三菱eKワゴン/eKカスタム新車情報・購入ガイドクラストップの燃費30.0㎞/L達成！さらに、走行性能も向上！！ [CORISM]

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Follow @CORISMcom 【三菱】2014/07/03

三菱eKカスタム

燃費に執念を燃やすも、安全装備は向上せず

　三菱と日産の軽自動車における合弁会社がNMKV 。そのNMKVが開発した初のモデルが、三菱ekワゴンと日産デイズだ。

　三菱ekワゴンは、2013年6月にデビュー。ハイト系ワゴンクラスに投入されたeKワゴンは、当時ワゴンR やムーヴが燃費戦争中だった。当時、29.0㎞/Lでトップだったムーヴに対して、最後発となるeKワゴンなので、この数値を超えなくてはならない。

　そのため、eKワゴンは圧縮比12.0と軽自動車中トップの高圧縮比エンジンを搭載。さらに、高圧縮比化に伴うデメリットのノッキング問題を解消するために、軽自動車初となる水冷式EGRクーラーを装備した。EGRクーラーは、排気ガスの一部を吸気に戻し、排気ガスの浄化と燃費向上を図るシステムだ。さらに、電子制御サーモスタットも国産車初の装備としている。この電子制御サーモスタットは、冷却水の温度を細かく制御し、エンジンのヘッド部の熱をシッカリと冷やし続けることで、ノッキング対策としている。

　その結果、eKワゴンの燃費は29.2㎞/Lとクラストップを奪取。これで、軽自動車の燃費戦争は一時休戦となるはずだったのだが、ナンバー1にこだわるスズキが2013年7月に2012年9月にフルモデルチェンジしたばかりのワゴンR を一部改良。イッキにライバルを大きく引き離す30.0㎞/Lというクラストップの低燃費でナンバー1の座を再び奪取したのだ。eKワゴンの燃費ナンバー1の座は、わずか1ヶ月程度というNMKVにしてみれば屈辱的ともいえる状態となった。その後、ホンダがこのクラスにNワゴンを投入したのだが、この30.0㎞/Lという低燃費性能は、さすがのホンダでも超えることができず、Nワゴンは29.2㎞/Lという燃費に甘んじている。

　そんなデビュー直後だったeKワゴンが、わずか1年で一部改良を施し燃費をワゴンRと同じクラストップの30.0㎞/Lとして登場した。

　この30.0㎞/Lという低燃費を実現したのは「アシストバッテリー」の搭載によるものだ。このアシストバッテリーは、eKワゴンの後にスーパーハイト系であるekスペースに搭載された低燃費技術だ。
　
　この技術は、スズキのエネチャージとほぼ同じもの。減速時にオルタネーターで発電した電力を電池に充電。充電した電力を電装品などに使い低燃費化するというもの。大きな違いは、スズキのリチウムイオン電池に対して、安価なニッケル水素電池を使用していることくらいだろう。

　eKワゴンは、とにかくクラストップの低燃費性能が必要とのことで、かなり燃費重視のクルマだった。あまりに高圧縮比化したことで、ライバルに比べてトルクが不足気味で、少々走りにくい面もあった。今回は、そんな部分にも一部改良を施した。CVTの仕様を最適化するとともに、エンジンの吸気ダクト形状を改良し、動力性能を向上させた。しかし、エンジンスペック的には、とくに変化がないので、実際の走行フィーリングがどう変化したのかチェックしたいポイントだ。

　また、燃費に対しての志の高さは立派で、価格アップもほとんどないようなレベルになっているのは高く評価できる。ただし、安全装備に関しては、相変わらずの軽視傾向が貫き通されている。未だに横滑り防止装置であるASCは、カスタムのターボ車がオプションで選べるだけで、他のモデルはオプションでも選べないという散々なもの。スーパーハイト系のeKスペースには、一部グレードに標準装備されているだけにとても残念だ。

　三菱eKワゴンは、年内末くらいまでに追突被害軽減自動ブレーキの装備を急いでいる。今時の新型車は、装備されていないとおかしいくらい重要視されている安全装備。この追突被害軽減自動ブレーキは、横滑り防止装置ASCの機能を使っているため、追突被害軽減自動ブレーキが用意されるまでは、横滑り防止装置を装備しない考えなのだろう。微妙な燃費向上より、安全装備の向上を優先してほしいものだ。

　ちなみに、ホンダNワゴンは、燃費で若干劣るものの、横滑り防止装置は全車に標準装備。最廉価グレード以外、追突被害軽減自動ブレーキとサイドエアバッグ+サイドカーテンエアバッグまで標準装備されている。こういった装備もジックリと検討して、選ぶ必要がある。