クーペルックのSUVが新型X2!
BMWは、コンパクトSUVである新型BMW X2の発売を開始した。
BMWは、偶数をクーペ系のモデルに使っている。今回の新型X2は、X1をクーペルックにしたモデル。SUVの機能性に、スタイリッシュなスタイルという価値をプラスした都会派SUVといえる。BMWでは、こうしたモデルをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼んでいる。
SUVなのに、ワイド&ローで塊感あるデザイン
新型BMW X2のデザインは、かなりワイド&ローなフォルムを強調した塊感あるデザインになっている。ボディサイズは、全長4,375×全幅1,825×全高1,535mm。このサイズは、ベースとなるX1より全長が-80㎜、全幅+5㎜、全高-75㎜となっている。ホイールベースは、2,670㎜と変更はない。このボディサイズからも、かなり全高が低く全長が短いモデルだということが分かる。
単に全高が高いだけでなく、Aピラー(柱)はかなり傾斜されており、各ウインドウは小さい。前下がりのウェッジシェイプラインであることもあり、もはやSUVなのか? と、思えるほどスポーティなシルエットをもつ。ボディも面の張りが強く、マッスル感があり力強さもアピール。かなり、塊感のありドッシリした印象が強い。Cピラーには、歴代BMWクーペの名車を彷彿とさせるBMWブランド・ロゴが入っている。この手法は、近年採用されていないデザインだ。リヤビューには、なんと直径90㎜もある大型エキゾースト・テールパイプが装備され、スポーティさも強調している。
これだけスポーティなデザインながら、最低地上高は十分な180㎜を確保。かなり下部に対してボリュームのあるフロントバンパーデザインなので、どこまで本格的なオフロードの走行が可能なのか不明だが、一定の走破性は確保されていそうだ。
インテリアは、水平基調のデザインが採用されており、広さを感じさせる。基本的には、X1と同じ。X1より、ややスポーティな加飾が施されている。
ガソリンエンジンしかない! 燃料費の安いディーゼルは必須!
新型BMW X2に搭載されるエンジンは2タイプ。X2 sDrive18iは、直3 1.5Lターボが搭載され、140ps&220Nmを発揮。燃費は15.6㎞/L。このモデルは、FF(前輪駆動)になる。ミッションは7速DCTだ。
そして、X2 xDrive20iには、直4 2.0Lターボが積まれ192ps&280Nmをアウトプットする。燃費値は14.6㎞/Lとなっている。このエンジンと組み合わされるミッションは8速ATだ。
両エンジン共に、出力は十分だが燃費値は、もうちょっと向上してほしい数値となった。
xDriveは4WDで、ステアリングの角度やホイールの回転速度などの車両データから、オーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知。瞬時に前後アクスルへの駆動トルクを可変配分し、高い走行安定性を実現する。
残念なのは、ディーゼルエンジンやPHEVなどの設定が無いことだ。BMWは、こうしたクーペルック系のモデルには、ガソリン車しか導入しない傾向がある。BMWの説明によれば、こうしたモデルを選ぶ顧客は、ガソリン車を選ぶ傾向が強いためだという。しかし、日本マーケットはハイオクガソリンと軽油の価格差が30円/L以上も違う。しかも、今後、ガソリン価格の上昇が続けば、燃料費に対する意識もさらに変わる。X2にも燃料経済性に優れるディーゼルエンジンの設定が欲しいところだ。
また、PHEVは価格が高くなり、コンパクトセグメントでは売れないという見方が強い。しかし、日本はちょっと特殊で充電環境も整備されていて、ハイブリッド車の人気が非常に高い。電動モデルに対しての注目度は高い。とくに、日常的に使うコンパクトモデルこそ、環境に優しく燃料コストも安くなるPHEVモデルが必要だろう。
400万円以上のクルマとしては、安全装備が物足りない。でも、コネクティッド系は充実
新型BMW X2の安全装備は、ドライビング・アシストが標準装備化されている。ドライビング・アシスタントは、歩行者検知式自動ブレーキやレーン・ディパーチャー・ウォーニング などをパッケージ化。ただ、この程度の安全装備は、もはや軽自動車でも当たり前となっている。この価格帯の安全装備としては、物足りない。レーン・ディパーチャー・ウォーニング は、警報だけで車線維持機能はなく、全車速追従式クルーズコントロールもオプション設定だ。
クルマとして本来必須である安全性能は、少々物足りないが、流行りのコネクティッド系は充実。BMWコネクテッド・ドライブを標準装備した。若い世代にX2を買ってもらいたいというBMWの思惑を感じ取れる。この機能は、深刻な事故が発生した際、車両から自動的にSOSコールを発信するBMW SOSコールや、車両故障などに迅速な対応が可能なBMWテレサービスが用意されている。
さらに、スマートフォンを利用して車両を遠隔操作できるBMWリモート・サービス。スマートフォン専用アプリ「My BMWリモートApp」を使い、車外からベンチレーションを起動させたり、ドアのロックやロック解除が行え、パソコンやスマートフォンで事前に検索した目的地情報を車両に送信し、ナビゲーションに設定することも可能だ。
さらに、BMW専用アプリ「BMW Connected」を使うと、車内のコントロール・ディスプレイとiDriveコントローラーを利用して専用アプリ内の様々なコンテンツを愉しむことができる。例えば、Twitterの更新情報を車内のコントロール・ディスプレイで確認ができ、テキストの読み上げ機能を使えば、運転中でも投稿を音声で聞くことが可能だ。
BMW X2のグレード選び
BMW X2のグレード選びは、選択肢が少ない割に悩ましい。X2には、2タイプのエンジンしかない。1.5Lターボと2.0Lターボだ。エンジンの出力は、1.5Lも2.0Lも十分なのだが、1.5LはFFの設定しかないのだ。1.5Lでも十分で4WDのxDriveが欲しいという人は、高価な2.0Lを買うしかない状態。
グレードは、 標準車とM Sportを用意。標準車のFFとxDriveの価格差は38万円。M SportのFFとxDriveの価格差は34万円になる。排気量がアップし、4WDのxDriveとオートマチックテール、シートヒーターなどが付いて、この程度の価格差であれば、意外とお買い得な状況。逆にFFモデルの買い得感が低い印象だ。
ところが、このxDriveによる価格差以上に大きいのが、M Sportと標準車の価格差。1.5Lだと標準車とM Sportの価格差は、なんと45万円。2.0Lになると、41万円になる。
M Sportにすることによる装備差は、Mスポーツサスペンションに19インチホイール、Mスポーツ専用エアロパーツ類など。やはり、Mスポーツの外観デザインや、やや硬めに設定された専用サスペンションによるスポーティな走りは魅力的だ。
また、国内において、Mスポーツの人気は非常に高い。そのため、Mスポーツのリセールバリューは圧倒的に高く、標準車との差は大きくなる。短期での乗り換えというのであれば、やはりMスポーツを選択するしかない。
予算にもよるが、xDriveにすると2.0Lになり、装備も良くなり価格差以上の買い得感があるのでxDriveは必須。リセールバリューやルックスを考えるとMスポーツも必要となると、BMW X2のお勧めはxDrive20i M Sport Xで、価格は5,150,000円になる。
香取慎吾出演! 新型BMW X2スペシャル・コンセプト・ムービー「UNFOLLOW~THE ALL-NEW BMW X2 meets Shingo Katori~」
https://youtu.be/oJzONcm7Pso
BMW X2価格
BMW X2 sDrive18i M Sport X 4,810,000円
BMW X2 xDrive20i 4,740,000円
BMW X2 xDrive20i M Sport X 5,150,000円
BMW X2燃費、ボディサイズ、スペックなど
■BMW X2 sDrive18i
全長4,375mm、全幅1,825mm、全高1,535mm、ホイールベース2,670mm、車両重量1500kg、車両総重量1775kg、排気量1498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力140PS(103kW)/4,600rpm、最大トルク220Nm/1,480-4,200rpm、燃料消費率15.6km/L
■BMW X2 xDrive20i
全長4,375mm、全幅1,825mm、全高1,535mm、ホイールベース2,670mm、車両重量1620kg、車両総重量1895kg、排気量1998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力192PS(141kW)/5,000rpm、最大トルク280Nm/1,350-4,600rpm、燃料消費率14.6km/L。
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