハイウェイスターXプロパイロットエディションか、ハイウェイスターGターボプロパイロットエディションの2択になる。装備差は、Gターボが15インチアルミホイール、Xが14インチアルミホイール、Gターボが本革巻きステアリングホイールになる程度だ。
こうなると、エンジンが自然吸気かターボかという選択になる。お勧めは、ターボ車。新型ルークスは、背が高いため車重が重い。しかも、大人が3人以上乗ったりすると、自然吸気だと急な登り坂や高速道路などでは、ややアンダーパワーに感じるときがある。逆にターボは、なかなか力強く高速クルージングでも不満はない。街乗りだけというのであれば、自然吸気エンジンでも問題はないが、高速道路などを使いロングドライブする機会が多いなら、ターボ車の満足度は高くなる。
新型日産ルークスの値引き術
新型日産ルークスは、新型車のため、本当ならしばらくの間は値引き「ゼロ」ベースになる。しかし、消費税増税や新型コロナウイルスによる新車販売マーケットの低迷は致命的な状態。とにかく、クルマを売りたいが買い手がいない。
こうした状況は買い手が有利。ライバル車の見積りを取り、競合させれば、新型車とはいえ一定の値引きが期待できる。新型ルークスの場合、ホンダN-BOXやダイハツ タント、スズキ スペーシアと競合させたい。
まず先に、ライバル車の見積りを取り、商談中にライバル車の見積りがあることをアピールしよう。営業マンは、ライバル車から顧客を奪いたいと考えるので、値引き額を聞いてくるはず。値引き金額は伏せ「不況だから、随分頑張ってくれた」程度にして、煙に巻くとよい。そうなると、微々たる値引きを提示すれば、ライバル車に顧客を取られると判断して、それなりの値引き額が提示されるケースが多い。商談はじっくりと時間をかけ、徐々に値引き額を上乗せさせていくとよいだろう。
日産ルークス価格
■2WD
・S 1,415,700円
・X 1,546,600円
・ハイウェイスター X 1,734,700円
・ハイウェイスター X プロパイロットエディション 1,843,600円
・ハイウェイスター G ターボ プロパイロットエディション 1,932,700円
■4WD
・S 1,549,900円
・X 1,680,800円
・ハイウェイスター X 1,868,900円
・ハイウェイスター X プロパイロットエディション 1,977,800円
・ハイウェイスター G ターボ プロパイロットエディション 2,066,900円
■AUTECH 1,747,900円 2WD/1,882,100円 4WD
日産ルークス燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード ハイウェイスター G ターボ プロパイロットエディション
全長/全幅/全高 (mm) 3395/1475/1780
ホイールベース (mm) 2495
トレッド 前/後 (mm) 1300/1290
最低地上高(mm) 155
車両重量(kg) 1000
最小回転半径 (m) 4.8
燃料消費率(㎞/L) JC08モード 22.6 / WLTCモード 18.8
エンジン型式 BR06
総排気量 (㏄) 659
最高出力 (kW[PS]/rpm) 47[64]/5600
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 100[10.2]/2400-4000
モーター型式 SM21
最高出力 (kW[PS]/rpm) 2.0[2.7]/1200
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 40[4.1]/100
動力用主電池 種類 リチウムイオン電池
ミッション CVT
サスペンション形式 前/後 ストラット式/トーションビーム式
タイヤ 165/55R15
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