ホンダ はコンパクト なボディサイズでありながら、7人乗りを可能にした「フリード」 「フリードスパイク」 に、特別仕様車「プレミアムエディション」を設定し発売を開始した。

　ホンダ フリードは、2008年にコンパクトミニバン としてデビュー。フィット をベースとし、全長4,215㎜というコンパクトなサイズでスライドドアをもち、3列シートで6＆7人乗りを実現。発売時は1.5Lのガソリン車のみだったが、2011年には、ハイブリッド 車を投入し人気モデルへと成長した。価格はコンパクトモデルとはいえ、多くのグレードが200万円を超え利益も取れるモデルでもある。さらに、モデル末期の状態とはいえ、4～5,000台/月をコンスタントに販売し、国内販売においては非常に優秀なモデルといえる。

　今回設定された特別仕様車プレミアムエディションには、上質なプライムスムース＆スウェード調ファブリックコンビシートや、室内LED照明などの快適装備を追加。価格的にもお買い得な設定が施されている。例えは、ハイブリッドプレミアムエディション6人乗りFF車が2,340,000円。ベースとなるハイブリッドジャストセレクション6人乗りFF車の価格が2,360,000円。2万円特別仕様車プレミアムエディションが安いという価格設定だ。プレミアムエディションにはベース車に対して相応の装備がプラスされているので、装備がアップされながら価格が引き下げられているということになる。

　ガソリン車の特別仕様車Gプレミアムエディションの価格は、6人乗りFFで1,980,000円。ベース車のGジャストセレクション6人乗りFFの価格が1,980,000円と同じ。価格は同じでも、右側パワースライドドアやクルーズコントロールなどの装備が付いてくるので、お買い得感のある価格設定になっている。

　ホンダ フリードがこうしたお買い得感際立つ特別仕様車を用意するには訳がある。7月上旬にライバルとなるトヨタ シエンタ がフルモデルチェンジするからだ。新型トヨタ シエンタは、アクア をベースとした7人乗りモデルになり、当然、スライドドアも装備される。フリードは一世代古いハイブリッドシステムを使っているため、シエンタがアクアと同じハイブリッドシステムを使うとなると、燃費差は非常に大きくなり勝負にならないといった状態になるのは確実。新型シエンタが出る前に、少しでもこのクラスの需要を先取りしたいとうい狙いで投入された特別仕様車がプレミアムエディションということになる。

　そのため、慌ててこの特別仕様車を購入する理由はない。まずは、新型トヨタ シエンタが出て来るのを待つのが得策。新型シエンタがデビューすれば、当然、フリードはさらに大幅値引きでしか対応できないので、さらにお得にフリードが買えることになる。

　そして、フリードもすでにモデル末期。ベースとなるフィットがフルモデルチェンジされていることから、近い将来フリードもフルモデルチェンジされ、最新のハイブリッドシステムが搭載される。そのため、スグに旧型になる可能性が高い。今、あえてフリードを購入するというのであれば、かなりの値引き金額が提示されているということが前提になる。ジックリと商談を進めたいクルマだ。

○Hybrid特別仕様車＜プレミアムエディション＞
Hybrid・ジャストセレクションの装備に加えて
・触り心地が柔らかく上質なプライムスムース＆スウェード調ファブリックコンビシート
・室内LED照明（フロントマップ／ルーム／ラゲッジルームランプ）
・本革巻ステアリングホイール
・本革巻セレクトレバー
・照明付ドリンクホルダー（運転席／助手席）

○G特別仕様車＜プレミアムエディション＞
G・ジャストセレクションの装備に加えて
・触り心地が柔らかく上質なプライムスムース＆スウェード調ファブリックコンビシート
・室内LED照明（フロントマップ／ルーム／ラゲッジルームランプ）
・リア右側パワースライドドア
・クルーズコントロール

＜ホンダ フリード価格＞
●G特別仕様車プレミアムエディション
・6人乗り　CVT　FF　1,980,000円/5AT　4WD　2,185,000円
・7人乗り　CVT　FF　2,012,400円/5AT　4WD　2,217,400円
●Hybrid特別仕様車プレミアムエディション
・6人乗り　CVT　FF　2,340,000円
・7人乗り　CVT　FF　2,372,400円

＜ホンダ フリード スパイク価格＞
●G特別仕様車プレミアムエディション
・5人乗り　CVT　FF　1,980,000円/5AT　4WD　2,185,000円
●Hybrid特別仕様車プレミアムエディション
・5人乗り　CVT　FF　2,360,000円