アウディA3新車情報・購入ガイドの目次
- アウディの基幹車種である新型A3。ライバルを超えられるか?
- シャープな造形で存在感を演出したエクステリアデザイン
- ついに、全幅1,800mmオーバー ! さらに大きくなったボディサイズ
- 加速するクルマ版SDGs! 環境にも配慮したインテリア
- スッキリとして、視認性が向上したインパネデザイン
- マイルドハイブリッド化されたパワーユニットを初採用
- プレミアムブランドなのに、一部の運転支援機能はオプション
- 310ps+quattroで、抜群の安定性をスポーツ性能に期待が高まるS3
- 新型A3「1st edition」は計625台の限定車
- 新型アウディA3シリーズのグレード選び。高額オプションが必須
- 新型アウディA3シリーズの値引きテクニックとは?
- 新型アウディ A3スポーツバック/セダンシリーズ価格(スポーツバック /セダン)
- アウディA3シリーズ、燃費、ボディサイズなどスペック
アウディの基幹車種である新型A3。ライバルを超えられるか?
アウディは、プレミアムコンパクトのアウディA3シリーズのハッチバックとセダンをフルモデルチェンジして2021年5月より販売を開始する。A3 40 TFSIモデルは、2021年秋発売予定だ。
アウディA3シリーズは、グループであるフォルクスワーゲン ゴルフとプラットフォーム(車台)など、多くの部分を共用したモデルだ。
引き続き横置きエンジン用プラットフォームの「MQB」を採用。各モジュールの共通化によりコストの削減を図り、キャビン骨格などボディの30%(重量比率)に熱間成型スチールを採用することで、高いボディ剛性と軽量化を両立。運動性能と居住性の両立と優れた安全性を実現している。その上で、アウディ独自のデザインや走行性能で差別化されている。
アウディA3が属するCセグメントは、世界最大のカテゴリーとも言われている。そのCセグメントにおいて、プレミアムコンパクトとして高い人気を誇るハッチバック/セダンモデルがA3だ。
日本市場では、FF(前輪駆動)化されたBMW 1シリーズやメルセデス・ベンツ Aクラスなどがライバルになる。かなりの強豪揃いである。
現行のアウディA3ハッチバックボディ(スポーツバック)は、2013年に第3世代として登場。セダンは、2014年に国内導入された。アウディらしいスタイルやインテリア、手頃なボディサイズで使い勝手が良く高評価を得ている。
しかし、モデル末期となるアウディA3シリーズの2020年(2020年1月~12月)の販売台数は、4,800台と輸入車モデル別では14位。2018年に登場したライバル車メルセデス・ベンツAクラスは、10,673台で2位。2019年にデビューしたBMW1シリーズは、12位で5,619台となった。
数値だけを見ていると、先代A3はAクラスには大差を付けられているものの、モデル末期ながら、1シリーズに対しては善戦しているといえる。
ただ、善戦しているとはいえ、アウディブランドの中で最も売れている車種。アウディの基幹車種であることを踏まえると、少々物足りない状況だった。それだけに、第4世代(セダンは第2世代)となるA3シリーズには、大きな期待がかかる。
新型アウディA3シリーズは、今回から新たなグレード構成とした。ベースグレードとAdvanced、S Lineの3種で展開となっている。
新型アウディA3シリーズは、スポーティなエクステリアデザインに高効率化エンジンを組み合わせた。サスペンションも、より走りを意識した方向性で進化させている。
また、デジタル化を進化した。操作系や各種ディスプレイに、インフォテイメントシステムやドライバーアシスタンスシステムなどの高機能化を図っている。走走行性能や安全性、使い勝手など全方位で進化を果たしている。
シャープな造形で存在感を演出したエクステリアデザイン
新型アウディA3のエクステリアデザインは、最新のデザインを取り入れて低くワイドなシルエットになっている。シングルフレームと、フロント部分の大型エアインテークやエッジの効いた特徴的なLEDヘッドライトにより、ダイナミックなキャラクターを演出。
ヘッドライトからリヤライトへとつながるショルダーラインは、往年の「アウディquattro」をイメージした。前後フェンダー付近に大きな膨みを持たせた造形のブリスターフェンダーと、彫刻的な凹面形状のドアパネルでサイドビューの凹凸による陰影で力強さを加えている。
立体的なデザインのリヤコンビネーションライトやフロントバンパー両サイドのエアインテークも個性を醸し出していて存在感がある。リヤバンパーにもフロントのエアインテーク形状を取り入れて、ワイド&ローなプロポーションをより強調している。
セダンではトランクリッドにスポイラー形状を採用。さらに、空気抵抗軽減のためにアンダーボディはパネルに覆われ、ドアミラーにも改善が加えられ、空気抵抗係数であるCd値は、スポーツバックが0.28、セダンは0.25と低く抑えられている。Cd値は、燃費にも大きく影響する。
ついに、全幅1,800mmオーバー ! さらに大きくなったボディサイズ
新型アウディA3スポーツバックのボディサイズは、従来モデルに比べて全長は+20mmの4,345mm(advancedの値)、全幅は+30mmの1,815mmで、室内空間は前席の高さで+7mm、横幅で+6mm、後席の横幅が+3mmと拡大して居住性を高めている。トランクルームの積載容量も380L(最大1200L)を確保している。
ただ、全幅がついに1,800mmを超えたことで、都市部に多い全幅1,800mm制限の立体駐車場が使えなくなった。
新型アウディA3セダンのボディサイズは、従来モデルに比ベ全長は+30mmの4,495mm(advancedの値)、全幅は+20mmの1,815mmで、全高は+20mmの1,425mm(advancedの値)。運転席のポジションを下げることで室内高は前席で+20mmとなり、横幅も広くなっている。トランクの積載容量は425Lでスポーツバックより大きい。
加速するクルマ版SDGs! 環境にも配慮したインテリア
新型アウディA3シリーズのインテリアは、センターコンソールをドライバー側に向けたコックピットデザインを採用。シフトスイッチもコンパクトな新形状を用い室内空間に広がりを感じさせるデザインで、ドライバーの空間を大事にしている。
シフトノブはリリースボタンを無くして、レバーを前後に動かすだけの単純な動作でシフト操作出来る。ドライバーのひと手間を無くしている。
また、新型アウディA3シリーズでは、環境に配慮した取り組みの一環として、S lineの標準シートのクロス部分にペットボトルを原料とした素材を採用。見た目と座り心地共にテキスタイル地と同等の性能と品質を確保している。
新型アウディA3の1台分のシートで、1.5 リッターのペットボトル最大45本分がリサイクルされている。さらに、フロアカーペットなどにも1.5リッターのペットボトルで62本分ほどを利用しており、インテリア以外(断熱材や吸収材、室内のドアやサイドパネル、トランクの床やマットなど)にもリサイクル原料の使用を進めている。
アウディでは、今後数年間でリサイクル素材の使用割合を大幅に増加させるという目標を掲げて環境負荷低減活動を行っている。持続可能性(サスティナビリティ)は、アウディの企業戦略の中心的な要素でもある。
アウディの自国であるドイツのリサイクル率は非常に高く、国民も環境に関しての関心は高いものがある。例えば瓶の色毎の分別回収や衣類の回収は地区ごとに回収場所があり、住民もしっかりと分別して協力している。
また、販売されているペットボトル、缶やビンなどには「Pfand」と呼ばれる制度で商品の価格にペットボトルの価格が上乗せされていて、スーパーなどの回収システムで返金されるシステムが整っている(ちなみにペットボトル1本あたり0.25Euroが返金される)。
スッキリとして、視認性が向上したインパネデザイン
新型アウディA3シリーズのメーターパネルには、10.25インチの高解像度液晶ディスプレイをインストール。その中には各種メーターやDIS(ドライバー・インフォメーション・システム)、ナビゲーション地図などの機能を統合して表示するアウディ・バーチャルコックピットがオプション設定される。
インストゥルメントパネル中央に埋め込まれた最新の10.1インチタッチスクリーン式「MIB3(モジュラー・インフォテインメントプラットフォーム)」は、スマートフォンをインターネットに接続するWi-Fiスポットを形成。
従来のハードウエアよりも最大10倍の処理速度で快適な情報取得を行い、MMI(マルチメディア・インターフェース)ナビゲーションシステムを搭載した情報インフォテイメントではスマートフォン同様にアイコン表示により直感的な操作で安全性にも配慮されている。現行アウディA3シリーズのダッシュパネル上に乗っかったものに比べると、センターコンソール周りも含めてスッキリとスマートである。
マイルドハイブリッド化されたパワーユニットを初採用
新型アウディA3シリーズに搭載される日本向けパワートレインには、2種類のターボエンジンが展開される。
「30 TSFI」モデルには、ついに1.0Lまでダウンサイジングされたターボエンジンである1.0 TFSIエンジンを搭載。最高出力110ps、最大トルク200Nmを発揮する。このエンジンに日本市場初導入されるベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)と、48Vリチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッドドライブシステムを組み合わせている。これにより、燃費を稼ぐと共に加速時にはモーターによるアシストで走行性能を高めている。
「40 TFSI」モデルには、2.0Lターボエンジンである2.0 TFSIエンジンを搭載。最高出力190ps、最大トルク320Nmを発揮する。これにquattro(4輪駆動システム)が組み合わされて、直進安定性や滑りやすい路面などでの走行性を向上させている。
トランスミッションは両エンジン共に、デュアルクラッチトランスミッションの7速Sトロニックを搭載。高効率で素早い変速によりスポーツ性や走行性の向上を図っている。
新型アウディA3シリーズのサスペンションは、「30 TFSI」はフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビーム。
「40 TFSI」はフロントが30TFSIと同じマクファーソンストラット、リアはウィッシュボーンの組み合わせにより、プレミアムコンパクトらしい快適な居住性と走行性を備えている。
プレミアムブランドなのに、一部の運転支援機能はオプション
新型アウディA3シリーズは、最新の安全技術と運転支援システムを採用してはいるが、最新のものはオプション設定なのが残念なポイントだ。
もはや、日本マーケットは、予防安全装備に関してとても重要視されている。歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備が軽自動車でも標準装備化されているほどだ。また、コンパクトカーでさえ、レーンキープアシストや全車速追従式クルーズコントロールは、ほぼ標準装備化されている状態だ。こうした機能は、ドライバーの疲労を軽減。同時に、安全性も大幅に向上させる。
しかし、新型A3は、プレミアムブランドながら、こうした機能を有するアダプティブクルーズアシストがオプション設定。少々、残念な仕様と言える。
310ps+quattroで、抜群の安定性をスポーツ性能に期待が高まるS3
新型アウディA3の高性能モデル「S3」は、スポーツバックとセダンに設定された。ボンネットの先端には、往年の アウディquattroを彷彿とさせるデザインのスリット、さらにハニカムパターンのシングルフレームグリルや大型のエアインテークを備えたフロントバンパー、専用デザインされたリヤディフューザー、左右4本出しのテールパイプなどにより、スポーティさに磨きをかけて、存在感をアピールしている。
新型アウディS3のインテリアは、黒を基調にしたスポーツシートでプレミアムスポーツの雰囲気を強調。メーターパネルには、12.3インチのバーチャルコックピットプラスが標準装備されている。
新型アウディS3に搭載される2.0Lターボエンジンである2.0 TFSIは、最大で1.8barの過給圧(相対圧)のターボチャージャーと350barの燃料噴射で、最高出力 310ps、最大トルク 400Nmを発揮。トランスミッションには、7速Sトロニックに、電子制御式油圧多板クラッチを用いた quattro を組み合わせてスポーツ性を高めている。
サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアにウィッシュボーンで、Audi A3に比べて車高を15mm低く設定。また、オプションで電子制御式のダンピングコントロールサスペンションを選択すれば、スポーツ性をさらに高める事が可能となる。
新型A3「1st edition」は計625台の限定車
新型アウディA3スポーツバックとセダンのエクステリアカラーには、アトールブルーメタリック、マンハッタングレーメタリック、パイソンイエローメタリック、ターボブルーの4つの新色が追加で用意された。アトールブルーとマンハッタングレーはベースとadvanced専用、ターボブルーはS lineとS3専用色となる。
また、今回は新型アウディA3モデルの日本導入を記念した「1st edition」のA3が500台、S3が125台のトータル625台を限定販売される。
・「A3 30 TFSI advanced」をベースに装備を充実させたモデルで、スポーツバックが375台(¥4,530,000)、セダンが125台(¥4,720,000-)、「S3スポーツバック」は125台(¥7,110,000)となった。
<レポート:河野達也>
新型アウディA3シリーズのグレード選び。高額オプションが必須
アウディA3シリーズは、まずアダプティブクルーズコントロール やレーンアシスト/アダプティブクルーズアシストなどの運転支援機能、MMI ナビゲーション、アウディコネクトなど、S3以外はオプションとなっている。これが、高額なパッケージオプション設定になっているため、車両価格は大幅にアップする。
例えば、A3 ラインにオプションのコンビニエンス&アシスタンスパッケージを装備すると、プラス42万円。このパッケージオプションは、下記の装備がプラスされる。
・シートヒーター(フロント)
・フロントシート電動調整機能
・ランバーサポート4ウェイ
・アドバンストキーシステム
・アダプティブクルーズアシスト
・サイドアシスト
・パークアシスト
・リヤビューカメラ
・アウディホールドアシスト
これでは、ナビなどが装備されていないので、ナビゲーションパッケージを選択し、MMIナビゲーションやバーチャルコックピットを装備すると、さらに26万円がプラスされる。
また、今時スマートフォントの連携は必須なので、テクノロジーパッケージを選択すると、スマートフォンインターフェース、ワイヤレスチャージング、リヤシートUSBが装備される。このオプション価格は6万円。
これだけで、ざっとプラス74万円が必要になる。Sラインの価格が389万円なので、合計463万円! となる。プレミアム系のライバル車と比べると、一見、安価に見えるが、ほぼ同等の価格になるので注意が必要だ。
お勧めグレードは、Sラインとなる。日本マーケットでは、こうしたスポーティな内外装をもつグレードの人気が高い。さらに、リセールバリューも高くなるので、乗り換え時にも大きなメリットになる。
新型アウディA3シリーズの値引きテクニックとは?
一般的に、輸入車は値引きしてくれないような印象があるが、むしろ逆。車両価格が高いこともあり、国産車よりも高額な値引きが出ることがある。
新型アウディA3の値引きは、新型車なのでしばらくはゼロベース。ただ、初期に輸入された在庫分が売り切り、さらにバックオーダーが無くなってくれば、徐々に値引きが始まってくるだろう。
そのタイミングで、メルセデス・ベンツAクラスやBMW1シリーズの見積りを取り、競合させれば値引き対応してくれる可能性は高い。こうしたライバル車としっかりと競合させなければ、わずかな値引きさえ引き出すことは難しい。
しかも、アウディにとってA3は台数を稼がなくてはならないモデル。お店レベルで見れば、ノルマ達成のため値引きしてでも売らなくてはならない状況になることはよくあることだ。
また、輸入車の場合、一定数を見込みで輸入する。そのため、どうしても顧客ニーズと合致せずに長期在庫などが発生するケースがある。こうした長期在庫車などは、ビックリするくらいの大幅値引き出ることがあるだ。値引き重視なら、こうした長期在庫車を狙うのもよい。
新型アウディ A3スポーツバック/セダンシリーズ価格(スポーツバック /セダン)
・30 TFSI 3,100,000円 / 3,290,000円
・30 TFSI advanced 3,460,000円 / 3,650,000円
・30 TFSI S line 3,890,000円 / 4,080,000円
・40 TFSI quattro advanced 4,400,000円 / 4,590,000円
・40 TFSI quattro S line 4,830,000円 / 5,020,000円
・S3 6,420,000円 / 6,610,000円
*40 TFSIモデルは、2021年秋の発売予定。
アウディA3シリーズ、燃費、ボディサイズなどスペック
ステアリング位置 右
全長x全幅x全高(mm) 4,504x 1,815 x 1,410
ホイールベース(mm) 2,635
定員(名) 5
エンジン型式 30 TSFI :DLA 40 TSFI :DNN
エンジン 30 TSFI :直列3気筒DOHC インタークーラーターボ 40 TSFI :直列4気筒DOHC インタークーラーターボ
総排気量(cc) 30 TSFI :999 40 TSFI :1,984
最高出力(kw[ps]/rep(EEC)) 30 TSFI :81〔110〕/5,500 4
0 TSFI :140〔190〕/4,200~6,000
最大トルク(Nm[kgm]/rpm(EEC)) 30 TSFI :200〔20.4〕/2,000~3,000 40 TSFI :320[32.6]/ 1,500~4,100
燃料消費率WTLCモード(国土交通省審査値)(km/L) 30 TSFI :17.9 40 TSFI : -
駆動方式 30 TSFI :前輪駆動(FWD) 40 TSFI :quattro:(4WD)
最小回転半径(m) 5.1
トランスミッション 7速Sトロニック
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