マツダ は、コンパクトカー であるマツダ デミオ を一部改良。さらに、特別仕様車マツダ デミオ 13-SKYACTIV シューティングスター スポルト ダイナミックルーフ、マツダ デミオ 13-SKYACTIV シューティングスター マゼンタという2つの特別仕様車を設定し、発売を開始した。

　今回のデミオの一部商品改良では、ボディカラーに2色、インテリアカラーに1色の新色を追加した。また、13CのAT車である13C-V スマートエディションIIには、紫外線（UV）を約99％カットするスーパーUVカットガラス（フロントドア）を装備。サンドベージュとシャンパンシルバーを使った開放感のある明るいインテリアカラーなどをパッケージにしたメーカーセットオプション「UVカット＆ベージュパッケージ」も同時に設定した。

　そして、2013年7月に発売した「13-SKYACTIV シューティングスター スポルト」をベースとした特別仕様車も用意された。名前が長いのが難点ではあるが、シューティングスター スポルトのスポーティイメージをさらに加速させたもの。その名は「マツダ デミオ 13-SKYACTIV シューティングスター スポルト ダイナミックルーフ」。このモデルは、デミオ専用にデザインされたピンストライプ入りのルーフフィルムを採用。ボンネットにこそ、このストライプは入っていないものの、その昔流行したレーシングストライプのようなものだ。こういった手法は、すでにジューク なども使用している。

　フィルムのカラーは、ボディカラーにも設定しているジェットブラックマイカと、アルミニウムメタリックの2色を採用。フィルムの貼付は、なんとすべて手作業。フロントとサイドのモール部でフィルムを折り込ませることで、フロントガラスからルーフフィルムへの連続感ある仕上がりとした。また、ヘッドランプベゼル、ドアミラー、ルーフスポイラーをブラックに、アルミホイールをガンメタリックに塗装し、全体的に引き締まったような精悍さ与えている。

　もう一つの特別仕様車「マツダ デミオ 13-SKYACTIV シューティングスター マゼンタ」は、2013年7月に発売した「13-SKYACTIVシューティングスター グレイス」で表現したエレガンスという商品テーマを踏襲したもの。ダーク基調のインテリアカラーに、シート柄やステッチにマゼンタカラーを配すことにより、「シック（おしゃれ）×プレイフル（遊び心）」な世界観を表現した。さらに、高輝度ドアミラーや、シートサイドを本革としたハーフレザーシートを採用し、上質感を高めた特別仕様車としている。

　この2つの特別仕様車は、デミオというクルマの多様性を表現したといってもいい。ひとつは定番ともいえるスポーティな方向性。もうひとつは、コンパクトカーではなかなか表現しにくいエレガントな方向性だ。明確にキャラクターの違う特別仕様車だけに、どちらが自分の好みなのかというだけで選択できるので選びやすい。

　ただ、だからといって単純におすすめか、というとそうでもない。マツダ デミオは、2014年にフルモデルチェンジが予定されているからだ。新型マツダ デミオには、国内のBセグメント初となるクリーンディーゼル エンジンの搭載が噂されるなど、期待値は非常に高い。また、デザイン面でも輝きを増しているマツダだけに、新型デミオのデザインがどうなるのか？ というのも気になるところだろう。それだけに、1年以内に新型デミオが出ることが分かっていて、今この特別仕様車が買いかというとちょっと微妙な感じとなる。

　さらに、シューティングスタースポルトダイナミックルーフの価格は、1,632,000円と安いといえる価格ではない。ガソリン車のデミオに対して、ホンダフィットハイブリッド のFパッケージが1,720,000円なので、価格差は9万円となる。この差なら、多少無理をしてでもハイブリッドの方が満足度は高いかもしれない。

　そうなると、イニシャルコストをどれだけ低くできるかが購入のポイントだ。1年以内にフルモデルチェンジすること、フィットハイブリッドのとの価格差がわずかであること、これらを商談の武器として使い、大幅な値引きができれば価値がある。少なくとも30万円くらいの値引きがほしいところだ。30万円引きで、約133万円となるなら良い買い物かもしれない。