メルセデス・ベンツCLAクラス新車情報・購入ガイド FFプラットフォームで、多品種生産! ニーズの多様化に対応し新規顧客を狙うトレンドセッター! [CORISM]
安くはないが個性的! 安全装備の充実に期待したい
メルセデス・ベンツCLAクラスは、2012年に発表された“コンセプトスタイルクーペ”をベースに、さらにスポーティでダイナミックなデザインにまとめられた4ドアクーペだ。Aピラーをクーペのように傾斜させ、居住性よりスタイリッシュさを求めるデザインは、すでに日本でも1980年台から1990年台に大ヒットした。日本では4ドアハードトップなどと呼ばれ、トヨタ カリーナEDや日産プレセア、マツダ ペルソナといったクルマが売れた。メルセデス・ベンツは、2004年、CLSクラスで世界に先駆けて「4ドアクーペ」という新たなカテゴリーを生み出したというが、こういったデザインコンセプトは、すでに1980年台に登場している。
メルセデス・ベンツCLA180のボディサイズは、全長4640×全幅1780×全高1430mm。ホイールベースは2700mm。ボディサイズは、ちょっと全高が低いCクラスといったところ。基本的記には、同じFFのAクラスやBクラスと基本構造を共有している。全長が大きくなったことにより、存在感も増し、Aクラスよりアグレッシブでスタイリッシュになった印象だ。
もはや、FFかFRなんて気にしない時代に突入しているので、Cクラスでは少し保守的。室内空間が多少狭くてもいいので、ギラギラした個性的なスタイルを好む顧客向けといえる。
そんなこともあり、メルセデス・ベンツCLAは、流麗で印象的なルーフラインと、スポーティでダイナミックな3本のキャラクターラインが特徴的。Aクラスより全長が長い分、ルーフラインの流麗さは際立っている。フロントマスクは、ダイヤモンドグリルとボンネットのパワードームが小さくても威圧感のあるアグレッシブなフェイスを作り出している。
メルセデス・ベンツCLAの流麗さは数値にも表れている。なんと、Cd値0.23! 量産車で世界最高水準のエアロダイナミクスを実現し、燃費性能や室内の静粛性の向上にも寄与しているのは、デザインだけでは終わらせないメルセデス・ベンツのこだわりを感じる部分だ。
インテリアには、全席に採用したヘッドレスト一体型スポーツシートをはじめ、チューブデザインのメーターパネルやSLS AMGの流れを汲む丸型のエアアウトレットなどを採用した。
CLAに搭載されるエンジンは、CLA180に最新世代1.6L直列4気筒BlueDIRECTターボエンジン、CLA250には2.0L直列4気筒BlueDIRECTターボエンジンが用意される。CLA180は122PS&200Nm、CLA250は211PS&350Nmをアウトプットする。CLA180は燃費指向、CLA250は走り指向という方向性が感じられる。エコカー減税に関しては、CLA180が免税、CLA250が75%免税になる見込みだ。組み合わされるミッションは、ツインクラッチ式の7G-DCTとなっている。
CLA250には、新開発の4輪駆動システムである4MATICが用意された。積雪地域は、アウディが強い傾向にあり、A&Bクラスに4輪駆動車がないメルセデス・ベンツは、CLA2504MATICで戦うことになる。この新開発の可変トルク配分型フルタイム四輪駆動システムは、FF車用に新設計された。電動油圧制御式のマルチディスククラッチによって、前後トルク配分を100:0~50:50の間で連続的に変化させ、高い走行安定性を確保する。
CLAクラスにも、安全運転支援システムが用意されている。追突のリスクを軽減するレーダー型衝突警告システム「CPA」や、長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意を促す「アテンションアシスト」を全車に標準装備。さらに、CPAの警告にドライバーが反応せず、衝突が避けられない場合に自動緊急ブレーキを作動させる「CPAプラス」、車間距離を適切に維持するとともに、先行車が停止した場合は減速して停止する渋滞追従機能を備えた「ディストロニック・プラス」やドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」などを含む安全運転支援システム「セーフティパッケージ」をAMGモデルを除きオプション設定。このオプション設定は、少々メルセデス・ベンツは腰が引けている印象。余裕で300万円を越えているモデルなのだから、標準装備化して欲しい部分だ。
そして、メルセデス・ベンツCLAにも、当然、最もエキサイティングなモデルであるAMGが用意されている。CLA45 AMG 4MATICは、新開発AMG 2.0L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載する。驚きなのは、なんと最大1.8バールの高過給圧を実現しているのだ。その結果、2Lという排気量からは想像を超えた360PS&450Nmという圧倒したパワーとトルクを発揮する。これは、世界で最もパワフルな量産4気筒ターボエンジンだという。これだけのパワーをFFでコントロールするのは無理があり、4MATICが使われるのは当然だ。この4MATIC化で強力なトラクション性能を得た結果、0-100km/h加速4.6秒と驚異的な動力性能をもつ。
メルセデス・ベンツは、FFのプラットフォームを使い、これで3つ目のボディを作り出しマーケットに送り出している。A&Bクラスは、国内メルセデス・ベンツの好調を牽引するモデル。他の輸入車と比べると安くはないが、メルセデス・ベンツの中ではかなり戦略的な価格を打ち出しているのが人気の理由。その結果、多くの新規顧客が増えたという。CLAクラスは、335万円からと安くはない。しかし、こういったクルマを好む顧客層は、多くはないが確実に一定数あると見込まれる。BMWやアウディが、このクラスで車種の多様化が進まない中、着実にメルセデス・ベンツは販売台数を積み上げることになるだろう。
メルセデス・ベンツCLAクラス価格
・CLA 250 ¥4,590,000円
・CLA 250 4MATIC ¥4,840,000円
・CLA 45 AMG 4MATIC ¥7,100,000円
メルセデス・ベンツCLA 45 AMG 4MATIC
メルセデス・ベンツCLA250
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