7年ぶりのフルモデルチェンジとなったシトロエンC4。前モデルは、いかにもシトロエンらしい柔らかな曲線を使ったシルエットが特徴的だった。ヘッドライトまわりにシャープさを残すものの、全体的におっとりとした癒し系な雰囲気を放っていた。
　新型になったシトロエンC4は、先代のモデルのイメージを残しつつも、全体的にシャープさを前面に出したシルエットが印象的。塊感をしっかりと出し、ちょっとVWっぽくカッチリとまとめ上げられている。ちょっと個性が減り、シトロエンらしくないといえばらしくないが、ヨーロッパ全域で売るとなると、これくらいコンサバな方が確実なのかもしれない。シトロエンC5あたりから、コンサバ系がシトロエンのデザイントレンドになってきているようだ。
　今回のモデルチェンジでは、実用性や安全装備が大幅に向上した。ラゲッジルーム容量は380ℓでクラス最大級。ワンタッチで後席シートバックを折り畳める6：4分割可倒式シートを倒せば 1.5m を越す長尺物の積載も可能となった。
　ひとクラス上のクルマのような充実した安全装備も魅力のひとつだ。斜め後方の死角に入った車両を超音波センサーで検知し、ドアミラー内のランプで知らせるブラインドスポットモニター
システムを搭載。坂道での発進を容易にするヒルスタートアシスタンス、縦列駐車が可能なスペースがあるかを知らせるパーキングスペースセンサー、フロントソナー＆バックソナー、滑りやすい路面でのホイールグリップを最適化するインテリジェント・トラクションコントロールなど、1.6Lターボエンジンを積むエクスクルーシブに標準装備する。
　グレードは、1.6リッター120馬力を発生し、4ATのセダクション（256万円）と、1.6Lターボエンジンを搭載し156馬力を発生、6速EGS（エレクトリックギアボックスシステム）と組み合わされるエクスクルーシブ（299万円）の2タイプが用意される。
　今までのシトロエンと違い、少々コンサバ系になったことで、国産コンパクトからも違和感なく乗り換えられそうになったシトロエンC4。人とはちょっと違うクルマが欲しいと思っているのなら、一度じっくりとチェックしたい1台になるだろう。