ホンダ ステップワゴン新車情報・購入ガイド 苦しいホンダの台所事情。デビュー後1年未満の新型車に、まさかのお買い得な特別仕様車投入! [CORISM]

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【ホンダ】2016/01/07

ホンダ センシングにわくわくゲート、新開発の1.5Lダウンサイジングターボなど、ホンダらしい独創性で登場したステップワゴンだが・・・

ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ
 ホンダ は人気ミニバンステップワゴンスパーダ とスパーダクールスピリットに特別仕様車 アドバンスパッケージαとβを新設定し発売を開始した。

 ホンダ ステップワゴンは、2015年4月デビューしたばかりのモデル。国内ホンダ車初となる1.5Lダウンサイジングターボを搭載。1.5Lターボで2.4L車並みのパフォーマンスを誇る。燃費性能は、このクラスの2.0Lと同等レベルだが、1.5Lとすることで自動車税を2.0Lに比べ年間で5,000円節税することができた。

 こうしたパワーユニット以外でも、ステップワゴンはホンダらしい独創の装備が用意された。なんと、縦開きのリヤゲートに、横開き機能をプラスしたわくわくゲートが用意された。フロアを低くし、乗降性や積載性を高めると、リヤゲートが大きくなり、後方に一定のスペースが無いとリヤゲートを開くことができない。スーパーや自宅の駐車場で、意外と使い勝手が悪かったりする。また、背が高いミニバンなので、小柄な女性だとリヤゲートを閉めるのも用意ではなかったのだ。

 そこで、ホンダは横開き機能をプラス。後方にそれほどスペースが無くても荷物の出し入れができるようにした。また、ステップワゴンは、3列目シートを分割してフロア下に収納が可能。3列目シートの一部をフロアシートを床下に収納すると、このわくわくゲートから3列目や2列目シートにアクセスできるようになる。リヤゲートから室内にアクセスできる機能があるのは、ステップワゴンだけだ。

 安全装備面では、単眼カメラとミリ波を組み合わせた自動ブレーキ関連の安全装備ホンダ センシングが用意された。歩行者検知式の自動ブレーキで、クラストップレベルの実力をもつ。ただし、デビュー当時、ホンダは完全に腰が引けた状態で、このホンダ センシングが全車にオプション装備という状況になっていた。ホンダは安全面の企業スローガンで「セーフティ・フォー・エブリワン」を掲げているが、スローガンとは異なる設定だ。もちろん、ホンダに限ったことではない。ステップワゴンは、新エンジンにわくわくゲートと新しい技術を投入したことにより、ライバルよりやや高価な価格設定になっていた。こうした安全装備を標準装備し、さらに価格がアップすると売れ行きが落ちると判断したようだ。

ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ
ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ
ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ

ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ

豪華オプションを標準装備し、価格アップを抑えたお買い得な特別仕様車アドバンスパッケージα/βが登場!

ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ
 今回投入された特別仕様車は、ステップ ワゴン スパーダ/スパーダ・クールスピリットに「ホンダ センシング」と「リア右側パワースライドドア」を標準装備した2タイプを用意。特別仕様車「Advance Package α/β(アドバンスパッケージ α/β)」を設定した。アドバンスパッケージαは発売済み。アドバンスパッケージβを2016年1月14日に発売する。

 αとβとも共通している装備は、ホンダセンシングとリア右側パワースライドドア。αには、ホンダ インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器<ナビゲーション連動とリアエンターテインメントシステムが装備される。βには、ナビ装着用スペシャルパッケージとETC車載器が装備される。ステップワゴンの売れ筋グレードは、約7割がスパーダとなっている。そうした流れもあり、今回の特別仕様車もスパーダのみの設定になっているようだ。

 特別仕様車ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージβの2,840,000円。ベースとなるスパーダが2,725,000円なので、115,000円高となっている。この金額アップ分で、ほぼホンダセンシング分になるので、右側パワースライド、ナビ装着用スペシャルパッケージ、ETC車載器分がお買い得となる。10万円以上のお買い得感が出ている。

 特別仕様車スパーダ クールスピリット アドバンスパッケージαの価格は3,210,000円。ベースのスパーダ クールスピリットが2,887,000円なので、323,000円高となっている。この価格アップ分でホンダ センシング、リア右側パワースライドドア、ホンダ インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器<ナビゲーション連動>、リアエンターテインメントシステムが装備される。ナビ関連やリヤエンターテインメントシステムだけで、約35万円前後するのでホンダセンシングとリア右側パワースライドドア分がお得となる。ザックリと20万円弱くらいお買い得になるイメージだ。全体的にお買い得感のある設定になっている特別仕様車といえる。

デビューから1年も経過していない新型車に、まさかのお買い得な特別仕様車を投入。ホンダの厳しい台所事情が・・・

ホンダ ステップワゴン スパーダ アドバンスパッケージ
 本来なら、2015年4月にデビューしたばかりのモデルに、こうしたお買い得な特別仕様車を設定することはまれだ。一般的にお買い得な特別仕様車が投入されるのは、マイナーチェンジやフルモデルチェンジ前などが近くなったモデルに多い。なぜ、ホンダが新型モデルに対して、これだけ早くからお買い得モデルを投入するには、少々訳がある。

 その理由とは、ホンダ ステップワゴンの売れ行きが不調であることだ。発売直後こそ、新車販売台数ランキングで10以内に入っていたが、最近では10~15位前後となっている。モデル末期となっていて、2016年にフルモデルチェンジが予定されている日産セレナが13~19位と善戦。フルモデルチェンジしたばかりのステップワゴンの販売台数を超える月もあるほどだ。

 セレナはモデル末期であることで、人気オプションを標準装備し価格アップを抑えた特別仕様車を投入。さらに、値引き額も大きい。価格設定が高かったステップワゴンと競合すると、支払金額で大きな差が出ている。この2車に決定的な差が見えにくい部分もあり、この状態では予算重視の顧客に取ってセレナの金額は、かなり魅力的になっている。また、セレナ の金額はトヨタノアヴォクシー のガソリン車にも影響を与えていて、トヨタも入れて競合させるとトヨタ系も値引きで対応。結果的に、ステップワゴンが一番支払総額が多くなってしまうという状況にもなっている。この5ナンバーサイズのミニバンは、非常に厳しい環境にある。

 ホンダは国内販売が不調。フィットN-BOX は台数面で、国内販売を支える。対して、ステップワゴンは、国内専用車でホンダの中では利益も大きいモデルなので、収益面で国内販売を支えるモデルでもある。このステップワゴンが不調になると、収益面や生産工場の稼働率面でも大きな影を落とすことになる。2~3月は、自動車業界の最も重要な繁忙期。メーカーの決算が3月末ということもあり、熾烈な販売合戦が行われる。

 本来ならば、こうしたお買い得な特別仕様車は「元々お買い得なので値引きできない」とセンスの無い営業マンは答えるが、ホンダにとっては背に腹は代えられぬ状態。日産セレナで十分な値引き金額を引き出した見積りを手にした後に、ノア&ヴォクシーの見積もりも取り、そこでステップワゴンの商談に入ろう。こうした状況なので、お買い得な特別仕様車であれ値引き対応するしかない。まだ、デビューしてから1年も経たないステップワゴンだが、今、買い時を迎えている。

ホンダ ステップワゴンスパーダ特別仕様車アドバンスパッケージ価格

■ホンダ ステップワゴンスパーダ特別仕様車アドバンスパッケージ価格
・SPADA特別仕様車アドバンスパッケージ β FF 2,840,000円/4WD 3,077,600円
・SPADA特別仕様車Cool Spiritアドバンスパッケージ β FF 2,990,000円/4WD 3,184,400円
・SPADA特別仕様車アドバンスパッケージ α FF 3,060,000円/4WD 3,297,600円
・SPADA特別仕様車Cool Spiritアドバンスパッケージ α FF 3,210,000円/4WD 3,404,400円

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(レポート:CORISM編集部

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