走りの質だけを追い求める時代は、もう終わり! 燃費との両立がBMWの回答【BMW 1シリーズ新車情報】 [CORISM]
走りの質だけでは生きていけない時代の回答は、小排気量エンジン+ターボの組み合わせ
今回のフルモデルチェンジでの最大の特徴は、今まで主流だった2Lエンジンから1.6Lターボ付きエンジンへとシフトされたことだ。VWのTSIを代表とするヨーロッパ車のエンジンは、着実にダウンサイジング化へ進んでいる。ハイブリッド化技術が進まない欧州勢にとって、CO2の排出量や燃費を考えると、短期的にはダウンサイジング化がもっとも効果的な手法だ。
BMWは走りの楽しさを追求するメーカーとして、ブランディングを推し進める。そのため、エンジンにもこだわり続けている。しかし、日本国内でダウンサイジング化やエコカー減税対象車の認定などで遅れをとっていたのは事実。走りやスタイルが良いからBMWを選ぶという、単純な時代ではない。そんなBMWだが、満を持してというべきか、ついにこの1シリーズから1.6Lの最新エンジンへシフトされることになる。走りの質にこだわるBMWだけに、単に低燃費エンジンということではないだろう。それだけに、期待値は高い。この新型BMW1シリーズは、走りの質と環境性能を両立した新時代を語るBMWの代表作ともいえるだろう。当然、今後注目される新型BMW3シリーズにも、このエンジンが搭載されることが予想される。
搭載されるエンジンは、1.6L直列4 気筒DOHC BMWツインパワー・ターボ・エンジンのみ。このエンジンを基本に、116iと120iに分けられる。チューニングの違いで116iは、100kW(136ps) / 4,400-6,450rpmのパワーと220Nm(22.4kgm) / 1,350-4,300rpmのトルク。120iは125kW(170ps) / 4,800-6,450rpmのパワーと250Nm(25.5kgm) / 1,500-4,500rpmのトルクを発生する。1.6Lエンジンながら、2.2~2.5Lクラス程度のパワーとトルクを持っている。
また、環境性能が大幅にアップしたことにより、全モデルが75%エコカー減税対象モデルとなった。燃費も約25%と、こちらも大幅に向上。10・15モード燃費は、116iで17.6km/Lで120iが17.2km/Lとなった。両車ともアイドリングストップ機能が標準装備されている。
8速ATを搭載した小さな高級車だが、価格は控えめな上昇
デザインは、BMWの特徴とも言えるかもしれないが、最初はなかなか馴染みにくシルエット。しかし、見慣れてくると意外とカッコよく見てくるから不思議だ。
そして、このクラス唯一のFR車であるだけでなく、なんと8速ATが搭載されている。2クラス上の5シリーズ並みの高級ATだ。当然、ボディが大きくなり豪華な8速ATを装備すれば、車重は重くなる。しかし、新型1シリーズは前モデルに比べ約10kg程度しか重くなっていない。徹底したボディの軽量化も行われている。
こんな新型エンジンに8速ATを搭載した小さな高級車である1シリーズだが、価格の上昇もわずかに抑えている。先代モデルの116iが299万円からだったのに対し、新型は308万円から。最近の超円高という背景もあるが、なかなか魅力的なプライスだ。
代表グレード | BMW 1シリーズ 120i |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,335×1,765×1,440 |
車両重量[kg] | 1,420kg |
総排気量[cc] | 1,598cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 170ps(125kw)/4,800-6,450rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 25.5kg-m(250N・m)/1,500-4,500rpm |
ミッション | 8速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 17.2km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 367.0万円 |
発売日 | 2011/9/22 |
レポート | 編集部 |
写真 | BMWジャパン |
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