ケータハム は、軽量スポーツカーであるセブンに、スズキ 製軽自動車用660ccターボエンジンを搭載したエントリーモデル、ケータハムセブン160の発売を開始した。

ケータハムとロータスの関係は、密接でいながら複雑。F1も同様で、ケータハムは日本人ドライバー小林可夢偉を迎え2014年度を戦っている。

今回発表されたケータハムセブン160は、ヨーロッパ仕様車をベースにしたニューバージョンとなる。ただでさえコンパクトなボディを、さらにコンパクト化したスローガンを掲げて生み出された。

ある意味とても挑戦的ともいえるのが、自動車のガラパゴス化の象徴と言われる日本独自の軽自動車 マーケットに本格参入したということだ。サイズ、エンジン排気量ともに日本の軽自動車規格を満たすよう、特別に設計されている。そのため、ナンバープレートは軽自動車用の黄色となっている。

アメリカのように、軽自動車マーケットはTPPでも問題になっているように、非関税障壁と呼んでいる。しかし、軽自動車マーケットは国内メーカーだけに絞っている訳でもなく、規格に合わせれば多くの自動車メーカーが参入できる。まさに、アメリカ車が国内で売れない理由を厚顔無恥にも難癖をつけているようなものだ。

そういったマーケットに、いち早く目をつけ最適化した個性的なケータハムセブン160というモデルは、知的な戦略的モデルともいえる。国内の自動車マーケットの全体需要はドンドンと毎年減り続け、マーケティング的に見れば魅力的とは言えない。そんな中、今まで無かったジャンルのクルマを送り込むプロダクトアウトな戦略は、かなり野心的であるのと同時に、多くの自動車ファンの心を捉えただろう。

　軽自動車マーケット用とはいえ、ケータハムセブンの本質は失っていない。それどころか、軽自動車マーケットにケータハムセブンという軽量スポーツカーの新しいトレンドを持ち込んでいる。セブン160の車重は、なんと500kg未満。その軽量ボディを、スズキ製の660㏄ターボエンジンが0-100㎞/h加速、僅か6.9秒という瞬足を実現。最高速は、160㎞/hになる性能を有する。

ケータハムグループCEO、グラハム・マクドナルドは「ケータハムグループは、新たな分野へ挑み続けています。そのなかでこの160は、セブンのコンセプトを採用しつつ、世界で最も厳しい規制システムにも適応し得るケータハムの能力を証明しています。セブン160は、走る喜びとともに、これまで我が社が製造したなかでも、より低価格で最も環境に優しいセブンによって、全く異なるものを日本の皆様へお届けします。なにより、これこそ真のセブンなのです。」と、コメントしている通り、スポーツカーとはいえ、低価格＆低燃費という国内マーケットのトレンドのツボを押さえているのもポイントだ。

そんなトレンドを押さえつつも、ケータハムのエンジニアリングは64psの自主規制されたスズキのパワーユニットを88psと40％弱までアップ。トルクは107Nmと10％以上アップし搭載している。

ケータハムセブン160の価格は、3,650,000円（消費税抜本体価格）。ワゴンRスティングレー2台分以上の価格ではあるが、他のセブンと比べると安めの設定になっている。ポイントは、保有コストが軽自動車であるということが大きなメリット。税金などが安いので、余程の高所得者でなくても、こういったリアルスポーツモデルをセカンドカーとして持ちやすくなる。そういったことも含め、スポーツカーの普及にも貢献しているといってもいだろう。

■ケータハムセブン160価格：¥3,650,000 (消費税抜本体価格)

【ケータハムセブン160主要諸元】
全長 ： 3,100mm　全幅 ： 1,470mm　全高 ： 1,090mm
ホイールベース ： 2,225mm トレッド 前/後 ： 1,220mm/1,301mm
最低地上高 ： 100mm
車両重量 ： 490kg
エンジンの種類 ： Suzuki 3cyl. turbo
排気量 ： 658cc ボア ｘ ストローク ： 68mm x 60.4mm
使用燃料 ： 95+ 燃料タンク容量 ： 36L
最高出力 ： 58.8kw(80ps)/5500rpm
最大トルク ： 107Nm/(10.9kgf.m)/3400rpm
最高速 ： 160km/h 0-100km 加速 ： 6.9s
Power to weight ： 163PS/t
トランスミッション ： 5 速MT
サスペンション形式 ： 前：Double wishbone 後：Multi-link live axle
ブレーキ形式： 前 ソリッドディスク 後　ドラムブレーキ
タイヤサイズ ： 155/65R14（標準仕様） ： 155/65R14
ホイールサイズ ： 4.5J x 14（標準仕様） ： 4.5J x 14