高価だが唯一無二の存在価値があるフリードに、ハイブリッドモデルを追加【ホンダ フリード/フリード スパイク ハイブリッド新車情報】

想像以上に高価なフリード ハイブリッド。プリウスαより、割高か?
ホンダは5ナンバーサイズのコンパクトなミニバン「フリード」と、遊び心あふれる優れたユーティリティ性能を誇る「フリード スパイク」に、ホンダ独自のIMAハイブリッドを搭載。同時にガソリン車もマイナーチェンジして、発売を開始した。
ホンダのフリードは、日本マーケットにジャストフィットするコンパクトなボディサイズに6&7人乗とという多人数乗車を実現。コンパクトカーの利便性と、いざというときには多人数乗車ができるよフレキシブルな便利さで人気を得ていた。また、このクラスでミニバンは、オンリーワンの存在だ。
そのフリードの利便性を積載能力に特化し、遊び心を加えたのがフリード スパイクだ。フリードの多人数乗車分のスペースを完全にユーティリティスペースとして活用。反転フロアボードと呼ばれる床を自在にアレンジ。なんと24通りの空間を作り出した。
そんな理由により、フリードシリーズは、国内ホンダの販売台数を支えるフィットに次ぐ重要な存在。昨年の7月にフリードスパイクを追加後は、なんと1万台以上を販売するほどに成長した。
しかし、時代は確実に低燃費化に進んでいる。コンパクトとはいえ、背の高いフリードは、大きくなる空気抵抗やボディ重量が増え、燃費ではどうしても不利になる。さらに、このクラスの存在はステップワゴンやエリシオンなどの上級ミニバンなど、ホンダのダウンサイザーの受け皿としても重要な役割を果たす。そこで、必要だったのがハイブリッドという記号性と低燃費だったのだ。
また、ホンダのハイブリッドIMAは、構造がシンプル&軽量ということでコンパクトカーとのマッチングもいいし、スペースの制約も少ない。そういう意味では、フリードシリーズには、まさにちょうどいいハイブリッドシステムといえるかもしれない。
搭載されるエンジンは、フィットの1.3LではなくスポーツカーCR-Zと同じ1.5LのハイブリッドシステムIMAを採用。燃費追求なら1.3Lでもいいのだが、車重もあるフリードシリーズの走行性能などを考えると1.5Lが使いやすいと判断されたのだろう。
燃費も頑張った。1160Kgの1.5Lを積むCR-Zが10・15モード燃費で25km/L。対してフリードは、1400kgで24km/L。車重が240kg増え、CR-Zより空気抵抗も多いのにもかかわらず、燃費ダウンのわずか1km/Lは立派といえる。
ホンダがフリードに力を入れるのには、ワケがある。フリードはコンパクトながら、売れ筋グレードは200万円を超える。ベースをフィットと共用しながらも、価格はそれなりに高価なのだ。つまり、ドル箱車種でもあるということだ。フリード ハイブリッド ジャストセレクション7人乗りが約233万円。ひとクラス上のストリーム1.8RSZが209万円。ステップワゴンGスマートスタイルエディションが234万円だ。多少装備が違うものの、フリードがどれだけドル箱車種であることが分かると思う。
価格的には、プリウスαがライバルになる。フリードスパイクのハイブリッドジャストセレクションの価格は229.5万円。プリウスαのSが250万円。フリードスパイクは、サイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグがオプションであることを考えると、ほぼ同等の価格帯。ボディサイズでは、プリウスαがひとクラス上だ。燃費はプリウスαが31km/Lで、フリードスパイクハイブリッドが24km/Lと大差でプリウスαの勝ちである。フリードシリーズのハイブリッドモデルは、それだけ高価だということを理解しておかなくてはならない。ハイブリッド系を購入するときには、プリウスαやプリウス、そしてフィットシャトルなどとも装備や使い方、燃費、価格をジックリと比べて購入することをオススメする。
<フリード ハイブリッド/フリード スパイク ハイブリッドの主な特長>
・クロームメッキ+クリアブルー塗装を施したハイブリッド専用フロントグリルやメッキ+クリアブルーのヘッドライトガーニッシュなど、先進的でクリーンな印象を与えるエアロフォルムの専用エクステリアデザイン
・ハイブリッド車ならではの専用デジタルメーターや、低燃費運転の状況を表示するアンビエントメーター
・ホンダ独自の軽量コンパクトなシステム「1.5L i-VTEC+IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」を搭載。JC08モード走行燃料消費率21.6km/L、10・15モード走行燃料消費率24.0km/Lの低燃費性能
・ECONモードとさらなる実用燃費の向上を目指してドライバーの低燃費運転を支援するエコアシスト(エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム)を標準装備
・遮音機能付ガラス(フロントウインドウ)や吸音・遮音材などにより高い静粛性を実現
・安定した走りで運転にゆとりをもたらすVSA(車両挙動安定化制御システム)や、ヒルスタートアシスト機能を標準装備
・全席に、3点式ELRシートベルトを標準装備
・IMAバッテリーの搭載によるフロア高の上昇をシート脚部の見直しにより抑え、ガソリン車と同じ居住空間を実現(フリード ハイブリッド)
・全タイプで3列目シートを2席とすることで一人ひとりの占有スペースを拡大(フリード ハイブリッド 6人乗り、7人乗り)
・IMAバッテリーの搭載によるフロア高の上昇を反転フロアボードの高さの見直しにより抑え、フルフラットモード時には従来と同じ荷室空間を実現(フリード スパイク ハイブリッド)
■フリード ハイブリッド価格
・ハイブリッド6人乗り 2,149,000円
・ハイブリッドジャストセレクション 6人乗 2,295,000円 7人乗 2,326,500円
■フリード スパイク ハイブリッド価格
・ハイブリッド 2,149,000円
・ハイブリッド ジャストセレクション 2,295,000円
<フリードの主要変更点>
・全タイプで3列目シートを3席から2席へ変更し、一人ひとりの占有スペースを拡大(6人乗り、7人乗り)
・アームレストをタイプ別に設定
・安定した走りで運転にゆとりをもたらすVSA(車両挙動安定化制御システム)や、ヒルスタートアシスト機能を標準装備
・全席に、3点式ELRシートベルトを標準装備
・メッキ+クリアのリアコンビネーションランプ(LEDストップランプ&LEDテールランプ)を採用
・スタイリッシュなクローム調ヘッドライトガーニッシュを採用(G/G・ジャストセレクション)
・精悍な印象の専用フロントグリル(クロームメッキ)やダーククローム調のヘッドライトガーニッシュ、ワイド感を強調するエアロフォルム・バンパー(フロント/リア)を採用(Gエアロ)
■フリード価格
・G 6人乗り FF 1,698,000円
・Gジャストセレクション 7人乗り FF 1,881,500円
・Gエアロ 7人乗り FF 2,131,500円
<フリード スパイクの主要変更点>
・運転席にアームレストを標準装備し、助手席アームレストは、タイプ別に設定(G・ジャストセレクション、Gエアロ、ハイブリッド・ジャストセレクション)
・安定した走りで運転にゆとりをもたらすVSA(車両挙動安定化制御システム)や、ヒルスタートアシスト機能を標準装備
・全席に、3点式ELRシートベルトを標準装備
・全タイプに「ECONモード」を標準装備し、JC08モード走行燃料消費率16.6km/L、10・15モード走行燃料消費率17.0km/Lの低燃費を実現
■フリード スパイク価格
・G FF 1,698,000円
・Gジャストセレクション FF 1,850,000円
・Gエアロ FF 2,100,000円
代表グレード | ホンダ フリード ジャストセレクション7人乗り |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4215×1695×1715mm |
車両重量[kg] | 1400kg |
総排気量[cc] | 1496cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 88ps(65kw)/5400rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 13.5kg-m(132N・m)/4200rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/l] | 24.0km/l |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 232.65万円 |
発売日 | 2011/10/28 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
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