イタリア・マセラティの日本総代理店、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドは3月29日、マセラティ初の4シーター・コンバーチブル車「グランカブリオ」を発表した。4ドアセダン「クワトロポルテ」、2ドアクーペ「グラントゥーリズモ」に次ぐ第3のモデルの発表により、マセラティのラインナップがこれで完成したことになる。歴代のマセラティのオープンモデルはみな2シーターだったが、同クラスのオープンモデルの多くが4シーターもしくは2+2シーターであることから、グランカブリオはフル4シーターとし競争力を高めた。
　搭載されるパワーユニットは「グラントゥーリズモ S オートマチック」と同様のV8 4.7リッターエンジンと6速ATの組み合わせ。最高出力440ps(323kW)/7000rpmと最大トルク50.0kg-m(490N・m)/4750rpm[スポーツモード]を発揮。オープン化に伴いボディの補強を行いクラス随一の高剛性を実現することで、クーペ同様の刺激的な走りを実現させた。オープン時で前48：後52、クローズ時で前49:後51と、クーペ並みの前後重量配分を達成する。
　またリアシート後部には万が一の横転時に乗員を守る「テレスコピック・ロールバー」(緊急時には0.19秒で作動)を装備するなど安全性の確保にも注力したが、アルミ素材などを使うことでクーペに比べ重量増は+100kgに留めた点が注目される。ほかにもマセラティ初のHBAシステム(ハイドリック・ブレーキ・アシスト)導入をはじめ、グランカブリオ独自の様々な安全対策が備えられている。