レクサスES新車情報・購入ガイドの目次
- 国内初投入となった新型ESは、2.5Lハイブリッドのみの設定
- 新プラットフォームを得たことで、国内セダンマーケットにチャレンジするES。GSの穴は埋められるか?
- カムリより、さらに大きなアメリカンサイズの新型ES。小回りは苦手
- アートのようなスピンドルグリルを装備。美しいセダンとなった新型ES
- プラットフォームはカムリと同じだが、世界初のアブソーバー技術を投入
- 2.5Lハイブリッド搭載した新型ESの燃費は23.4㎞/L!
- Fスポーツの設定は微妙?
- 世界初のデジタルアウターミラーは、オプション設定
- 物足りない予防安全装備
- 新型レクサスESのグレード選び
- 新型レクサスES価格
- レクサスES300h“version L”燃費、ボディサイズなどスペック
国内初投入となった新型ESは、2.5Lハイブリッドのみの設定
レクサスは、新型セダンとなるESを投入し発売を開始した。搭載されたパワーユニットは、2.5LのハイブリッドのみでES300hと呼ばれる。
この新型レクサスESは、日本初導入。日本では初導入となるものの、グローバルでは7世代目となる歴史あるモデルで、レクサスブランドの立ち上げ時から投入されていた。
ただ、初期のモデルは、日本ではトヨタブランドで初代がカムリプロミネント、2代目以降はウインダムとして販売されていたこともあり、ESは日本では導入されなかった。そのため、当時、ウインダムにESのエンブレムを装着するなどのカスタマイズが流行っていた。5代目から、国内トヨタブランドでの併売は終了している。
新プラットフォームを得たことで、国内セダンマーケットにチャレンジするES。GSの穴は埋められるか?
6代目ESが日本に導入されなかったのは、日本マーケットのセダン不人気が続いていたことが大きな理由の一つでもあった。当時、似たようなボディサイズをもつレクサスGSも販売不振が続いており、ESを導入しても、GSとのカニバリが発生するだけで販売台数は伸びないと予想されていた。
ところが、2017年にカムリがフルモデルチェンジし10代目となった。北米が主戦場のカムリは、ボディサイズも大きく日本での販売台数は9代目カムリと同様に伸び悩むと予想されていた。
しかし、アグレッシブでスポーティなデザインになった10代目カムリは、国内で順調に販売台数を伸ばしており、2018年上半期は7,963台を販売。登録車販売台数ランキングで38位。中・大型セダンとしては、クラウンに次ぐ販売台数を誇っている。
この結果は、北米メインで、日本でやや大きく扱いにくいサイズであっても、カッコよく、燃費のよいハイブリッドであれば売れるということが明確になった。
さらに、日本マーケットでは、販売不振が続くレクサスGSに変わるセダンが欲しいのも事実。しかも、ESはFF(前輪駆動)なので、GSよりも安価な価格設定が可能。ESは、GSよりもややボディサイズが大きいので、買い得感もある。
また、最新レクサスデザインであれば、LSに次ぐセダン第2の柱に成長する可能性もある。そういう意味でESは、レクサスのセダンラインアップを再構築する役割をもったセダンといえる。
カムリより、さらに大きなアメリカンサイズの新型ES。小回りは苦手
そんな新型レクサスES300hのボディサイズは、全長4,975×全幅1,865×全高1,445㎜。ホイールベースは2,870㎜となった。同じGA-Kプラットフォームを使うカムリのボディサイズが、全長4,885×全幅1,840×全高1,445mm、ホイールベースが 2,825mmなので、カムリよりひと回り大きい。
この大きなボディサイズでFF(前輪駆動)車ということもあり、狭い道などでの使い勝手の指標となる最小回転半径は5.9mもしくは5.8mとかなり大きい。ややボディサイズが小さくFR(後輪駆動)車のレクサスGSは5.3mとなっている。大型ミニバンであり、ホイールベースが3mもあるアルファードで、最も大きな最小回転半径となるグレードでも5.8m。さすがに、日本での使い勝手は今ひとつといった印象だ。
アートのようなスピンドルグリルを装備。美しいセダンとなった新型ES
新型レクサスESのデザインは、優美なシルエットをもつ。かなりワイドな全幅ということもあり、ワイド&ローなフォルムが一段と強調されている。そして、もはやレクサス車のデザインアイデンティティともいえるスピンドルグリルは、着実に美しさを増している。新型ESに装着されたスピンドルグリルは、もはやアート的にも見えてくる美しさがある。
リヤビューは、タイヤの踏ん張り感を強調する造形とした。3つのL字を層状に重ねた奥行きのあるデザインとしたリヤコンビネーションランプは、高級感と洗練さを感じさせる。ひと目でレクサスESと分かる。
インテリアデザインは、いかにもレクサス的なラグジュアリー感あふれる空間になっている。インパネデザインは、水平基調のデザインで広さをアピール。滑らかにラウンドしたラインは、ドアパネルまでつながり、包み込まれるような安心感がある。
センターコンソール上部に設置された大型のモニターは、視認性もよく安全性にも貢献。センターコンソール・ドアアームレストの表皮には立体的なパターンで加工を施すビスコテックス技術を採用。エレガントな雰囲気をもつインテリアにまとめている。
プラットフォームはカムリと同じだが、世界初のアブソーバー技術を投入
プラットフォーム(車台)は、カムリと同じGA-Kプラットフォームが採用されている。サスペンション形式もカムリと同じで、フロントがストラット、リヤがダブルウィッシュボーンとなった。
多くの部分でカムリと同じだが、ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を世界で初めて採用するなど、新型ES用の新技術が採用されている。この「スウィングバルブショックアブソーバー」は、応答性が良く上質な乗り心地に貢献している。
その他、新型レクサスESは、上級セダンということもあり、ノイズリダクションホイールや遮音性の高いアコースティックガラスを採用し、静粛性の高い室内を実現している。
2.5Lハイブリッド搭載した新型ESの燃費は23.4㎞/L!
新型レクサスESに搭載されたパワーユニットは、2.5Lハイブリッドのみ。この2.5L直列4気筒エンジンやハイブリッドシステムは、基本的にカムリと同じ。吸気効率の向上や燃焼室内の気流強化による高速燃焼技術などで、世界トップレベルの熱効率を実現している。その結果、JC08モード燃費は23.4km/Lと優れた数値となっている。
また、大きく重いハイブリッド用バッテリーをリヤシート下に設置。トランク容量を犠牲にしていない。また、リヤシート下に設置したことで、前後の重量バランスの向上や低重心化も図られている。
Fスポーツの設定は微妙?
ラグジュアリーセダンというキャラクターに、必要なのかどうかはともかく、毎度おなじみのスポーツグレードであるFスポーツも設定された。美しいグリルから、とくに印象に残りにくいFスポーツ専用グリルやエアロパーツ類が装備されている。
ES Fスポーツには、さらにスポーティな走りを演出するために、きめ細かい減衰力の制御を行うリニアソレノイド式AVSが採用された。さらに、パフォーマンスダンパーを車体の前後に配置。ボディ剛性の向上と、細かい振動を減衰吸収し、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を実現している。
このES“F SPORT”は、鋭く磨き上げられた走りを表現するため、日本刀の仕上げ工程「刃取」に着想を得た“F SPORT”専用アルミオーナメントパネルを新開発した。日本刀の刃文をイメージさせる紋様を作り出し、独自のスポーティさを表現している。
世界初のデジタルアウターミラーは、オプション設定
新型レクサスESの目玉ともいえる新技術が、量産車として世界初のデジタルアウターミラーだ。ドアミラーの代りに、小型のカメラを設置。その画像をフロントピラー部に設置された5インチディスプレイに表示する。バック時やウインカー作動時などには、よりワイドな画像になるなど視界を確保。夜間や雨天時など、自動で輝度調整するの視認性が良いのも特徴だ。
ただし、モニターの取り付け位置や、LEDライト車が近付くと点滅して見えるなど、今後、まだまだ使い勝手の良さに関しては、進化の余地を残している。
また、デジタルアウターミラー本体も空気抵抗が少なく、風切り音も少ないなどのメリットもあるが、かなり大きい。これは、ドアミラー仕様のモデルと同じダウンフォースを発生させるなどの条件を一致させるためだという。
デジタルアウターミラー専用の車両セッティングができるようになれば、まだまだ改良の余地がある。
このデジタルアウターミラーは、バージョンLにオプション設定。オプション価格は216,000円と、やや高価な印象だ。
物足りない予防安全装備
新型レクサスESのような高級車にとって重要な安全装備だが、相変わらず物足りない設定となった。予防安全パッケージ、「Lexus Safety System +」こそ全車標準装備化。このシステムは、夜間の歩行者検知と昼間の自転車検知もできる高性能タイプだ。
しかし、後側方から接近する車両を検知、警報するブラインドスポットモニターは、一部グレードを除きオプション。もはや、当り前ともいえる安価な予防安全装備くらい高級車なのだから、標準装備化すべきだろう。
新型レクサスESのグレード選び
新型レクサスESは、パワーユニットが1種類しかなく、3グレード設定なので簡単だ。まず、ESに何を求めるかを決めるといい。ラグジュアリーさを求めるのなら、ベースグレードかバージョンL。スポーティさを求めるのならFスポーツだ。
新型レクサスESのキャラクターからすれば、お勧めはやはりES300hバージョンL。ブラインドスポットモニターなど、安全装備も充実。セミアニリン本革シートが標準装備され、ベンチレーションやヒーターも用意されているの快適だ。後席も電動リクライニング機能も標準装備。
さらに、AC100V/1500Wのコンセントも標準装備しているので、大きな電力が必要な家電製品なども使える。また、この機能は災害などで停電した場合など、しばらくの間発電しながら電力供給でき、もしものときに便利な機能だ。
オプションでは、デジタルアウターミラーやマークレビンソンのオーディオなどは、好みと予算で選ぶといい。
新型レクサスES価格
ES300h “version L” 6,980,000円
ES300h “F SPORT” 6,290,000円
レクサスES300h“version L”燃費、ボディサイズなどスペック
ホイールベース 2,870㎜
最小回転半径 5.9m
車両重量 1,730kg
JC08モード燃費 23.4㎞/L
エンジン 型式 A25A-FXS 直列4気筒
総排気量 2,487cc
最高出力[NET] kW(PS)/r.p.m. 131 (178) / 5,700
最大トルク[NET] N・m(kgf・m)/r.p.m. 221 (22.5) / 3,600~5,200
モーター 型式 3NM
最高出力 kW(PS) 88 (120)
最大トルク N・m(kgf・m) 202 (20.6)
主電池 種類 ニッケル水素電池
サスペンション 前 / 後 マクファーソンストラット (スタビライザー付) /
ダブルウイッシュボーン (スタビライザー付)
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