メルセデス・ベンツ初のEV、EQC登場! 価格は1080万円から
メルセデス・ベンツは、純電気自動車(EV)の新型EQCを発表した。当面は発売記念の特別仕様車であるEQCエディション1886をオンラインストアで7月18日から先着順で商談する。市販バージョンのEQC400 4MATICは、2020年の春に発売を予定している。価格は特別仕様車のEQCエディション1886が1200万円、標準車のEQC400 4MATICが1080万円だ。
新型メルセデス・ベンツEQCは、日本におけるメルセデス・ベンツ初の電気自動車だ。電気自動車ならではの先進的なデザインを採用した最初のモデルとされ、EQCのエッセンスは今後続々と登場する電気自動車に採用されるという。
新型EQCの航続距離は400㎞! 最大トルクは765N・m
動力源は電気のみで、最高出力300kW(408ps)、最大トルク765N・mを発生する。80kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離400km(WLTCモード)を実現した。
充電は、6.0kWまでの交流普通充電と、50kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応している。また、電気自動車であるだけでなく、これまでのメルセデス・ベンツの特徴である安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質などを高いレベルで実現した。
先行発売される特別仕様車はEQC Edition 1886とは?
先行販売される特別仕様車のメルセデス・ベンツEQC Edition 1886は、日本国内では55台限定となる。1886の数字はダイムラーの創始者であるカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーがそれぞれ別々にガソリン自動車を完成させた1886年に由来する。ダイムラーにとって、電気自動車による新しい時代の幕開けを記念することを意図して名付けられた。
EQC Edition 1886は、市販車のEQC400 4MATICをベースに、外観デザインやインテリアの仕様に専用のものを用意して差別化を図った。エクステリアには専用のブラックルーバーのラジエターグリル、専用のサイドエンブレムや白のアクセントを施した専用20インチ10スポークアルミホイールが採用され、クリーンでシンプルなイメージを強調する。
インテリアには、シートの外周部がインディゴブルーのレザーARTICO(人工皮革)、内側のバックレスト部分に黒い起毛素材のDINAMICAのシートを採用し、バックレストや専用のフロアマットには“1886”の刺繍が施される。
また、センターコンソール中央部に位置するカップホルダーのフラップには“1886”を示すバッジが装着され、シルバー基調の専用のマトリックスインテリアトリムも採用される。
バッテリーは8年、16万㎞保証
1) リース契約満了時に残価の差額清算が不要なクローズエンドリースを用意
2) 5年間、10万kmまでの一般保証と無償のメンテナンスプログラム「EQケア」を全車標準設定し、高電圧バッテリーは8年または16万km以内に残容量が70%に満たないと診断された場合の保証を付帯
3) 全国約2万1000基での充電利用料及び月額基本料を1年間無料
4) 6.0kW(30A)対応の交流普通充電器本体を無償提供するほか、設置費用を10万円のサポート
などが提供される。初めて電気自動車の保有を検討する人の不安を一掃するためのプログラムだ。
メルセデス・ベンツらしくないデザイン?
新型メルセデス・ベンツEQCの外観デザインは、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を、電気自動車として徹底して突き詰めたという。シンプルかつシームレスで、すべてがひとつの塊に見えるようなフォルムを採用すると同時に、これまでにないデザインディテールや独特なカラーアクセントによって、先進的で独特な外観を形作っている。
フロントでは大型のブラックパネルが注目される。そしてブラックパネルの上端には、左右のマルチビームLEDヘッドライトをつなぐデイタイムドライビングライト光ファイバーのチューブが採用され、「EQ」モデル独特の先進的なデザインを作り出している。
サイドビューは長く伸びたルーフラインとウインドウグラフィックがリアに向かって緩やかに下降するデザインを採用した。これは視覚的にSUVとSUVクーペの中間に位置するクロスオーバーSUVであること感じさせるものだ。
リアビューでは、ルーフスポイラーが低い位置に設けられてエアロダイナミクスを高めるとともに、ワイドさも強調している。リアバンパーとテールゲートはほぼ段差のないすっきりとしたデザインとされた。リアコンビネーションランプは左右のリアフェンダーからテールゲートまでつながった上下にスリムなデザインで、内部にチューブ状のテールランプを配して近未来感とワイドさを表現した。
インテリアも上質さを基本に、先進的なEQモデル独特のデザインとしている。ダッシュボードは中央部から運転席側までが大きく切り取られたようなデザインとされ、その内側に一枚のガラスカバーで融合された2つの10.25インチディスプレイを、空中に浮かぶように配置している。また、切り取られた部分の表面には高級オーディオアンプのヒートシンクを想起させるリブ付きエッジと、それを取り囲むようにアンビエントライトが配される。
エアコンのエアアウトレットはキーをかたどったローズゴールドのEQ専用デザインが採用され、シートやインストゥルメントパネルのステッチにもローズゴールドを用い、クールな印象のインテリアにアクセントを与えている。
2モーターの4WDで、航続距離は400㎞
新型メルセデス・ベンツEQCのパワートレーンは、前後のアクスルにそれぞれ1つずつモーターを搭載する2モーター方式。ふたつのモーターの総合最高出力が前述した300kW(408ps)となる。通常の低中負荷領域では、効率を高めるためにフロントのモーターのみで走行し、走行状況に応じてリアのモーターを稼働する。前後のトルク配分をか偏させることで、四輪駆動のドライビング特性が得られるシステムだ。
また、前後両方のモーターをオルタネーターとして使用することで、回生ブレーキによる減速効果を最大限に高めている。高電圧バッテリーはリチウムイオンを採用し、前後アクスル間のフロア部に搭載されている。
航続距離はWLTCモードで400kmだが、電力消費率や航続距離は運転スタイルによって大きく変わる。
様々なドライブモードを用意したEQC
EQCは特性の異なるさまざまなドライブモードを備えることで、ドライバーをサポートする。
設定されるドライブモードは以下のとおりだ。
● コンフォート:デフォルトのモード。アクセルペダル特性は快適な運転スタイルをサポートするもので、運転の仕方によってはダイナミックな特性に自動的に切り替わる。
●エコ:効率重視で電力消費率を抑えるモード。
●スポーツ:最高のレスポンスによりスポーティな走行性能を実現することを重視したドライブモード。
●インディビジュアル:走行特性、サスペンション特性、ステアリング特性を個別に設定できるカスタマイズ可能なドライブモード。
バッテリーへのエネルギー回収量もステアリングホイール裏のパドルにより4段階の調整が可能。パドルは左側が回生レベルの上昇、右側が低減のスイッチとなっていて、以下の段階が設けられている。
●D+:コースティング
●D:軽度の回生ブレーキ
●D-:中程度の回生ブレーキ
●D- -:強度の回生ブレーキ(ほとんどの場合、回生ブレーキだけで十分な減速が得られる)
高い安全性をもつEQC
新型EQCはメルセデス・ベンツのモデルらしく、高い安全性を備えている。安全基準は内燃機関を搭載する車両と同じく、法的要件よりもさらに厳格なメルセデス・ベンツの社内基準に沿ったものとされている。
バッテリーなどの通電部品すべてについては、極めて厳格な安全基準を適用した。例えば、フロントセクションの駆動コンポーネントはEQC専用の新たなサブフレームによって取り囲まれ、通常の内燃機関搭載車と同等レベルの衝突安全性能を実現した。
バッテリーは衝突安全構造を一体化した堅牢なフレームで囲まれていて、このフレームとバッテリーの間に変形部材を配置することで、外部からの激しい衝撃があった場合にも、衝撃を吸収して安全性を保つ仕組みだ。高電圧システムは事故の程度に応じて、適切に高電圧を遮断し感電の恐れがないように設計されている。
多くの安心・安全サービスを用意
新型EQCには、通信によって利便性を高めるテレマティクスサービスの「Mercedes me connect」が標準装備されている。24時間緊急通報サービスなどが最長10年間無償で提供される安心安全サービスと、Send2Carなどを3年間無償でご提供する快適サービスの2つのサービスが標準で設定される。
安心安全サービスの中身は以下のようなものだ。
●24時間緊急通報サービス:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー展開時)または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に連絡する。
●24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、meボタンを押下するとツーリングサポートセンターにつながる。
また快適サービスは以下のようになる。
●リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、 アンロックができる。
●リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離、平均電費等の状態をアプリなどで確認できる。
●駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に表示する。
●Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できる。
●ナビゲーションサービス: 天気や充電ステーション情報を地図上に表示したり、USBオンデマンド地図更新を利用できる。
●リモートセットアップ: プリエントリー・クライメート・コントロールの遠隔設定や、充電状況がアプリなどで確認可能。
またEQC専用のテレマティクスサービスとして以下のものが用意されている。
●EQオンラインナビゲーション
●充電ステーション情報
●出発時刻・プリエントリークライメートコントロールの設定
●エナジーフローや電費情報の表示
●最大充電電流の設定
自然対話式音声認識機能を備えた、対話型インフォテインメントシステムの「MBUX」では、従来の会話のほか、「充電ステーションを探して」、「8時までに車のクライメートコントロールを設定して」など、電気自動車固有の機能にも対応している。
さらにEQ オンラインナビゲーションは、ナビゲーションのマップデータから得た勾配情報、充電ステーションの位置情報、車両の充電状況及び気温情報などを総合的に判断し、 どこで充電すべきかも含めた適切なルートを案内する。充電ステーションの情報をナビゲーション上に表示することも可能だ。
メルセデス・ベンツEQC価格
・EQC 400 4MATIC 10,800,000円
・EQC Edition 1886 12,000,000円
メルセデス・ベンツEQC電費、ボディサイズなどスペック
・全長×全幅×全高(mm) 4,761×1,844×1,623
・ホイールベース(mm) 2,873
・車両重量(㎏) 2,495
・パワートレイン 非同期モーター2基/4輪駆動
・最高出力 300kW(408ps)
・最大トルク 765N・m
・最高速度 180㎞/h
・0-100㎞/h加速 5.1秒
・バッテリー重量 652㎏
・航続距離(WLTCモード) 400㎞
・充電時間(普通充電) 約13時間
・充電時間(急速充電) 約80分
・ラゲッジスペース 約500L
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