ホンダ ステップワゴンシリーズは、日産セレナやトヨタ ヴォクシー＆ノアなどと同じクラスに属する5ナンバーサイズのミニバン。2009年10月にフルモデルチェンジし、一時は販売台数ナンバー1を獲得するなどの人気ミニバンとなった。2012年4月にはマイナーチェンジが施され、新開発CVTやアイドリングストップシステムなどが全タイプに採用され、クラストップレベルの低燃費性能を得ている。また、クラス最大級の室内空間やクラス唯一の3列目床下格納シートも評価も高く評判もよい。

　今回の特別仕様車は、、ステップ ワゴン スパーダのSタイプをベースに、人気の高い両側パワースライドドアなどを装備したS特別仕様車「パワーエディション」「インターナビ パワーエディション」の2タイプを設定。装備を高めながらもお買い得感のある価格設定としている。

　Sグレードが2,498,000円に対して、Sパワーエディションが2,548,000円。両側パワースライドドアとスライドドア・イージークローザー（左右）が、プラス装備されて5万円のアップとなっている。5万円アップの装備としては、多少割安感がある程度で特別安いというわけではない。ステップワゴン スパーダの場合、Sグレードより上で、両側パワースライドドアが装備されているZグレードを選ぶと2,678,000円になる。装備が充実するものの18万円も高価だ。Sグレードでも装備は必要十分なのだが、人気の装備であるパワースライドドアが無かった。ホンダ的には、250万円を切るエントリーグレードの割安感をアピールしたかったためなのか、なんとも微妙な装備となっていた。5万円アップでパワースライドドアが装備されれば、予算に厳しい顧客とっては、非常に買いやすい設定となった。

　また、当然、ライバル日産セレナへの対応策としての一面もある。日産セレナ ハイウェイスター S-HYBRIDの価格は2,598,750円。若干装備差があるとはいえ、Sパワーエディションが2,548,000円と約5万円安く、セレナではオプションとなる両側パワースライドドアが装備されている。日産セレナより、お買い得感があることもアピールしている。燃費＆販売台数ナンバー1の座を日産セレナに奪われたホンダ ステップワゴン スパーダの反撃だ。

　衰退する日本マーケットにおいて、5ナンバーミニバンは人気ジャンル。さらに、高価なクルマなので、メーカー側の利益も高く、そのため各社がしのぎを削るクラスでもある。この激しい戦いは、我々顧客側にはメリットが大きく、より良いクルマが手に入ることにもつながるので歓迎したい。

●ステップ ワゴン スパーダ S特別仕様車＜パワーエディション＞の特別装備
・両側パワースライドドア
・スライドドア・イージークローザー（左右）

●ステップ ワゴン スパーダ S特別仕様車＜インターナビ パワーエディション＞の特別装備
・両側パワースライドドア
・スライドドア・イージークローザー（左右）
・Honda インターナビ＋リンクアップフリー＋ETC車載器（ナビゲーション連動）

■ホンダ ステップワゴン スパーダS特別仕様車＜パワーエディション＞価格
・FF　　2,548,000円
・4WD 2,848,000円
■ホンダ ステップワゴン スパーダS特別仕様車＜インターナビ パワーエディション＞価格
・FF 2,800,000円
・4WD 3,100,000円