今夏、発売予定の新型eKクロスEVデビュー
三菱は、軽自動車のEV(電気自動車)である「eKクロスEV」の発売を2022年夏に開始すると発表した。新型三菱eKクロスEVは、楽天市場店でも発売される。
この新型eKクロスEVは、日産と三菱の軽自動車における合弁会社NMKVにより企画・開発が行われた。主にEVを得意とする日産が企画・開発、三菱が生産を担っている。これは、ベースとなるeKクロスやデイズが、元々EVも視野に入れたモデルだったからだ。
同時に発表された日産のEVは「サクラ」として、デイズ系とは異なる車名・デザインで登場。だが、パワーユニットやプラットフォーム(車台)はeKクロスEVと同じで姉妹車関係にある。
既存eKクロスのイメージを踏襲
外観デザインに関しては、日産と三菱の考え方が分かれた。サクラ独自のEVとしてのイメージを前面に押し出し、デイズとは全く異なるデザインとした。だが、新型eKクロスEVの外観デザインは、eKクロスは細部の変更のみとなった。
フェイスデザインは、ダーククロムメッキのグリルやLEDのフォグランプを採用。EVらしいクリーンなアレンジを加えた。
インパネデザインも基本にガソリン車と同じだが、電子制御セレクターレバーや7インチカラー液晶メーターを採用。液晶メーターの採用されたことで、やや先進感もアップ。メーター内の情報は、バッテリーステータスや電費、ナビゲーションなどを分かりやすく表示している。また、9インチスマートフォン連携ナビゲーションは、充電スポットや目的地までの推定電池残量などを表示する。
また、大幅に質感アップしたメーカーオプションのプレミアムインテリアパッケージを設定。ライトグレーベースの合成皮革と立体感のあるダイヤ柄エンボス加工を施したファブリックのコンビネーションとし、明るく上質感ある空間を演出。インパネ周りには、ソフトパッドを使用。各所にカッパー色のステッチをアクセントカラーを入れプレミアムな雰囲気にまとめている。
必要十分な航続距離180㎞!
搭載されたパワーユニットは、日産サクラと同じ。20kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載。航続距離は、十分な180㎞(WLTCモード)となった。
充電関連では、普通充電(AC200V/14.5A)と急速充電の2つの充電ポートを装備。充電時間は、普通充電約8時間で満充電、急速充電約40分で80%の充電が可能となる。
この駆動用バッテリーには、エアコン冷媒を用いた冷却システムを採用された。日産リーフでは、こうした冷却機能が無かったので、夏場にはとくにトラブルが発生した。こうした経験が新型eKクロスEVには生かされており、バッテリーの温度管理し、電池の温度上昇を制御することで、高速走行と急速充電を繰り返したとしても、高い充電量を維持することが可能になったという。
軽なのに激速!? 最大トルク195Nm!
驚くのは、モーター出力。軽自動車の自主規制上限の64psだが、突出しているのが最大トルク。新型eKクロスEVでは、なんと195Nmをアプトプット。自然吸気ガソリンエンジンなら、2.0L級。eKクロスのターボ車でさえ100Nmなので、ターボ車の約2倍の最大トルクを誇る。しかも、モーターの特性上、アクセルを踏んだ瞬間から、195Nmを発生するので、eKクロスEVがどれほどの力強い加速をするのか想像できるだろう。
新型eKクロスEVのドライブモードは「Eco」「Standard」「Sport」の3つから選択可能。また、アクセルオフ操作と回生ブレーキの強弱をコントロールし、アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできるe-Pedal Stepの搭載。加減速を繰り返す市街地走行では、アクセルとブレーキの踏みかえ回数が大幅に減り、疲労軽減にも貢献する。
補助金頼みの価格設定
新型eKクロスEVのグレードは、シンプルな2グレード設定。エントリーグレードはGで、2,398,000円。上級グレードのPは2,932,600円。この価格だけを見れば、かなり高価な軽自動車になる。
ただし、国から55万円もの補助金が出る(三菱HPから)。それでもPグレードでは、約240万円となり、まだまだ高価。ただ、さらに東京都では60万円もの補助金が出るという。これで、約180万円になり、ようやく高価格帯の軽自動車並みになる。
新型eKクロスEVに限ったことではないが、これだけの金額がコロナ禍においてもEVを買う人だけに補助されているということに、やや疑問が残る。
しかも、装備の充実したPグレードにおいては、これだけの補助金が出てもガソリン車(eKクロスターボ車)よりも安価になっていない。せめて、これだけの補助金が出ているのであれば、ガソリン車より安価な価格にして、より普及を急加速させるような価格設定に期待したいものだ。まだまだ、EVの普及は補助金頼みの感が強いものの、自動車メーカー側もより戦略的価格設定にも期待したい。
新型三菱eKクロスEVのグレード選び
新型eKクロスEVのグレード感価格差は、約53万円となった。大きな装備差は、ヒーテッドドアミラーやルーフスポイラー、ステアリングヒーター、ナビ、ETCユニット、運転席&助手席シートヒーター、三菱コネクト、SOSコール、15インチアルミホイールなどだ。
やや高い感じもあるが、せっかく最新のEVを買うのであれば、欲しい機能ばかり。やはり、新型eKクロスEVは上級グレードのPがお勧めだ。ただ、このPグレードでも、高速道路などで同一車線内を維持しながら全車速で前走車に追従走行するマイパイロットがオプション設定なので、この装備を選ぶとさらに高価になる。
三菱eKクロスEV価格
・eKクロスEV G 2,398,000円
・eKクロスEV P 2,932,600円
*令和4年度「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」 550,000円
三菱eKクロスEV電費、充電時間、ボディサイズなどスペック
全長 x 全幅 x 全高(mm) 3,395×1,475×1,655
ホイルベース(mm) 2,495
最小回転半径(m) 4.8m
定員(名) 4
駆動方式 前輪駆動(FWD)
総電力量(kWh) 20.0
総電圧(V) 350
モーター最大出力(kw/rpm) 47(64ps)/2,302-10,455rpm
モーター最大トルク(N・m/rpm) 195/0-2,302rpm
一充電走行距離WTLCモード(km) 180
充電時間 普通充電:8時間(バッテリー残量警告灯点灯位置~100%) 急速充電:約40分(バッテリー残量警告灯点灯位置~80%)
サスペンション(前/後) ストラット式/トルクアーム式3リンク
タイヤサイズ 165/55R15
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