300psのエンジンを搭載した超俊足コンパクトSUVがSQ2
アウディは、コンパクトSUVであるアウディQ2のスポーツ性能を大幅に高めたアウディSQ2の発売を開始した。
SQ2のネーミングは、アウディのルール通り。数字の“2”はアウディのラインナップの中で、下から2番目のサイズであることを意味し、“Q”はアウディのSUV系モデルに使われる英字で、“S”はスポーツモデルを意味する。Sを超えるスポーツ性能を持つモデルには“RS”が使われるが、Q2のRS版はまだ設定されていない。
ベースとなるアウディQ2は、ユニークな外観デザインとアウディらしい走行性能で好評を得てきたモデル。このQ2に直列4気筒2.0Lの高性能なインタークーラー付きターボ仕様エンジンを搭載し、フルタイム4WDのクワトロの駆動方式と組み合わせて搭載したのがアウディSQ2だ。
自然吸気V8 4.0L級の大トルク400Nm!
SQ2のエンジンは、2.0L直4ターボで221kW(300ps)/5300~6500rpmの最高出力と、400N・m/2000~5200rpmの最大トルクを発生する。標準のQ2に搭載されるのは、直列3気筒1.0Lまたは直列4気筒1.4Lのインタークーラー付きターボ仕様エンジンで、それぞれ110kW/250N・m、85kW/200N・mのパワー&トルクだから、アウディSQ2が拡大に高い動力性能を発生し、卓越した走行性能を発揮するモデルであることが良く分かる。
このエンジンには、吸排気の両側に可変バルブタイミング機構を備え、かつ排気側にはアウディのバルブリフトシステム(AVS)を採用している。これによって、2000~5200rpmの幅広い回転数域にわたって400N・mの最大トルクを発生し続ける。
400N・mという数値は、ターボではない自然吸気仕様のエンジンであれば、V型8気筒4.0Lに相当するくらいの実力である。コンパクトなSQ2のボディに対して余裕ある動力性能というよりは、かなりホットな動力性能といえる。
FFからクワトロ化され、トラクション性能も大幅向上
当然ながら、これだけの動力性能を路面に伝えようとする、Q2のようなFF(前輪駆動)ではトラクションが足らず、フルタイム4WDのクワトロが必要になる。アウディの伝統的な技術であるクワトロと、スポーティな味付けを施されたSスポーツサスペンションによって、動力性能は余すところなく路面へ伝達され、0-100km/hの加速はわずか4.8秒(欧州計測値)とされている。また最高速は250km/h(電子制御リミッター作動)に達する。
SQ2のサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リアはクワトロに対応するためにマルチリンク式を採用。運動性能を高めたSスポーツサスペンションと、SQ2専用にギアレシオをクイックにしたプログレッシブステアリングが組み合わされる。
SQ2に搭載されたツインクラッチの7速Sトロニックは、アウディ・ドライブセレクトで効率モードが選択されているときには、適宜クラッチを切り離してコースティング走行(滑走)を行ない、燃費向上に貢献する。
クワトロシステムは、センターデフとして電子制御多板クラッチを備える本格的な方式で、前後トルク配分を適切にコントロールする。前輪がグリップを失うとわずか数ミリ秒でクラッチを締結し、リアに駆動力を伝える。スポーティなドライビング中には、ドライバーが操舵した瞬間には四輪駆動状態へと移行し、滑りやすい路面でも良好なコントロール性を発揮する。
また、ホイール・セレクティブ・コントロールが、コーナー内側のホイールに軽いブレーキをかけることで、スムーズなハンドリングに貢献する仕組みも備えている。
スポーティさの中にアウディらしい上質さがあるインテリア
SQ2のボディカラーには、デイトナグレーやクワンタムグレーなどアウディQ2シリーズの中ではSQ2のみで選択可能なカラーを含めた全8色の設定。
インテリアは、標準がクロス/レザー仕様で、オプションとしてファインナッパレザー、そしてSQ2らしさを強調するSQ2インテリアデザインパッケージが選べる。これは、ファインナッパレザーのシートセンター地に、ロックグレー ステッチを施したマグマレッドを採用しており、さらにエアコン吹き出し口に付くレッドアクセントリング、マルチカラーアンビエントライティングを組み合わせたものだ。上質感とスポーティさを見事に統合したインテリアだ。
価格は、なんと約600万円!
SQ2のベースとなるQ2は、フォルクスワーゲン ポロのプラットフォームを使ったコンパクトSUV。フォルクスワーゲン Tクロスも同様だ。見た目が違うとはえ、同じようなクルマなので、なかなか差別化は難しい。
今のところSQ2はTクロスに対して、ハイパワー直4エンジンとクワトロの組み合わせで、上手く差別化できている。ただ、基本骨格は同じなので、Tクロスにも同じ仕組みが使える。TクロスにSQ2と同じエンジンと4WDシステムが搭載されれば、恐らくSQ2より安価な価格設定になるだろう。SQ2の価格は約600万円。その価値は、Tクロスの今後の展開次第で、大きく変わりそうだ。
アウディSQ2価格
SQ2 5,990,000円
アウディSQ2燃費、ボディサイズなどスペック
全長×全幅×全高(mm) 4,220×1,800×1,525
ホイールベース(mm) 2,595
トレッド:フロント/リヤ(mm) 1,545/1,540
最低地上高(mm) 175
車輌重量(kg) 1,570
トランク容量(L)VDA値 355
乗車定員(名) 5
駆動方式 quattro(4WD)
性能 最小回転半径(m) 5.1
WLTCモード(km/L) 11.6
エンジン型式 DNU
総排気量(cc) 1,984
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
最高出力(kW(PS)/ rpm) 221(300) / 5,300-6,500
最大トルク(Nm(kgm)/ rpm) 400(40.8) / 2,000-5,200
燃料タンク容量(L) 55
使用燃料 無鉛プレミアム
トランスミッション 7速 Sトロニック
サスペンション フロント/リヤ マクファーソンストラット/ウィッシュボーン
タイヤサイズ 235/45 R18
ブレーキ フロント/リヤ ベンチレーテッドディスク/ディスク
【関連記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
- 2024 バンコク国際モーターショーレポート 三菱編【BLOG】
- 【動画】トヨタ カローラクロス試乗レビュー コストパフォーマンスに優れた純ガソリン車【トヨタ】
- 三菱トライトン試乗記・評価 ピックアップなのに快適!?【三菱】
- 【動画】ホンダ ZR-V 試乗レビュー SUVとは思えない軽快なハンドリグと快適な乗り心地【ホンダ】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!